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島津製作所とMCBI,認知症の前段階である軽度認知障害のリスクをより高精度に判定
「MCIスクリーニング検査プラス」を提供開始

2022-4-4

島津製作所とT&D保険グループの太陽生命保険(株)(以下,太陽生命)が出資する(株)MCBI(以下,MCBI)は,アルツハイマー型認知症(以下,アルツハイマー病)の前段階である軽度認知障害(MCI)のリスクを判定する「MCIスクリーニング検査」をより精度の高い「MCIスクリーニング検査プラス」へと進化させ,4月1日より全国の提携医療機関に提供を開始する。

認知症の6割以上を占めるアルツハイマー病は,発症の約20年前から原因の主要物質であるアミロイドベータが脳内に溜まり始めるといわれている。健常と認知症の中間であるMCIの段階で,適切な予防や治療を行えば,認知症の発症を防いだり遅らせたりすることが期待できる。「MCIスクリーニング検査」は,MCIの発症リスクを栄養・脂質代謝・免疫に関連する血液中のタンパク質により評価する検査。MCBIは2015年5月より全国のクリニックや健診センターなどを通じて,のべ6万人以上に同検査を提供してきた。今回提供を開始する「MCIスクリーニング検査プラス」は,分析対象を3個のタンパク質から9個のタンパク質に増やすことで,より高精度な検査精度を実現できた。

MCIスクリーニング検査プラスについて

 

太陽生命は,2016年3月に,生命保険業界で初めて(*1)健康に不安のある方でも加入できる,認知症による所定の状態を保障する保険「ひまわり認知症治療保険」を発売し,多くの顧客に好評を得た。さらに2018年10月には,「認知症になった場合の保障」だけでなく「認知症にならないための予防」の段階から顧客をサポートする「ひまわり認知症予防保険」を発売した。契約の1年後から2年ごとに受け取れる「予防給付金」は,「MCIスクリーニング検査プラス」などの認知症予防サービスにも利用できる。

島津製作所は,受託分析会社の島津テクノリサーチを通じて,アルツハイマー病に関する治療薬・早期予防法の研究開発を対象とした「アミロイドMS受託解析サービス」を展開してきた。また,「医用画像診断におけるPET(陽電子放出断層撮影)装置によるアミロイドベータ蓄積の画像化」や「fNIRS(機能的近赤外分光分析法)による脳の認知的な働きなどの計測」といった様々な研究開発に従事している。

MCBIは,筑波大学発バイオベンチャーであり,血液バイオマーカー(*2)を用いた画期的な血液検査による予防医療・先制医療支援に取り組んでいる。その中で,社会問題となりつつある認知症について早期発見・予防に取り組んでおり,軽度認知障害(MCI)を早期に発見できる「MCIスクリーニング検査」を2015年5月より提供してきた。今回,同時に多成分が測定可能な島津製作所製の高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)を使い,血液バイオマーカーとして9個のタンパク質を用いた「MCIスクリーニング検査プラス」を開発した。

厚生労働省によると,日本における65歳以上の認知症患者数は,2025年には約700万人に達すると予測されている。太陽生命と島津製作所,MCBIは,「MCIスクリーニング検査プラス」の普及を通じて認知症という大きな社会的課題の解決を目指す。

 (*1)簡単な告知により加入できる選択緩和型の商品で,認知症について保障する保険は生命保険業界初(一般社団法人生命保険協会加盟41社について,太陽生命調べ(2015年12月末時点)。
  (*2) バイオマーカーとは,病気と関連する体の中の成分(血液中に含まれるタンパク質など)や画像検査で得られる情報などを指して言う。アルツハイマー病の早期発見と治療にはこのバイオマーカーに大きな期待が寄せられている。

 

●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.shimadzu.co.jp/