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サイバネットシステム,日本医用画像工学会の功績賞を受賞 「人工知能(AI)を用いた内視鏡診断支援システムの開発」大腸内視鏡診断をAI(※1)により一気通貫で支援し,医師の診断負荷軽減に寄与するサイバネット開発のソフトウェア群が評価の対象に。

2021-11-1

サイバネットシステム(株)(以下「サイバネット」)は,一般社団法人日本医用画像工学会(以下「日本医用画像工学会」)より,「AI を活用した大腸内視鏡画像診断支援ソフトウェア『EndoBRAIN®』シリーズ」開発の功績が評価され,名古屋大学 大学院 情報学研究科および昭和大学 横浜市北部病院 消化器センターと共同で功績賞を受賞したことを発表した。

■ 日本医用画像工学会 功績賞 受賞理由
人工知能を用いた内視鏡診断支援システムの開発において医用画像工学に多大な貢献をし,その発展に深く寄与したため。

■ 功績賞受賞者(敬称略)
名古屋大学 大学院 情報学研究科 教授  森 健策
昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター 教授  工藤 進英
昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター 講師  森 悠一
昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター 講師  三澤 将史
サイバネットシステム株式会社 医療ビジュアリゼーション部 部長  須貝 昌弘

2021年10月14日,日本医用画像工学会の会員集会中に執り行われた授賞式にて。(左から)名古屋大学 森氏,昭和大学 横浜市北部病院 工藤氏,昭和大学 横浜市北部病院 三澤氏,サイバネット 須貝氏

2021年10月14日,日本医用画像工学会の会員集会中に執り行われた授賞式にて。(左から)名古屋大学 森氏,昭和大学 横浜市北部病院 工藤氏,昭和大学 横浜市北部病院 三澤氏,サイバネット 須貝氏

 

●功績賞受賞対象となった「AIを活用した大腸内視鏡画像診断支援ソフトウェア群『EndoBRAIN®』シリーズ」とは

「EndoBRAIN®」シリーズとは,サイバネットが昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター教授の工藤 進英氏,名古屋大学 大学院 情報学研究科教授の森 健策氏らのグループと共同で開発したソフトウェア群。事前に膨大な症例画像を学習した人工知能(AI)が,オリンパス(株)製大腸内視鏡で撮影された内視鏡画像情報を基に,医師による病変の診断予測を補助する。

2018年12月,AIを搭載した診断支援機器として初めて「内視鏡画像診断支援ソフトウェアEndoBRAIN®」が医薬品医療機器等法(※2)に基づいたクラスⅢ・高度管理医療機器(※3)として承認を取得したことを皮切りに,現在「EndoBRAIN®-EYE」「EndoBRAIN®」「EndoBRAIN®-Plus」「EndoBRAIN®-UC」の4製品がラインナップされている。大腸内視鏡診断をAIにより一気通貫で支援し,医師の診断における負荷軽減に寄与する。

内視鏡画像診断支援ソフトウェアEndoBRAIN

 

●『EndoBRAIN®』シリーズ開発の背景

大腸がんは日本の癌において部位別罹患数1位,死亡数2位(※4)であり,定期的な「大腸内視鏡検査」などの効果的な対策が求められるがん種。その対策として,大腸内視鏡で早期がんや前がん病変である腫瘍性ポリープを切除することで,大腸がんによる死亡を大幅(53-68%)に減らせることが知られている(Zauber et al. N Engl J Med 2012, Nishihara et al. N Engl J Med 2014)。しかし,1回の検査当たり腫瘍性ポリープの約22%が見落とされている可能性が指摘されていた (van Rjin JC et al. Am J Gastroenterol 2012)。見落としの内訳として,大腸のヒダや便に隠れてしまって描出ができていない場合と,画面上にポリープが描出されていてもヒューマンエラーによって見落とされてしまう場合がある。サイバネットは,昭和大学横浜市北部病院消化器センター及び名古屋大学大学院情報学研究科の森健策研究室と連携して,特に後者による見落としを防ぐことを主眼として,医師による内視鏡検査を補助するAIを2013年より研究・開発してきた。
サイバネットは最新のAIを活用した内視鏡技術で,内視鏡検査に携わる医療従事者の負担軽減に一層寄与できるよう,今後も製品開発・改良に注力していく。

EndoBRAIN®シリーズの詳細については,下記Webサイト参照。
https://www.cybernet.co.jp/medical-imaging/products/endobrain/

●共同受賞者となった各施設代表のコメント

■昭和大学 横浜市北部病院 消化器センター センター長,教授 工藤 進英 氏
この度は,EndoBRAIN®シリーズの開発に対し,権威ある日本医用画像工学会の功績賞を賜りました。これもひとえに名古屋大学の森健策教授やサイバネットの開発者の皆様のお力添えのおかげと深く感謝いたします。EndoBRAIN®シリーズは,AI を活用し最高の医療を多くの患者様に提供することを目的として2013年から医師主導で始まったプロジェクトです。2018年に国内初の薬機法承認を取得し,上市しましたが,まだまだ改良・新製品開発の余地があります。最高の医療を全世界へ届けるためにこれからも名古屋大学,サイバネットと協力して邁進していきたいと思います。

■名古屋大学 大学院 情報学研究科 教授 森 健策 氏
昭和大学,名古屋大学,サイバネットとの共同研究の成果に対して,日本医用画像工学会功績賞をいただけることになったことをうれしく思います。医用画像研究の研究は,基礎的な画像処理手法の研究から始まり,実際に病院で利用され,そして,患者様へのメリットが生み出されるところまで行われて,初めて一つの形となります。非常に認識が難しい画像パターンの解析を内視鏡検査中にリアルタイムで実行できるようになることで,新しい内視鏡検査の形を示すことができるようになったと思います。また,AI を活用した医療機器としても,一つの道筋を示すことができたと考えます。本共同研究に参加されたすべての皆様に感謝するとともに,我々の研究を評価してくださった日本医用画像工学会の皆様に御礼申し上げます。

■サイバネットシステム株式会社 医療ビジュアリゼーション部 部長 須貝 昌弘 氏
この度は,昭和大学様,名古屋大学様とのEndoBRAIN®シリーズの開発におきまして,日本医用画像工学会功績賞を受賞させて頂く事になり感謝申し上げます。この受賞は,昭和大学様,名古屋大学様をはじめEndoBRAIN®シリーズ開発に関わって下さった皆様のお力添えがあったからこそ受賞出来たのだと認識しております。皆様には心より感謝申し上げます。今回の受賞を励みにEndoBRAIN®シリーズに改良を重ね,これまで以上に良いAI を活用した医療機器を多くの患者様にお届けする事が出来る様に日々精進して参ります。

【注釈】
※1:人工知能(AI):EndoBRAIN-EYE® が採用しているAI はディープラーニングと呼ばれる機械学習の一種であり,市販後に自ら学習を繰り返して性能が向上するタイプのAIではない。
※2:医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法):薬機法ともよばれる法律で,医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器および再生医療等製品の品質,有効性および安全性を確保し,医療機器の安全対策強化や,医薬品・医療機器・再生医療等製品などの承認・規制を目的とするもの。この法律では診断・治療を目的としたソフトウェアも対象となる。
※3:医療機器は多種多様であるため,患者に与えるリスクに応じて,一般医療機器(クラスⅠ),管理医療機器(クラスⅡ),ならびに高度管理医療機器(クラスⅢとクラスⅣ)に分類されている。クラスII・管理医療機器は不具合が生じた場合でも,人体へのリスクが比較的低いと考えられるもので,レントゲン撮影装置や心電計,注射針,さらにはEndoBRAIN-EYE® のような一部の診断支援プログラムが該当する。
※4:大腸癌による男女合計の死亡者数2位:国立がん研究センターが発表する2021年2月10日付「最新がん統計“2019年の死亡数が多い部位”」がん情報サービス統計値( https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html )より。

 

●問い合わせ先
サイバネットシステム(株)
医療ビジュアリゼーション部
E-MAIL:med-info@cybernet.co.jp
https://www.cybernet.co.jp/