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  • ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニー,「遠隔手術指導プログラム」を提供開始,手術中のリアルタイムでの指導が可能に日本×台湾の胸腔鏡手術を皮切りにスタート,千葉大学病院で初となる単孔式胸腔鏡手術が成功

    2021-6-16

    ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカル カンパニー は,オンラインシステムを使った遠隔手術指導プログラムの提供を開始する。本プログラムは2021年4月27日に千葉大学医学部附属病院(以下,千葉大学病院) 呼吸器外科で実施された胸腔鏡手術で,有用性と実効性が実証された。本症例は肺がんの治療においてより患者の負担の少ない単孔式胸腔鏡手術によるもので,執刀経験が豊富な台湾のLiu Chia-Chuan氏(Koo Foundation Sun Yat-Sen Cancer Center,胸部外科シニアメンバー)と千葉大学病院の手術室をオンラインで繋ぎ,Liu氏のテレメンタリング(遠隔指導)のもと,千葉大学病院では初となる単孔式胸腔鏡手術での手術を成功させた。本プログラムによる遠隔手術支援は同社のアジア太平洋地域では今回が初の実施例となる。

    本遠隔指導プログラムは,5Gなど高速回線を用いなくても配信遅延がほとんどない,リアルタイムな通信を可能にする。同プログラムには,映像通信システムと,指導医の紹介を含めた教育ソリューションの有償提供が含まれる。本システムの活用により,移動を伴うことなく遠隔地にいる経験豊富な医師による手術への立ち会いや指導が可能となる。医療リソースへの負担を軽減しながら,より難易度の高い手術の成功率の向上に寄与するだけでなく,地域間の医療格差解消も期待でき,医療従事者にも患者にも貢献できるソリューション。

    Koo Foundation Sun Yat-Sen Cancer Center(台湾)をオンラインでつなぎ,千葉大学病院で行われた手術の様子

    Koo Foundation Sun Yat-Sen Cancer Center(台湾)をオンラインでつなぎ,千葉大学病院で行われた手術の様子

     

    ●本プログラムの革新性

    1. ほぼリアルタイムでの遠隔指導が可能(医療従事者側のメリット)
    これまでは,インターネットの通信速度が良好な環境下でも,映像伝達にわずかな遅れが生じてしまい,遠隔での高度な手術支援は難しいとされてきた。しかし,本プログラムで使用するシステムでは,最先端の動画圧縮技術を採用することによって,既存の院内ネットワーク環境下,または同社が提供するwifiシステムの環境下でも,視覚的には影響がない,ほぼリアルタイムでの指導が可能になった。

    ▶︎オンラインによりPC画面で手術を確認する指導医は,執刀医に対し,アノテーション(術野映像への手書き)によって指導する。アノテーションの方法は2種類あり,共有されている画像や映像に,ペンで画面に直接書き込むものと,指導医の手を机上に置き,上からカメラで映した画像や,実際の手の動きをAR化した映像を,共有されている画面に重ねて指示する方法(参考:下写真)。アノテーションにより,実際に手術に立ち会う以上に正確で具体的な指導や助言ができる。
    なお,Koo Foundation Sun Yat-Sen Cancer Centerと千葉大学病院のプログラムでは,PC画像にペンで直接書き込む方式で実施した。

    指導医の手を上からカメラで映し、手術映像に合成するイメージ図

    指導医の手を上からカメラで映し、手術映像に合成するイメージ図

     

    手のAR映像(右)を共有している手術画面に重ねて表示するイメージ図

    手のAR映像(右)を共有している手術画面に重ねて表示するイメージ図

     

    2. 高度な手技をもつ医師の立ち合いが,場所を限定せず可能(患者側のメリット)
    高度な手術において,その手技・手法の経験豊富な医師に遠隔で立ち会ってもらうことができ,患者にとって,場所の制限なく,より高度な手術を受けられる環境の整備が可能になる。

    3. 汎用性・拡張性がある
    本プログラムは,あらゆる分野での手術に適応可能。日本国内のみならず,国外にも広く展開可能であり,このシステムの提供開始をきっかけに,世界の医療技術の向上スピードの加速にもつながり得ると考えられる。

    【本プログラムを利用した,千葉大学病院 呼吸器外科 医師のコメント】

    国を越えた遠隔手術指導が,2021年4月27日に台湾のLiu氏(Koo Foundation Sun Yat-Sen Cancer Center)の遠隔指導のもと,千葉大学病院呼吸器外科の胸腔鏡手術で行われた。

    ●教授 吉野 一郎 氏
    「我々は患者さんにより良い医療を提供すべく,日々研鑽しています。しかし,術式は日進月歩です。最新術式の導入においては,既にその分野で経験豊富な先生に直接指導いただくことができれば,手技の導入スピードは格段に上がります。今回指導いただいたLiu先生は,大変教育熱心な先生で,指示も明確なので,私たち執刀チームも迷うことなく手技を進めることができました。リアルタイムで配信遅延のないこのシステムを使えば,患者さんに提供できる医療レベルは確実に上がり,さらには日本の医療の発展に繋がると考えます。」

    ●助教 坂入 祐一 氏
    「日々勉強のため,国内外の著名な先生の術式を映像など見ながらシミュレーションしていますが,実際の手術中に同じ画面を共有し,リアルタイムで指導いただけるのは,自身では気づかなかったことをインプットいただけるなどの観点で,大変価値があります。今後は手術が終了した後に指導内容を録画で振り返ることができると聞いているので,この点も,今後のスキルアップに大変役立つと思います。今回のプログラムを導入することによって,最新術式を指導いただく機会も増え,執刀医のスキルアップやより質の高い医療の提供が可能になり,患者さんにとってのメリットも非常に大きいと感じています。」

    【ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカル カンパニー 代表取締役プレジデント 玉井直孝氏 コメント】

    新型コロナウイルス感染症の流行により医療従事者の移動に制約が生じたことは,医療業界に大きな影響を及ぼしました。一方で,そのような状況をテクノロジーで克服するアプローチも増えてきています。当社でも,医療テクノロジーを提供する企業として,未曾有の環境下であっても患者さんの健康に寄与できるソリューションを常に模索し続け,この度,コロナ禍においても最前線で医療に従事する先生方のニーズにお応えするプログラムを提供することができました。
    また,当社ではグローバルカンパニーとしてのネットワークを活用し,国内外の医師をつなぐ教育プログラムを提供することが可能です。汎用性の高い本プログラムによるイノベーションが,これからの医療指導のスタンダードを築く一助になればと思っています。そして,このプログラムによって,立地にかかわらずより多くの医療機関で高度な手技の導入が加速し,日本全体の医療の質の向上につながり,超高齢社会における医療の偏在や医師不足などの課題の解決に向けて少しでも貢献できれば幸いです。

     

    ●問い合わせ先
    ジョンソン・エンド・ジョンソン(株)メディカル カンパ二ー
    https://www.jnj.co.jp/jjmkk/