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  • エドワーズライフサイエンス,重症大動脈弁狭窄症に対する経カテーテル治療(TAVI), 慢性の透析患者への適応承認を取得 —保険収載を経たのち,要件を満たす全国約30の医療機関にて治療可能に—

    2021-1-21

    エドワーズライフサイエンス(株)(以下エドワーズ)は,経カテーテル大動脈弁留置術(以下TAVI=タビ*1)に使用する生体弁「エドワーズ サピエン3」(承認番号:22800BZX00094000) について,慢性の透析患者への適応拡大に関し,追加の承認を取得した。今後は保険収載を経て,定められた施設要件*2を満たした全国約30の医療機関にて治療可能となる見込み。

    TAVIは,重症の大動脈弁狭窄症*3を,開胸することなく,カテーテルで患者の血管を通じて生体弁を心臓の中まで運び留置する革新的な治療法として,2013年にエドワーズが初めて日本に導入した。それ以来,大動脈弁狭窄症の治療が必要とされている患者にとって,新たな治療の選択肢として役立てられてきた。
    ただし2013年当時,TAVIは非常に新規性の高い治療法であったため,よりリスクが高いとされる慢性の透析患者*4は新しい治療の適応対象外とされた。
    しかし,大阪大学で先進医療として慢性の透析患者に対するTAVIを行ったところ,その安全性と有効性を示すことに成功*5。それをきっかけに2016年9月,日本国内での治験がスタートした。また,治験終了後は大阪大学で拡大治験*6を継続し,TAVIによる治療が必要な慢性透析の重症大動脈弁狭窄症の患者に治療を届けてきた。そして,改めてその安全性・有効性が示された*7ことから,今回の承認取得に至った。

    大動脈弁狭窄症は放置すると病状が進行し,心不全などへと発展して入退院を繰り返すなど,患者の生活の質を悪化させる。しかし適切に治療すると,再びすこやかな日常生活を取り戻すことが目指せる疾患。日本の慢性透析患者数は約33万人で,人工透析を受けながら適切な自己管理を行い,日常生活を営む方は数多くいる。また,7割近くは65歳以上*8とされていることから,加齢とともに増加する大動脈弁狭窄症を患う慢性の透析患者も一定程度いると考えられる。また,透析患者において重症の大動脈弁狭窄症の罹患率が高いことも知られている*9

    そのような中,外科的治療が困難な重症の大動脈弁狭窄症を患う慢性の透析患者にとって,開胸手術であるSAVR*10だけでなく,低侵襲であるTAVIが治療の選択肢として加わった。はじめて大動脈弁置換術を受ける患者だけでなく,過去に開胸手術で生体弁での治療を受けた患者においてもTAVIが選択肢となる可能性がある。

    国内で先進医療と治験を主導した大阪大学医学部心臓血管外科教授の澤芳樹氏は,次のように述べている。
    「日本では欧米に比べ慢性透析療法の管理が高水準で予後が良いことが知られています。また,国内におけるTAVI治療成績も国内導入時から現在に至るまで大変良好です。この度,世界ではじめての慢性透析患者の治験を日本で行い,日本の患者さんのために外科的治療に加え経カテーテル的治療であるTAVIが治療オプションに加わったことを大変嬉しく思います。保存的治療しか選択しえなかった患者さんに手術治療の機会が広がります。透析医療にかかわる先生方との連携により,弁膜症チーム*11が個々の患者さんに適した治療法を選択できることで,透析患者さんに対する大動脈弁置換術の治療成績の向上,患者さんの術後QOLへの貢献が期待されます。また,今後,市販後調査によって長期成績を含めたリアルワールドデータが蓄積されること,また,蓄積されたデータを今後,国内外に発信していくことで,適切な治療が広がっていくことを望みます。」

    エドワーズ代表取締役社長で,米国本社コーポレートバイスプレジデント 日本・アジアパシフィック担当のケイミン・ワング氏は次のように話している。
    「エドワーズはクレド(信条)として,私たちは循環器疾患と戦う人々へ,革新的な治療手段を提供することに全力を尽くす,と定めています。この度,TAVIを日本に初めて導入した2013年当初から強い要望が寄せられていた,慢性の透析患者さんを対象とした本治療法が安全に承認され,治療をお届けできる見込みとなったことは,私たちにとって非常に意義のあることです。エドワーズはこれからも,心臓弁膜症が世界にもたらす負担を軽減し,患者さんがすこやかな日常生活を取り戻す一助となれるよう,尽力してまいります。」常に意義のあることです。エドワーズはこれからも,心臓弁膜症が世界にもたらす負担を軽減し,患者さんがすこやかな日常生活を取り戻す一助となれるよう,尽力してまいります。」

    *1 TAVI(タビ)とは:Transcatheter Aortic Valve Implantationの略称。開胸手術をすることなく,カテーテルで患者さんの血管を通じて生体弁を心臓の中まで運び,留置する治療法。

    折りたたんだ生体弁を,カテーテルで心臓の中に運ぶ様子(左)とバルーンで膨らませた様子(右)

    折りたたんだ生体弁を,カテーテルで心臓の中に運ぶ様子(左)とバルーンで膨らませた様子(右)

     

    *2 経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会認定のTAVR指導施設,またはエドワーズ社プロクター医師の在籍するTAVR専門施設であること。参考:経カテーテル的心臓弁治療関連学会協議会ウェブサイト http://j-tavr.com/facility.html
    *3 大動脈弁狭窄症とは:心臓弁膜症のひとつで,心臓の大動脈弁に障害が起き,本来の機能を果たせなくなる病気。治療せずに放置すると心不全へと繋がる恐れがあり,患者の生活の質に著しい影響を与える。薬では根治できないため,人工弁置換術(開胸して心臓を止め,悪くなった弁を人工弁に取り換える治療)やTAVIなど外科的な措置が必要になる。
    参考:心臓弁膜症サイト https://www.benmakusho.jp/

    正常な大動脈弁(左)と,狭窄した大動脈弁(右)

    正常な大動脈弁(左)と,狭窄した大動脈弁(右)

     

    *4 Yamauchi, et al. Surgical Aortic Valve Replacement for Aortic Stenosis in Dialysis Patients -Analysis of Japan Cardiovascular Surgery Database-. Circ J 2020; 84:  8: 1271-1276.
    *5 Maeda, et al. Early Outcomes in Japanese Dialysis Patients Treated With Transcatheter Aortic Valve Implantation. Circ J 2015; 79: 2713.2719.
    *6 拡大治験とは:人道的見地から治療へのアクセスを確保する目的で行われる治療。一部の効果等が承認されていない医療機器等で,承認申請をするための臨床試験が実施されているものの,その患者組入れ基準から外れたり,また組入れが終了しているなどの理由で治療にアクセスできず,承認までの期間を待つことが出来ない患者さん等に適用される。
    *7 Maeda, One-year Outcomes of the Pivotal Clinical Trial of a Balloon-expandable Transcatheter Aortic Valve Implantation in Japanese Dialysis Patients, Presented at 84th Annual Scientific Meeting of Japanese Circulation Society, 2020 July 27- August 2, Kyoto.
    *8 日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現状」https://docs.jsdt.or.jp/overview/   アクセス日2020年1月21日
    *9 Samad, et al. Prevalence and Outcomes of Left-Sided Valvular Heart Disease Associated With Chronic Kidney Disease. J Am Heart Assoc. 2017; 6(10): e006044
    *10 SAVRとは:Surgical Aortic Valve Replacement,外科的大動脈弁置換術の略称。
    *11弁膜症チームとは:心臓血管外科医,循環器内科医,エコー医,麻酔科医,放射線科技師,臨床検査技師,臨床工学士,看護師等からなる専門家チーム

    ※患者に対して同社より直接,治療に関する情報の提供はできない。必ず自身の主治医に相談すること。
    ※慢性の透析患者に対する本治療は2021年1月現在,保険収載の手続き中。また弁膜症チームによって治療によるリスクと期待されるベネフィットが考慮された結果,治療が実施できないこともある。

     

    ●問い合わせ先
    エドワーズライフサイエンス(株)THV事業部
    TEL 03-6894-0680
    https://www.edwards.com/jp/