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オリンパス,上部消化管ビデオスコープ「GIF-H290T」を発売〜病変へのアプローチ性と操作性の向上を追求〜

2019-5-31

上部消化管ビデオスコープ「GIF-H290T」

オリンパス(株)は,病変へのアプローチ性と内視鏡診断・治療時の操作性を追求した上部消化管ビデオスコープ「GIF-H290T」を2019年6月10日(月)から国内で発売する。

上部消化管ビデオスコープは,食道・胃・十二指腸など,上部消化管の内視鏡診断・治療を行う際に使用する。今回発売する「GIF-H290T」は,通常の内視鏡検査から早期がんなどの内視鏡治療まで幅広く使用できるスコープ。ハイビジョン画質による高精細な観察,スコープの湾曲角度の拡大や副送水口※1 位置の見直しによる操作性の向上を実現した。より安全で迅速な内視鏡診断・治療をサポートする。

なお,本製品は5月31日(金)から6月2日(日)まで東京で開催される第97回日本消化器内視鏡学会総会(グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミール)に出展する。

※1 病変などを洗浄するために,内視鏡先端部から送水するための穴。通常の内視鏡は副送水口が設けられておらず,処置具を挿入する穴を使って送水を行う。

上部消化管ビデオスコープ「GIF-H290T」

 

●開発の背景

消化管における早期がんなどの治療は,外科手術に比べて患者さんの負担が少ない内視鏡的治療の普及が進んでいる。内視鏡的治療は,さまざまな処置具や送水機能を使用しながら,病変の切除や止血処置など多くの作業を行う。そのためスコープの操作性や機能性に対するニーズは高く,同社はこれまで,大きな鉗子口※1 や副送水口を有し,かつ直径が細く汎用性に優れた上部消化管ビデオスコープを開発してきた。
今回発売する「GIF-H290T」は,スコープの細さを維持したまま高画質化を実現した。さらに,スコープの湾曲角度や副送水口の位置を見直し,病変へのアプローチ性や操作性の向上を目指した。上部消化管の内視鏡診断・治療において,より安全で迅速な手技に貢献する。
※1 内視鏡に挿入した処置具を,内視鏡の先端部から出すための穴。

●主な特長

1. 湾曲角度の拡大により,病変部へのアプローチ性向上に貢献
医師は,スコープの先端部を上下左右に湾曲させながら,さまざまな部位に存在する病変の診断・治療を行う。本製品は,下方向の湾曲角度を従来機の90°から120°に拡大した(画像左)。また,上方向に湾曲させた際の左右方向の可動域が広がった(画像右)。これにより,管が狭く屈曲した部位など,従来診断・治療が困難だった症例に対するアプローチ性向上に貢献する。

湾曲角度の拡大により,病変部へのアプローチ性向上に貢献

 

2. ハイビジョン画質の採用により,確実な処置をサポート
ハイビジョン対応のCCDを搭載。高精細なハイビジョン画質により,血管や粘膜下層の視認性向上に貢献し,より確実な処置をサポートする。

3. 副送水口の位置の見直しにより,より迅速な止血処置をサポート
スコープ先端部の構造を見直し,副送水口の位置を処置具が通る鉗子口の位置へ近づけた。治療中に出血した場合,出血部位に送水して正確な出血点を確認し,処置具を用いて止血処置を行う。従来は,送水位置と処置具の位置が離れており,それぞれの処置を行うたびにスコープを動かす必要があった。本製品はスコープを動かすことなく一連の処置操作を行うことが可能になったため,より迅速で確実な止血処置に貢献する。

副送水口の位置の見直しにより,より迅速な止血処置をサポート

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
http://www.olympus.co.jp