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オリンパス,血管封止や組織の切開・剥離を行う外科手術向けエネルギーデバイスを発売進化した超音波・高周波ハイブリッド出力と新搭載の超音波単独出力により幅広い手技に対応

2025-10-22

オリンパス(株)(以下,オリンパス)は,内視鏡下外科手術および開腹手術において,血管封止や組織の切開・剥離(はくり)を行うエネルギーデバイス「THUNDERBEAT II」(サンダービート・ツー)を,2025年10月から欧州で,年内に日本で発売する。また,米国やその他地域についても,各国の法規制対応の準備が整い次第導入していく。「THUNDERBEAT II」は,「THUNDERBEAT」シリーズの特長である超音波エネルギーと高周波エネルギーのハイブリッド出力をさらに進化させ,迅速かつ止血力の高い組織の切開とより確実な血管の封止・切除を実現し,より安全で効率的な手技をサポートする。また,新たに超音波エネルギー単独出力を搭載することで,より幅広い臨床ニーズに対応する。

サンダービート II

サンダービート II

 

発売の概要

製品名:サンダービート II
発売予定日:2025年10月(欧州),2025年内(日本)

発売の背景

「THUNDERBEAT Ⅱ」は,止血機能に優れた高周波エネルギーと切開機能に優れた超音波エネルギーのハイブリッド出力を世界で初めて実現した外科エネルギーデバイス「THUNDERBEAT」シリーズの次世代フラッグシップモデル。
本製品は先端形状を大幅に見直すことで,従来機種と比較し,隣接組織への熱損傷リスクを最小限に抑えるとともに,より迅速で止血力に優れた組織切開と,より確実な血管封止を実現した。さらに,新たに追加された「ウルトラソニックモード(超音波エネルギー単独出力)」を含む3種類の出力モードにより,術者は難易度の高い処置にも柔軟に対応でき,術中に器具を交換することなく幅広い手技をサポートする。

サージカルデピュティーゼネラルマネージャー兼サージカルデバイスグローバルビジネスユニットリーダー フィル・ロイ 氏 コメント
難易度の高い外科手術をサポートするために開発された「THUNDERBEAT II」は,ハイブリッドエネルギー技術のさらなる発展に向けたオリンパスの取り組みを強化するものです。医療従事者の皆さんのニーズに応え,臨床成果の向上を目指し開発した本製品をオリンパスの製品ポートフォリオへ追加できることを大変嬉しく思います。

主な特長

1. 進化したハイブリッド出力と新搭載の超音波単独出力により,幅広いシーンでの安全で確実な処置に貢献
「THUNDERBEAT II」は,従来の「シール&カットモード(ハイブリッド出力)」,「シールモード(高周波エネルギー単独出力)」に加え,「ウルトラソニックモード(超音波エネルギー単独出力)」が搭載された。これにより,より幅広い手技に貢献する。
・シール&カットモード:従来機種と比較し,熱侵襲を低減させながら,迅速で止血力の高い切開と確実な血管封止を実現
・シールモード:血管封止や止血などに対応
・ウルトラソニックモード:バイポーラエネルギーを出力せずに処置が必要な臨床シーンでの切開をサポート

2.意図しない組織への熱損傷リスクを軽減させる先端形状により,正確で繊細な手技をサポート
本製品は,処置部先端の形状をより細く改良したことで,正確で繊細な手技をサポートする。さらに,先端に高機能樹脂製のサーマルシールドを搭載し,デバイスから組織への熱伝達を最小限に抑えることで,対象部位に隣接する組織や血管への意図しない熱損傷リスクを軽減させる。

処置部先端 外側を高機能樹脂で覆うことで周辺組織の熱損傷リスクを軽減

処置部先端
外側を高機能樹脂で覆うことで周辺組織の熱損傷リスクを軽減

 

3. 人間工学に基づいたハンドルデザインにより,術者のさらなる疲労軽減に寄与
人間工学に基づいた操作部のデザインにより,ハンドルを握りやすくし,より少ない力での操作を可能にした。また,ハンドルを完全に握り込んだことが音と触感で確認できる仕組みを搭載した。これにより術者の負担軽減や使いやすさの向上に寄与する。また,ケーブルの位置をハンドル下部に変更したこと(下図参照)で,ケーブルのねじれを防ぎ,術中の操作ストレスを軽減する。

ハンドル比較(左:従来機種、右:THUNDERBEAT II)

ハンドル比較(左:従来機種、右:THUNDERBEAT II)

 

●問い合わせ先
オリンパス(株)
https://www.olympus.co.jp