2026-4-10
DX計画策定を従来比90%以上短縮。MedPlatoは患者データを院外に出さないオンプレミス型のAIエージェントで,2026年4月より提供を開始する。
全国の病院でサイバー攻撃被害や医療IT人材不足が深刻化するなか,高度なIT経営判断を支える人材は一部の大規模病院や大手コンサルティング会社に集中したままである。BAIOX(株)(バイオクロス)は2026年3月,群馬大学医学部附属病院准教授の鳥飼幸太氏との共同開発による医療特化型AIエージェント「MedPlato(メド・プラトン)」の提供を開始する。これまでアクセスできなかった高度な医療IT経営支援が,規模を問わずあらゆる病院にとって「当たり前のインフラ」になる。
医療機関向けのCIOエージェントの必要性が高まっている
【社会背景:医療DX現場が抱える構造的な課題】
「やらなければならないが,やれる人間がいない」——これが,いま日本の医療DX現場の率直な声。
政府は令和7年度補正予算において,医療DX関連として施設設備拡充に約462億円,生産性向上に200億円,サイバーセキュリティ強化に15億円の計3項目・総額677億円を計上した(※)。
国を挙げてデジタル化を後押ししている一方で,医療機関が必要とするIT専門人材は慢性的に不足しており,DX推進の義務と実行力の間に大きなギャップが生じている。
追い打ちをかけるのが,ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)被害の深刻化である。電子カルテが使用不能になり,診療が数週間にわたって停止する事例が国内で相次いでいる。専任のCISO(最高情報セキュリティ責任者)を配置できる病院はごく一部に限られており,DX計画を外部コンサルタントに委託すれば2〜3か月と高額費用を要する。担当者が退職すれば知見も失われる——このサイクルが,多くの病院で繰り返されている。
※出典:令和7年度厚生労働省補正予算案の概要
【MedPlatoとは:医療現場の実践知をAIに実装】
MedPlatoは,BAIOX(株)が群馬大学医学部附属病院で医療DX活動に長年取り組んできた鳥飼幸太准教授と共同開発した,医療機関のCIO(最高情報責任者)・CISO業務を包括的に支援するAIエージェントである。
MedPlatoは院内のIT・経営情報を蓄積・学習し,「その病院固有の文脈」を深く理解した上で,経営層やIT部門に対して適切な助言とアウトプットを提供する。
提供形態はオンプレミス型(院内設置型)を基本とし,患者データを院外に送信することなく高度なAI機能を実現できる点が,医療機関のセキュリティ要件に合致している。
【3つの独自機能】
<(1) DX Agent:2〜3か月の計画策定を1時間以内に>
医療現場の困りごとを入力するとAIが改善アプローチを提案する。鳥飼准教授が群馬大学医学部附属病院での実践で体系化した手順をそのまま実装しており,従来2〜3か月を要していたDX計画策定を1時間以内で完結させる(群馬大学医学部附属病院での実証実績に基づく)。
<(2) 知見継承機能:属人化という構造的弱点を解消>
院内のノウハウをエージェント内に継続蓄積する。人事異動や職員退職があっても組織の知識が失われず,医療DXの継続的な推進を支える。
<(3) Incident Response:専任CISOが不在でも対応できる体制を>
サイバーインシデントへの対応訓練とシミュレーションも支援する。専任CISOが不在の病院でも,一定水準のセキュリティ対応体制を維持できる。
上記3機能のほか,DX戦略ロードマップの可視化・法令コンプライアンス管理・災害対応支援など,合計13の機能を搭載している。2026年後半にはCIO/CISO機能の本格実装,2027年以降はCFO・CHRO機能の追加も予定しており,病院経営を総合支援するプラットフォームへの拡張を計画している。詳細は公式サイト(https://medplato.ai/ )を参照。
【導入メリット:コストと人材不足の両方を解決する】
情報システム管理者を新規採用する場合と比較して,年間コストを約50%削減できる見込み(BAIOX試算:情報システム管理者の年間雇用コスト約1,090万円に対し,MedPlatoの年間費用は約540万円)。
病院のCIO・情報システム部門責任者が医療DX戦略ロードマップを策定する場面,専任CISOが不在の病院でのサイバー脅威の常時監視と法令対応,医療DX支援コンサルティング会社での案件処理能力の向上と提案品質の標準化など,幅広い場面での活用を想定している。地域の中規模病院から大規模病院まで,各院の方針・規模に合わせた柔軟な設定が可能である。
代表取締役 栗原哲也氏によるコメント
医療DXが進まない根本的な理由は,技術の不足ではなく,知識と人材の不足にあると私たちは考えています。高度なIT経営判断を支える人材が不足し,一部の大病院を除き十分な対応ができず,医療を脅かしている現状を変えたい。MedPlatoは『すべての病院に,知のパートナーを』というビジョンのもとに生まれました。患者に価値ある医療を1秒でも早く届けるために,私たちはAIを使って医療現場の構造そのものを変えていきます。
共同開発社 群馬大学医学部附属病院准教授 鳥飼 幸太氏のコメント
医療機関,政府,医療情報有識者,ベンダーそれぞれの課題に対し対話を重ねる中で,病院経営者が抱えるIT/DX人材離職リスク,OJT環境の未成熟による人材不足,DX経験に必要な予算と権限取得の困難さという多重の障壁を認識してきました。MedPlatoは,病院長補佐経験を含む15年にわたる大学病院情報システムのマネジメント経験と,多くの医療機関IT支援を行う中で培った「DXの定石」をAIエージェント(開発ネーム:とりかいbot)として提供します。MedPlatoは「病院情シスの生き字引」として医療IT担当者の意思決定を支援することで,「医療機関におけるDXの歩みと共に医療IT人材が育つ」新しいAIナビゲーション型OJT環境を提供します。これにより,医療におけるサスティナブルなIT運用・DX推進・高度人材育成課題に対する「三方よし」の突破口となることを目指します。
【サービス概要】
サービス名:MedPlato(メド・プラトン)
提供開始日:2026年3月予定
価格・料金:個別見積もり。トレーニング・ハードウェア・初期設定・ソフトウェアアップデートを含む。
提供地域・対象:日本国内の医療機関,医療DX支援コンサルティング会社,医療システムインテグレーター
申込・詳細URL:https://medplato.ai/
●問い合わせ先
BAIOX(株)
https://baiox.jp
