2026-5-8
ザイオソフトブース
ザイオソフトは,ITEM 2026ではブースのテーマを「Smart Imaging for Better Workflow and Clinical Value」として,医用画像処理ワークステーション「Ziostation REVORAS」の新しく追加される機能のほか,その機能を使って作成された画像によってもたらされる臨床的な価値について,頭部,頭頸部,呼吸器,心臓,腹部,下肢など,領域ごとに豊富で具体的な臨床画像や事例を含めて紹介した。また,2025年に正式リリースされた同社独自の基幹技術である「PhyZio/dynamics2.0」についても,処理が大幅に高速化し日常の検査ワークフローの中で使用が可能になり,再現性の高い動態解析などが可能になっていることをアピールした。Ziostation REVORASの新機能としては,3D解析に追加された“肺葉自動抽出”,“CT頭頸部骨抽出”,“膵臓自動抽出”,新しいアプリケーションとして「自動MPR」が追加されたことを紹介した。また,今回は同社の開発チームの技術力を紹介する展示として,社内サークルの「コンピュータ将棋サークル」が開発したAI将棋ソフトに挑戦できるコーナーを設けていた。
Ziostation REVORASの新機能
●「Ziostation REVORAS」の新アプリケーション「自動MPR」や3D解析の新機能を紹介
〈自動MPR(W.I.P.)〉
Ziostation REVORASでは,新しいアプリケーションとして自動MPRが追加された。自動MPRでは,日常臨床で多用されるMPRの自動作成を可能にして,作成者の手間を省き業務の効率化をサポートする。頭部(OMライン)では,眼窩中央と外耳孔を結ぶラインを認識して,CTデータを受信後,あらかじめ設定された条件に基づいてワンクリックでMPRを自動生成する。作成されたMPRに対して,FOVや範囲の調整,リフォーマットの追加なども可能。胸部では,脊椎,胸骨,肋骨を参照して胸部MPRを自動生成する。また,腹骨盤部では,恥骨,腸骨を参照して腹骨盤部MPRを作成する。円背などで正常なセッティングが難しかったり,救急などで横向きで撮影されたりしたデータでも,設定された条件に基づいてMPRが自動生成できる。自動MPRの機能はCTメーカーの機能としても提供されているが,Ziostation REVORASの利点の一つはベンダーフリーで,メーカーにかかわらず生成が可能なことだ。ワンクリックで作成できるためワークフローの改善につながることが期待できる。また,操作者の経験や技量に左右されず,一定のクォリティによるMPRの作成が可能になることもメリットであり,それによって読影しやすい画像の提供につながることが期待される。
自動MPR・頭部(OMライン)
自動MPR・胸部,腹骨盤部
〈3D解析:肺葉自動抽出(W.I.P.)〉
3D解析に新たに追加された“肺葉自動抽出”では,CTデータからワンクリックで肺の5葉(右上葉,右中葉,右下葉,左上葉,左下葉)を抽出することができる。各葉のマスクは別ボリュームで保存されるため,後から表示・非表示の変更やカラーや透過度の調整が容易に可能になるほか,各自動抽出機能と組み合わせることで胸部の画像作成の効率化が期待できる。肺葉分離はこれまで肺切除解析のアプリケーションでは可能だったが,その機能を3D解析でも利用可能にしたものだ。
3D解析・肺葉自動抽出
〈3D解析:CT頭頸部骨抽出(W.I.P.)〉
“CT頭頸部骨抽出”は,同様にCTデータからワンクリックで頭頸部の骨の抽出を可能にする。頭頸部の骨領域の抽出は骨の診断が目的ではなく,血管や気管支など多臓器との位置関係を表すためにフュージョンして作成されることが多いが,骨抽出がワンクリックで可能になることで3D作成作業の効率化が期待できる。
3D解析・CT頭頸部骨抽出
〈3D解析:膵臓自動抽出(W.I.P.)〉
“膵臓自動抽出”も,肺葉自動抽出,CT頭頸部骨抽出と同様に,CTデータからワンクリックで膵臓の抽出を可能にする機能。膵臓は周辺臓器とのコントラストが小さく,従来は抽出のために手作業による膵臓領域の選択が必要だった。膵臓自動抽出では,CT値だけでなく解剖情報などを元に膵臓領域を認識してワンクリックでの抽出を可能にした。各自動抽出機能によるデータを組み合わせることで,腹部領域の手術支援や各種プランニングのための画像作成を効率的に行うことが可能になる。
3D解析・膵臓自動抽出
●処理時間を大幅に短縮した「PhyZio/dynamics2.0」による動態解析をアピール
ザイオソフトの「PhyZiodynamics」は,同社が持つ独自のインテリジェント技術によって,画像補完,ノイズ低減,ファンクショナル画像,ダイナミック計測など動態解析を可能にする。2013年の登場以来,Ziostation2やZiostation REVORASの基幹技術となっている。登場から10年以上が経過したPhyZiodynamicsは,2024年に「PhyZio/dynamics2.0(PhyZio2.0)」となり,新たに開発されたアルゴリズムによって解析処理が高速化された。PhyZio2.0では,PhyZiodynamicsに比べて,処理能力は最大28.8倍(心臓CT画像のスマートトラッキング処理時間で139.9分→4.9分)となり,画像処理時間が大幅に短縮され,日常のルーチン検査での動態解析が可能になった。PhyZio2.0では,従来からのマルチフェーズ,ダイナミック計測,モーション解析,MRストレイン解析に加えて,「2Dモーション解析」「CT心筋ストレイン解析」(いずれもW.I.P.)が可能になっている。2Dモーション解析(W.I.P.)は,前処理を行わずに簡便にモーショントラッキングが可能で,断面を限定することで動態解析の処理時間を大幅に短縮した。任意断面へのPhyZio/dynamics2.0によるモーショントラッキング,経時的に変型する構造物を追従して計測するDynamic計測,生成した機能画像オーバーレイ表示することなどが可能になる。モダリティから得られたデータから最大10倍の補間画像の生成が可能で,データ補間時にノイズ除去を行うことができ,画像補間の倍数を任意に設定することが可能となっている。
PhyZio/dynamics2.0での解析処理の高速化
PhyZio/dynamics2.0による2Dモーション解析(W.I.P.)
●ザイオソフトの技術者が開発するAI将棋との対局コーナーを設置
ブース内では,ITEM特別企画として「AI将棋に挑む。」コーナーが設けられ,AI将棋と対局できるようになっていた。なぜザイオでAI将棋か? ザイオソフトには社員が自主的に活動するサークルがあり,その1つである「コンピュータ将棋サークル」が開発したAI将棋プログラムは,さまざまなコンピュータ将棋の大会で優秀な成績を収めている。その活動で得られたノウハウは製品開発にも生かされていることから,今回,「知られざる実績」を紹介する意味を込めて,AI将棋との「対局」の場が設けられたとのことだ。
最強のAI将棋プログラムに挑むことができるコーナー
「コンピュータ将棋サークル」の実績を紹介
●呼吸動態解析をテーマにしたランチョンセミナーを開催
2026年4月18日(土)には,第85回日本医学放射線学会総会共催ランチョンセミナー30「呼吸動態解析が拓く新たな臨床視点 From Imaging to Clinical Insight: Respiratory Motion Analysis」が行われた。自治医科大学附属さいたま医療センターの真鍋徳子氏が座長を務めた。最初に,方山真朱氏(自治医科大学総合医学第二講座集中治療部)が「呼吸生理を『可視化』する 4D–CTが描出する肺・横隔膜の機能と病態」を講演。方山氏は,集中治療における呼吸の評価として,肺と横隔膜の動きの中での評価が重要だと考え,呼吸ダイナミックCT(4D-CT)による換気パターンの可視化に取り組んできたことを紹介し,PhyZio/dynamics2.0によるトラッキングや計測による定量化への取り組みを紹介した。続いて,森谷浩史氏(大原綜合病院画像診断センター)が「疾患横断的にみた呼吸動態CTの診断的価値 ―解剖から機能解析へ―」と題して講演した。森谷氏は,320列CTで取り組んできた呼吸動態CTのこれまでの試行錯誤や呼吸動態画像がもたらす臨床的な価値について概説した上で,PhyZio/dynamics2.0のトラッキング技術による動態画像の進化と解析による可能性について言及した。
(講演内容はZioVisionのセミナーレポートとして,インナービジョン誌2026年8月号およびインナビネットのザイオソフトスペシャル
に掲載予定)
●お問い合わせ先
社名:ザイオソフト株式会社
住所:〒108‐0073 東京都港区三田1-4-28
TEL:03-5427-1921
URL:https://www.zio.co.jp/
