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オカムラとメディカロイド,神戸大学が手術支援ロボット「hinotori™」用チェア「kumpel(クンペル)」を共同開発長時間の手術姿勢をサポートするチェア

2020-12-21

kumpel(クンペル)使用イメージ

(株)オカムラは,2020年12月,(株)メディカロイドと国立大学法人神戸大学と共同で,手術支援ロボットシステム「hinotori™ サージカルロボットシステム(以下,hinotori™)」用のチェアとして「kumpel(クンペル)」を開発した。

「hinotori™」は,2020年8月に(株)メディカロイドが国産として初めて製造販売承認を取得した手術支援ロボットシステム。ストレスフリーな手術で執刀医の負担を軽減し,高精細な3D内視鏡画像により執刀医と助手の医師との円滑なコミュニケーションをサポートする。手術支援ロボットによる手術は,スコープを覗く姿勢を長時間とりながら頻繁で細かな手と足の操作を行うため,椅子に対しての課題が残されていた。

オカムラは,1980年より働き方や働く空間に関する研究機関を設け,働く姿勢に関しても調査・研究を続けてきた。医療施設においても調査・研究を行い,病院やクリニック,介護施設向けの数多くの家具の開発・製造・販売と空間設計を行ってきた。

「hinotori™」用のチェア「クンペル」の開発にあたり,(株)メディカロイド,国立大学法人神戸大学と共同で手術支援ロボットシステムにおける作業姿勢の調査を行った。独特な作業姿勢でありながら長時間を要するロボット支援下手術の疲労を軽減することを目的として「クンペル」を開発し,さまざまな機能を盛り込んだ。長時間の作業でも疲れにくいように術者の骨盤を立たせ正しい姿勢をサポートし,フットペダル操作時に足を動かしやすくするため,座は5度に前傾する。背座一体型のシートは,快適に手術作業ができるよう腰を包み込む背もたれと腿裏を圧迫しない座面形状にこだわった。座は,フットペダルを操作しやすいように奥行きを短くし,先端はV字形状を採用した。

●手術支援ロボット「hinotori™」用チェア「kumpel(クンペル)」の特徴

「クンペル」は,独特な作業姿勢でありながら長時間を要するロボット支援下手術の疲労を軽減できるようにさまざまな機能を盛り込んだ「hinotori™」用チェア。

背座:背と座は,腰を包み込む背もたれと腿裏を圧迫しない座面形状
座:フットペダルを快適に操作できるよう座の奥行きを短くし,先端はV字形状で脚を付け根から左右に動かしやすい
背:幅の短い背もたれ形状は休息時に肩が回しやすい
操作:座面下の左右操作レバーで,座の高さ調整と水平時のロックが可能。ロックを解除すると前傾します
脚:適切な操作ポジションまで近寄れるコンパクトな5本脚
キャスター:滑りすぎず適度なグリップ感のあるゴムキャスターを採用

「kumpel(クンペル)」の特徴

 

●「hinotori™ サージカルロボットシステム」の概要

2020年8月に(株)メディカロイドが国産として初めて製造販売承認を取得した手術支援ロボットシステム。オペレーションユニット,サージョンコックピット,ビジョンユニットの3ユニットで構成。手術を実施するオペレーションユニットのアームは,ヒトの腕に近いコンパクトな設計で,アーム同士やアームと助手の医師との干渉を低減し,より円滑な手術が可能となることが期待される。サージョンコックピットは,執刀医の姿勢にあわせることが可能なように人間工学に基づいた手法で設計されている。執刀医の負担を軽減し,ストレスフリーな手術をサポートする。ビジョンユニットは,サージョンコックピットに高精細な内視鏡画像を3Dで映し出すとともに,執刀医と助手の医師との円滑なコミュニケーションをサポートする。

 

●問い合わせ先
(株)オカムラ
www.okamura.co.jp