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ITEM2024 Jpiジャパン ブースレポート 軽量グリッドフレームや中尺・長尺FPDホルダーなど,医療現場の課題を解決する新製品が登場

2024-5-9

Jpiジャパンブース

Jpiジャパンブース

Jpiジャパンは,2023年に映画が話題になった「バービー」をオマージュしたデザインのブースを出展した。「誰もが自分のままでいられる」という個性を尊重するバービー人形や映画のメッセージと,同社で扱うX線関連製品のユニークさが重なり合うことから,ブースデザインのコンセプトに採用した。展示では世界各地から日本向けに輸入販売している製品を紹介するとともに,X線用グリッドの軽量アルミガードフレームや,中尺・長尺対応タイプのFPD保持台など,医療現場の課題を解決する新製品が追加されたことをアピールした。

●グリッド用「JPIガードフレーム」がアルミ素材採用で軽量化を実現

同社の韓国本社であるJPIヘルスケアは,X線用グリッドの開発・製造を主な事業とするメーカーである。X線用グリッドは日常的に装置に出し入れして使用するため,グリッドの損傷を防ぐために補強枠加工がされており,同社のグリッド用「JPIガードフレーム」ではステンレスフレームが採用されていた。装置への出し入れや持ち運びの負担を軽減するために,より軽いものを望む医療現場の声に応えて開発されたのが,アルミ製のJPIガードフレームだ。ステンレスフレームに比べて約3割軽量化し,しっかりとグリッドを保護しつつ持ち運びや扱いが容易になっている。臨床導入が広がる中尺・長尺用のグリッドも含め,すべてのサイズのグリッドに対応する。特に,中尺・長尺用のグリッドは複数のグリッドをつなげて作られているため,一枚板のグリッドよりも強度が低下するという弱点があるが,アルミフレームで補強することで堅牢化しつつ可搬性を上げることができる。

グリッド用「JPIガードフレーム」に軽量なアルミフレームが登場

グリッド用「JPIガードフレーム」に軽量なアルミフレームが登場

 

また,FPDとグリッドの搬送を快適にするツールとして,ハンドル付きのアルミフレーム製ホルダー「JPIスリムワンFPDホルダー」も登場した。ハンドル付きフレームとグリッドが一体化しており,裏面にFPDを固定することで持ち運びを容易にし,そのまま撮影台にセットすることができる。さらに,ハンドル付きの中尺FPD用グリッド「エンラージグリッド」(460mm×640mm,発売時期未定)も紹介し,つなぎ目のない画像を得られるだけでなく,持ち運びのしやすさや耐用年数の延長にも寄与することをアピールした。

FPDを固定して持ち運びを容易にするハンドル付きの「JPIスリムワンFPDホルダー」

FPDを固定して持ち運びを容易にするハンドル付きの「JPIスリムワンFPDホルダー」

 

ハンドル付きの中尺FPD用グリッド「エンラージグリッド」

ハンドル付きの中尺FPD用グリッド「エンラージグリッド」

 

●FPD保持台「PAGポジショニングパートナー」に中尺・長尺対応タイプが追加

マルチ移動型FPD保持台「PAGポジショニングパートナー」は,実機を展示して来場者に使い勝手を確認してもらいつつ,新たに中尺・長尺対応タイプを追加したことを映像資料で紹介した。
PAGポジショニングパートナー(対応パネルサイズ:17インチ×17インチまで)は,39kgと軽量で移動しやすいことに加え,支柱やアームの伸縮やパネルの設定角度の柔軟性が高く,自由にポジショニングできることが特長となっている。
新製品の中尺・長尺FPD用PAGポジショニングパートナーは2023年に発売された。中尺・長尺FPDは大きく重さもあり,価格も高いことから,安全に持ち運びをすることが現場の課題となっている。そこで,中尺・長尺用PAGポジショニングパートナーを使用することで,安全かつ容易な移動を実現し,そのまま撮影ポジショニングが可能であることをアピールした。軽い力で移動でき,オペ室などスペースが限られた場所での移動やケーブルの乗り越えも容易に行える。支柱は上下動し,上方向は中央部分で150cm程度まで,下方向は床位置まで調整でき,立位での脊椎撮影や下肢撮影にも対応する。ホルダーは90°回転,水平での使用も可能で,オペ室で寝台横に配置しての側面撮影や,車椅子での撮影,テーブルの下に挿入しての撮影など,多様な撮影に対応する。

柔軟なポジショニングが可能なマルチ移動型FPD保持台「PAGポジショニングパートナー」

柔軟なポジショニングが可能なマルチ移動型FPD保持台「PAGポジショニングパートナー」

 

新製品の中尺・長尺FPD用PAGポジショニングパートナーは,RSNA2023での展示の様子を動画で紹介

新製品の中尺・長尺FPD用PAGポジショニングパートナーは,RSNA2023での展示の様子を動画で紹介

 

●下肢や足部の安全な撮影をサポートする「Jpi脚部撮影台」

Jpi脚部撮影台はステップと手すりが設けられた撮影台で,パネルを台に立てる,または台の下に入れることで,高齢者や足の障害により転倒のリスクが高い患者でも安全に足部や足関節,下肢の撮影を行うことができる。手すりの位置は変更でき,キャスターが付いていることで移動も容易に行えるため,スペースの限られた検査室でも運用しやすい。ブースでは2ステップタイプが展示されたが,X線管球が低い位置まで下がる装置を使用している場合には1ステップタイプの撮影台も選択できる。

安全な脚部撮影を支援する「Jpi脚部撮影台」

安全な脚部撮影を支援する「Jpi脚部撮影台」

 

キャスターが付いており,斜めにして簡単に移動できる

キャスターが付いており,斜めにして簡単に移動できる

 

●超軽量無鉛遮へい素材を採用した防護エプロンなど,各種X線防護製品をラインアップ

Jpiジャパンでは,防護エプロンや防護グローブ,防護ゴーグルなど,機能性の高いX線防護製品を取りそろえている。なかでも,UniRay社がドイツと共同開発した超軽量無鉛遮へい素材「KRYPTOLiTE」を採用した防護エプロンは,導入施設から高い評価を得ており,展示でもさまざまなタイプのエプロンを展示して紹介した。KRYPTOLiTEが超軽量で柔軟性が高いことに加え,宇宙服用の素材として開発された温度調節素材「Outlast」を裏地に使用することで,着用感が良いことも特長である。
背面や側面の散乱線も考慮した全周囲を防護するダブルサイドエプロンは,肩パッドや腰ベルトを標準装備して肩への負担を軽減しており,長時間着用するオペ室の医師や看護師から支持されている。サイズやカラーの展開も幅広く,個人用に購入する場合はカスタマイズにも柔軟に対応する。

超軽量無鉛遮へい素材を採用した防護エプロン(ダブルサイドタイプ)

超軽量無鉛遮へい素材を採用した防護エプロン(ダブルサイドタイプ)

 

●お問い合わせ先
社名: Jpiジャパン株式会社
住所:〒124-0004 東京都葛飾区東堀切3-11-2 Jpi Gビル
TEL: 03-6686-7909
URL:http://www.jpij-med.co.jp/