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富士通,病院やクリニックなどのリハビリテーション現場を支援する,AIを活用した関節可動域自動測定ソリューション「HOPE ROMREC」を販売開始肩と肘の関節可動域の目視測定や測定値のシステム入力作業の自動化を実現

2021-2-24

富士通(株)は,リハビリテーションおよび整形外科に関わる病院やクリニックなどの医療施設を支援するため,AIを活用し患者のリハビリテーションの動画から肩と肘の関節可動域(注1)を自動測定する新たなソリューション「FUJITSU ヘルスケアソリューション HOPE ROMREC(ホープ ロムレック)」(以下 「HOPE ROMREC」)を2021年2月24日から販売開始する。

「HOPE ROMREC」は,複数のAI画像認識モデルで構成する当社開発の画像分析AIエンジンにより,タブレット端末(注2)を用いて撮影したリハビリテーション動画から3次元骨格を推定することで,患者の肩と肘の角度を自動測定および記録し,可視化するソリューション。これにより,理学療法士(Physical Therapist,以下 PT)や作業療法士(Occupational Therapist,以下 OT)がこれまで実施していた,ゴニオメーター(注3)を用いて患者の関節の曲がり具合を目視で測定する作業を大幅に効率化でき,理学療法および作業療法の効果の評価や障がい度合いの判定を支援する。

同社は,今後,「HOPE ROMREC」を継続的に機能強化し,関節可動域の測定部位を増やしていくほか,遠隔でのリハビリテーションを実現する仕組みとして,患者が自宅で撮影したリハビリテーションの動画をかかりつけの病院やクリニックへ送付するだけで関節可動域を自動測定する機能などを搭載していく予定。

●背景

リハビリテーション治療では,関節の動きの阻害要因の発見や,理学療法および作業療法の効果の評価,障がい度合いの判定などにおいて,関節可動域の測定が必要だが,PTやOTはゴニオメーターなどを用いて目視で測定しているため,測定値に属人的なバラつきが発生してしまうほか,従来の関節可動域の自動測定には加速度センサーなどの特殊な装置が必要となり,導入が進んでいないことが課題となっている。また,PTやOTは,測定に伴う測定値のシステム入力作業に加え,新型コロナウイルス感染症の感染防止対策として,リハビリテーションエリアの消毒作業なども行うなど,医療現場の負荷が増している。
上記の課題を解決するため,同社は,患者のリハビリテーションの動画をAIで解析し,肩と肘の関節可動域を自動測定する「HOPE ROMREC」を開発し,2月24日より販売を開始する。

●「HOPE ROMREC」の特長

1.同社開発の画像分析AIエンジンにより患者の関節可動域を自動測定

 

図1. 関節可動域自動測定のイメージ

図1. 関節可動域自動測定のイメージ

 

2.測定値の音声入力機能

 

図2. 「HOPE ROMREC」の画面イメージ

図2. 「HOPE ROMREC」の画面イメージ

 

3.電子カルテシステムなどとの容易なデータ連携を実現
測定データはCSVデータとして抽出可能なため,電子カルテシステムや診断書作成システムなどへと容易に取り込むことができ,患者の治療実績や治療計画を踏まえて,より質の高いリハビリテーション治療に向けた活用が可能。

●販売価格,および販売・提供開始日

販売価格,および販売・提供開始日

 

注1
関節可動域:体の各関節が生理的に運動できる最大範囲を角度で示すもの。
注2
タブレット端末:現時点ではiPadのみ対応。
注3
ゴニオメーター:PTやOTが関節可動域を測定するために使用する角度計。

 

●問い合わせ先
富士通コンタクトライン(総合窓口)
TEL 0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・同社指定の休業日を除く)