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メドレー,クラウド診療支援システム「CLINICS」でカルテや文書作成業務をサポートする「AIアシスト機能」を提供開始医療機関でのカルテ作成工数を11%以上削減し,対話に集中できる診察環境の構築と患者の体験向上を支援

2025-11-26

「AIアシスト機能」を提供開始

(株)メドレー(以下メドレー)は,次世代医療プラットフォーム「MEDLEY AI CLOUD」のプロダクトとして医科診療所向けに提供するクラウド診療支援システム「CLINICS(クリニクス)」で,新たに「AIアシスト機能」を開発し,11月26日より先行受付を開始する。

医科診療所のDXをAI活用で促進し,医師をはじめとする医療従事者のカルテや医療文書の作成業務を効率化することで,医療機関を利用する患者の体験向上を支援する。

■ 開発の背景

メドレーの医療プラットフォーム事業では,非臨床領域におけるAI活用を戦略的に取り組むテーマと位置づけ,無床医科診療所をはじめ,病院・有床診療所,歯科診療所,調剤薬局の各領域のプロダクトを医療機関と患者・生活者がつながる次世代医療プラットフォーム「MEDLEY AI CLOUD」として展開している。MEDLEY AI CLOUDは,「より良い患者体験」「AI活用」「安心・安全」「オープン連携」「リーズナブル」の5つのブランド・プロミスを掲げ,医療現場における業務効率化と患者体験の向上を推進している。

医療人材不足によって医師1人あたりの業務量が増え続けていることを背景に,2024年4月に施行された「医師の働き方改革」で時間外労働の上限規制が適用されるようになるなど,医師の長時間残業は全体としては減少傾向にある※1。しかし,特に医師が個人で開業する医科診療所では,経営者である医師の長時間労働が常態化しているのが現状で,なかでも,カルテや診断書・指示書・紹介状などの医療文書の作成は多くの業務時間を占めている。

今回,CLINICSでは,こうしたカルテや医療文書の作成を支援する「AIアシスト機能」の提供を開始する。AIによる音声入力や文書内容の提案などを行い,作成業務にかかる時間を大幅に軽減し,医師が診療や患者との対話により注力できる環境を整えることで,患者の医療体験向上に貢献していく。

※1 出典:「医師の勤務実態について」(医師の働き方改革の推進に関する検討会 / 厚労省,令和5年10月12日)

■ 「AIアシスト機能」について

CLINICSでは,今後,既存の機能や新たに提供する機能において順次AIの活用を進めていく。現在開発を進めているのは,診察中の発話データを活用した「AI要約アシスト」と医療文書の作成にかかる業務時間を大幅に軽減する「AI文書アシスト」の2つの機能。

今回は,第一弾として「AI要約アシスト」機能の提供に向けた先行受付を開始する。

<AI要約アシスト>
診察中の患者・医師の発話を録音し,リアルタイムで文字起こしを行ったうえで,主訴・所見に関する情報としてAIが自動要約する。要約フォーマットは自由に複数作成が可能で,SOAP形式に限らず,場面に適したものを複数のフォーマットの中から指定することができる。生成された要約テキストは,1クリックでカルテに転記することができる。

<AI文書アシスト>
患者情報や検査結果,過去の診療録などのデータを元に,AIが医療文書の作成をアシストする。AIが参照する情報の種別および範囲は,文書ごとに細かく指定することができる。生活習慣病の療養計画書や主治医意見書をはじめ,対象となる文書は順次拡大予定。

■ モニター利用の結果

本提供にあたり,CLINICSのクラウド型電子カルテを導入する複数の医療機関がAI要約アシストを先行利用した。類似した診察内容においてAI機能の活用/非活用の状態を比較した結果,AI要約アシストを活用した場合,活用していない診察と比べ,診察開始からカルテ作成完了に至るまでの時間を約11.3%削減※2することができた。

またコメントとして,カルテの入力業務に限った場合「3分の1から4分の1程度」に軽減したとの声があったほか,要約の精度についても「聞き間違えは想定より少なく,8割から9割の会話内容を正確に要約できている」というフィードバックが寄せられている。

<モニター利用した医師のコメント>
・体感として1日あたり30分〜1時間程度,カルテ入力にかかる時間が短縮している。書き起こしだけでなく,要約のスピードや精度が高い点が評価ポイントである
・初診や検査結果の説明,家族面談など,所要時間が多少長くなる場面でも,音声入力を行うことで「メモを取ることに集中しなくてよい」安心感が大きい。診察・面談後に行っている記録作成業務が容易になった
・再診など比較的診察時間が短い傾向にある患者さんにおいても,手入力よりカルテに残せる情報量が増えている
・患者さんに対して録音・文字起こし機能を利用している旨を周知しているが,「最新の技術を取り入れている」「話したことをきちんと記録してもらえる」と,好意的に捉える方が多かった

※2 モニター利用の中からランダムで抽出した複数サンプルを対象に,類似した診察内容においてカルテ作成にかかった時間を平均値にて算出

■ 今後の展開

CLINICSでは,AI機能の開発を進めるだけでなく,医療機関の経営や業務効率化を支援し,かかりつけ医として患者とのつながりをより深めてもらうソリューションとして活用できるよう,今後,提供プランのアップデートを図る予定。
プラン変更後は,レセコン一体型電子カルテに加えて,予約・問診・受付・オンライン診療・文書作成・決済・経営分析といった周辺機能をワンパッケージにした「トータル支援プラン」に加えて,患者向けアプリ「melmo」の利用を通じたかかりつけ機能で患者とのつながり強化を支援する「かかりつけアプリプラン」を提供していく。

■ クラウド診療支援システム「CLINICS」について

電子カルテやレセコンといった医療機関における基幹システムに加え,予約・問診・受付・オンライン診療・文書作成・決済・経営分析といった周辺業務をワンストップで支援するシステム。
対面診療/オンライン診療を問わず,予約〜問診〜受付〜診察〜会計がシームレスに繋がった診療体験を患者・生活者向けアプリを通じて患者に提供し,医療機関の診療プロセス全体をAIなどのテクノロジーで効率化する。
https://clinics-cloud.com

■ 「MEDLEY AI CLOUD」について

「MEDLEY AI CLOUD」は,病院・診療所・歯科・調剤薬局など各領域の医療機関が患者・生活者とつながるAI機能を搭載した次世代医療プラットフォーム。5つのブランド・プロミス「より良い患者体験」「AI活用」「安心・安全」「オープン連携」「リーズナブル」のもと,医療機関に最適なプロダクトを提供し続ける。
https://medley-cloud.com/

 

●問い合わせ先
(株)メドレー CLINICS事務局
E-mail:clinics-staff@medley.jp