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ITEM2022 アンフォースレイセイフ ブースレポート 個人被ばくリアルタイムモニターシステム「RaySafe i3」や個人被ばく線量計などのラインアップを長瀬ランダウアと共同展示

2022-5-6

アンフォースレイセイフブース

アンフォースレイセイフブース

医療従事者の被ばく線量測定サービスやX線測定器などを展開するアンフォースレイセイフと長瀬ランダウアは,医療従事者の被ばく低減に貢献するソリューション群をメインに共同展示を行った。2020年の診療用放射線に係る安全管理体制に関する規定の施行や「日本の診断参考レベル(2020年版)」(通称:Japan DRLs)の公表,2021年4月からの眼の水晶体の等価線量限度の引き下げなどを受け,医療従事者の被ばく線量管理や被ばく低減への取り組みへの関心や重要性が高まっている。
アンフォースレイセイフの個人被ばくモニターシステム「RaySafe i3」は,リアルタイムに被ばく状況を確認し,即時に必要な被ばく回避行動をとることを可能にする。また,長瀬ランダウアの個人被ばく線量計「ルミネスバッジ」,「ビジョンバッジ」などは定期的に着用することにより,医療従事者の被ばく線量を評価する。今回の展示では,両社のラインアップにより,医療従事者の線量管理や被ばく低減を可能にすることがアピールされた。

●即時の被ばく回避行動を可能にする個人被ばくリアルタイムモニターシステム「RaySafe i3」

RaySafe i3は,医療従事者が小型・軽量の個人線量計(i3 PDM)を装着し,毎秒の個人線量当量率と累積個人線量当量を測定・記録するシステム。測定データは無線でディスプレイに転送,表示され,リアルタイムに被ばく状況を確認できることから,例えば立ち位置や検査時間を考慮するといった被ばく回避行動を促すことが可能となる。測定データは,従来製品の「RaySafe i2」では専用ディスプレイのみで表示可能だったが,後継機のRaySafe i3では,リアルタイムHubやビデオ出力ユニットにより通常のディスプレイでの表示も可能になった。また,バッジの測定感度が向上したほか,内蔵バッテリーの交換が可能になった。測定データはリアルタイムで表示するほか,PCに取り込み,“DoseViewer”(標準)や“DoseManager”(オプション)などで線量率分析グラフやレポートなども作成できる(レポート作成はDoseManagerのみ)。

個人被ばくリアルタイムモニターシステム「RaySafe i3」

個人被ばくリアルタイムモニターシステム「RaySafe i3」

 

●新技術により1台で幅広い測定が可能なハイブリッド式サーベイメータ「RaySafe 452」

「RaySafe 452」は,半導体式測定器とGM管式測定器を組み合わせたハイブリッド式サーベイメータ。通常,表面汚染測定にはGM管式,X線管からの漏洩線量などの空間線量測定には電離箱式など,用途によって複数のサーベイメータを用いるが,RaySafe 452は検出器部分を付け替えるだけで,1台でさまざまな測定を行うことを可能にした。また,電離箱式サーベイメータと比較して管理や保管が容易な上,軽量化や長時間駆動バッテリーの搭載などにより,測定者の負担を軽減する。線量率や累積線量などを大型ディスプレイ上でリアルタイムに確認できるほか,測定データをPCに送信し,線量ビューア“RaySafe View”で詳細に解析することも可能である。

小型で可搬性が高いハイブリッド式サーベイメータ「RaySafe 452」

小型で可搬性が高いハイブリッド式サーベイメータ「RaySafe 452」

 

●フルモダリティ対応の放射線診断QA・QC用測定器「RaySafe X2」

放射線診断QA用のX線測定器「RaySafe X2」も展示された。RaySafe X2は,大型ディスプレイを使用したベースユニットと各モダリティに対応するセンサーで構成され,センサーを付け替えることで幅広いモダリティに対応する。センサーには,一般撮影・透視装置用の「R/Fセンサー」,CT用の「CTセンサー」,マンモグラフィ用の「MAMセンサー」,モニタなどの輝度・照度測定用の「ライトセンサー」,漏洩線量・散乱線量測定用の「X2サーベイセンサー」があり,必要なセンサーのみで導入して後から追加することも可能である。また,そのほかに一般撮影・透視装置専用の「RaySafe X2 Solo R/F」と歯科用の「RaySafe X2 Solo DENT」もある。いずれのセンサーも高精度かつ小型・軽量な上,ベースユニットはタッチスクリーン式で,直感的な操作が可能である。また,専用PCソフトウエア“X2 View”による詳細な分析やレポート作成も行える。

放射線診断QA用のX線測定器「RaySafe X2」(左)と「RaySafe X2 Solo R/F」(右下)と「RaySafe X2 Solo DENT」(右上)

放射線診断QA用のX線測定器「RaySafe X2」(左)と「RaySafe X2 Solo R/F」(右下)と「RaySafe X2 Solo DENT」(右上)

 

●眼の水晶体の線量を測定する「ビジョンバッジ」などのラインアップを展示

長瀬ランダウアのコーナーでは,個人被ばく線量計「ルミネスバッジ」や眼の水晶体の3mm線量当量を測定する「ビジョンバッジ」を展示した。ルミネスバッジは検出素材に酸化アルミニウムを採用し,軽量・コンパクトで衝撃にも強く,線量の信頼性が高いのが特長である。バッジ本体には,OSL検出器と線種ごとに分離測定するための4種類のフィルタを内蔵。電源やメモリを内蔵しないため,電池切れやデータ消失の心配なく,安心して使用できる。ビジョンバッジは,放射線防護メガネに取り付けて使用する個人線量計で,2021年4月からの眼の水晶体の等価線量限度の引き下げに対応し,防護メガネによる遮蔽効果を反映したより正確な線量管理を行える。防護メガネに取り付けるフックは3種類から選択可能で,軽量かつ小型で視界を妨げることなく使用できる。また,防護メガネを使用しない時は,体幹部用のルミネスバッジに取り付けることもできる。さらに,X線透視やIVRなどを行う従事者向けに,指輪タイプのリングバッジも取りそろえている。これらの個人線量計は,線量計部分を毎月同社に返却すると,1週間から10日程度で被ばく線量測定報告書が届けられる。

そのほかに,ポータブルの被ばく線量測定システム「microSTARii」も紹介された。小型OSL線量計「nanoDot」で測定したさまざまな放射線線量をポータブルリーダーのmicroSTARiiで読み取るもので,例えばファントムを用いた線量分布の可視化など,施設ごとの目的に応じた放射線測定を容易に行える。

防護メガネに取り付け可能な「ビジョンバッジ」

防護メガネに取り付け可能な「ビジョンバッジ」

 

「ルミネスバッジ」には着用部位を示すアイコンを採用

「ルミネスバッジ」には着用部位を示すアイコンを採用

 

ポータブル被ばく線量測定システム「microSTARii」

ポータブル被ばく線量測定システム「microSTARii」

 

両社の製品を併用することで,包括的に医療従事者の被ばく低減を可能にする

両社の製品を併用することで,包括的に医療従事者の被ばく低減を可能にする

 

●お問い合わせ先
社名:アンフォースレイセイフ株式会社 / 長瀬ランダウア株式会社
住所:東京都港区港南2-15-2品川インターシティB棟6F /  茨城県つくば市諏訪C22街区1
TEL:03-4540-4009 / 029-839-3322
URL:  
https://www.flukebiomedical.com
https://www.nagase-landauer.co.jp/


キヤノンメディカルシステムズ ITEM2022