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富士通Japan,診療データの利活用により病院のDXを加速する大中規模病院向けクラウド型電子カルテサービスを提供開始

2022-8-1

富士通Japan(株)(注1)(以下,富士通Japan)は,診療データの利活用により病院のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するため,国内市場でトップシェアの電子カルテシステム(注2)と医事会計システムをクラウド化した500床規模の大中規模病院向けクラウド型電子カルテサービス「Fujitsu ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX Cloud (ホープ ライフマーク エイチエックス クラウド)」(以下,「HOPE LifeMark-HX Cloud」)を,2022年8月1日より提供開始する。

本サービスは,クラウド化によりAI問診など外部サービスとの連携に必要なWEB-API(注3)が利用しやすくなるため,さらなる患者サービスの向上や院内業務の効率化,および病院経営の改善に貢献する。また,次世代医療情報標準規格であるHL7 FHIR(注4)に対応しており,医療情報連携の強化と診療データの利活用を促進する。

今後,同社は,さらに500床以上の大規模な病院へと本サービスを展開するとともに,電子カルテと接続する臨床検査システムや診療画像システムなどの関連システムをクラウド化することで健康・医療に関わる様々なサービスとの連携を実現することにより,患者や医療従事者,地域社会に対して,データの利活用による新たな価値を提供し,よりよい社会を実現するDXを推進していく。

背景

近年,自然災害の激甚化により,医療機関が被災する可能性を鑑みた業務継続や診療データ保全の対応などの観点からクラウドサービスへのニーズが高まっている。また,長引く新型コロナウイルス感染症の流行は,多くの医療機関で経営環境の変化や診療業務における負担の増加,SEが訪問できない環境下でのシステム保守など病院運営に多大な影響を及ぼしており,システム導入や更新に必要となるコストの平準化や運用コストの削減,環境の変化や新しい法制度へのスピーディーな対応が病院で利用するシステムに求められている。

これらの課題を解決するため,同社は,従来提供してきた中小規模病院や診療所向けクラウド型電子カルテサービスに加え,今回,大中規模病院においても利用可能な「HOPE LifeMark-HX Cloud」を提供開始する。

「HOPE LifeMark-HX Cloud」の特長

1.次世代医療情報交換規格のHL7 FHIRに準拠
クラウド化によりWEB-APIが利用しやすくなるほか,医療情報交換のために厚生労働省電子的診療情報交換推進事業(Standardized Structured Medical Information eXchange)において策定された規約であるSS-MIX2(注5),および次世代医療情報標準規格であるHL7 FHIRにも対応しているため,医療情報連携の強化と診療データの一層の利活用を促進する。

2.富士通のデータセンターを基盤とするセキュアで業務継続性を強化したシステム
一般財団法人日本品質保証機構が定める「データセンター安全対策適合証明(注6)」を取得した富士通(株)のデータセンターで運用することにより,安心・安全なクラウド型電子カルテサービスとして提供する。また,データセンター内においてハードウェアの二重化やフェールオーバー(注7)機能の搭載などのほか,災害時の回線不通対策として複数キャリアを用いた回線の二重化や電子カルテデータを参照できる専用サーバを院内に配置することで,業務継続性を強化した。

3.システムのトータルコスト削減と保守スタイルの変革
電子カルテや医事会計サーバをクラウド化することで,同ソリューションのオンプレミス型と比較して約50%程度サーバ数を削減でき,サーバの購入や設置に関わる初期投資だけでなく,定期保守やハード故障時の保守といったサーバ管理費,電気代,サーバルームの空調維持費など稼働後の運用までトータルでシステムコストの削減が可能となる。また,同社がこれまでの稼働実績により培ったシステムの導入手法,および電子カルテシステムの各種設定に関わるマスタ,医師や看護師の入力を支援するテンプレートをはじめとするコンテンツ群を活用することで,システム導入時の顧客の準備作業を軽減し,プロジェクト開始からシステム稼働までの期間を短縮する。
さらに,システム運用においては,診療支援に役立つ便利な機能の追加など定期的なアップデート情報の適用および診療報酬改定への対応を実施し,顧客の環境の資源最新化を一元管理することで,いち早く新機能を利用することができる。

図「HOPE LifeMark-HX Cloud」のサービス提供イメージ

図「HOPE LifeMark-HX Cloud」のサービス提供イメージ

 

今後について

同社は,今後,本サービスの提供範囲をさらに大規模な病院へと拡大するとともに,WEB-APIを活用した様々な医療・健康サービスを拡充していく。また,クラウド利用により柔軟なシステムリソース配分が可能になるため,ハードウェアやサービスなど日々の利用実績に応じた従量課金サービスも提供する予定。

さらに,医療の高度化により取り扱うデータ量が加速度的に増大する中,より充実した医療サービスを提供するために医療従事者の判断をサポートするAIサービスや患者ごとに最適な治療を提供する個別化医療を支援するサービスなどの展開を図る。

これに加え,長年にわたり電子カルテに蓄積されてきたデータを確実に継承し,データを適正かつ有効に活用できる形態へと進化させることで,社会を支える次世代医療・健康プラットフォームづくりを目指していく。

販売目標

2027年度末までに200医療機関への導入を目指す(同社の決算期は3月末日)。

注釈
注1 富士通Japan(株):
本社 東京都港区,代表取締役社長 砂田 敬之。
注2 国内市場でトップシェアの電子カルテシステム:
(株)エムイー振興協会「医療機器システム白書2021」の「病院情報システム(HIS)稼働状況」による。
注3 WEB-API:
Web Application Programming Interfaceの略。Webサイトなどの開発を効率的に行うための技術。
注4 HL7 FHIR:
HL7(Health Level Seven) Fast Healthcare Interoperability Resourceの略。HL7協会によって作成された次世代標準規格。HL7協会は,医療情報の標準規格の開発やその普及促進を目的とする団体。医療情報標準規格は,保健医療分野の適切な情報化に資することを目的に制定された規格。
注5 SS-MIX2:
Standardized Structured Medical Information eXchangeの略。すべての医療機関を対象とした医療情報の交換・共有による医療の質の向上を目的とした厚生労働省電子的診療情報交換推進事業。
注6 データセンター安全対策適合証明:
一般財団法人日本品質保証機構(JQA)が長年のセキュリティ検査を通して培った技術と経験を基に,データセンターの安全対策基準に基づく適合証明を実施。
注7 フェールオーバー:
稼働中のシステムに問題が生じてサーバが停止してしまった際に,自動的に待機サーバに切り替える仕組み。

関連リンク
大中規模病院向けクラウド型電子カルテサービス「Fujitsu ヘルスケアソリューション HOPE LifeMark-HX Cloud」
医療情報標準化への取り組み

 

●問い合わせ先
富士通Japan お客様総合センター
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