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RSNA2012 EIZO(ナナオ)- Theme全ラインナップでバックライトのLED化が完了したモニタをPR

2012-11-29

全モニタをLED化したEIZO(ナナオ)

全モニタをLED化したEIZO(ナナオ)

RSNA2012 [第3日目:11月27日(火)]

サウスビルディングのホールAに出展したEizo Nanao Corporation(ナナオ)は,モニタのバックライトのLED化を進めてきたが,RSNA2012直前に発表された新製品により,それが完了した。LEDバックライト搭載により,従来製品よりも消費電力を25%下げることができるほか,水銀などを含んでいないため,廃棄時の環境負荷を軽減する。消費電力が少なくなることでのランニングコストの削減はもちろん,長寿命化することで,使用サイクルが長くなり,イニシャルコストを下げることも期待される。ブース内では,LED搭載のモニタ製品を中心に,放射線科向け医用画像用,マンモグラフィ用,電子カルテなどの医療用に分けて展示したほか,手術室で使用する大型モニタ向けの信号配信システムをPRした(Booth 3821)。

RSNA2012で発表された4Mピクセルの医用画像カラーモニタ,「RadiForce RX440」は,パネルサイズが29.8型。LEDによる長寿命化で,400 cd/m2の輝度で,従来1万時間以内だった保証期間を2万時間へと延ばした。入力系統が2つあり,“PbyP” “PinP“ と呼ばれる機能により,2信号の情報を並べて表示したり,1画面の上にもう1つの信号を載せて表示できる。さらに,“Hybrid Gamma”機能により,カラー画像とモノクロ画像を自動的な判断して,それぞれに最適な輝度・階調に設定できる。このほか,“Ambient Light Tracking”により,常時,環境光に合わせて,最適な輝度で表示することが可能になった。発売は2013年4月を予定している。

同じく,2013年4月に発売予定の「RadiForce GX540」は,5Mピクセルのモノクロ液晶を採用したマンモグラフィ用のモニタ。LED液晶搭載により,保証期間を従来機種の4万時間から使用時間制限のない完全5年間に延ばしている。パネルのサイズは21.3型となっている。新しいiPSパネルとなったことで,濃度差が従来の2.90から3.08に拡大し,より立体感,質感を表現できるようになった。このほか,Ambient Light Trackingや,異常発生時にQCパターンを表示して簡易的に点検できる“Quick Image Checker”を搭載する。また,従来機種では,キャリブレーションのための内蔵センサーが右側のベゼル上に出っ張っていたが,今回から上部のベゼルに格納された。これにより,より画像の観察がしやすくなった。

PbyP,PinP機能を採用した「RadiForce RX440」

PbyP,PinP機能を採用した
「RadiForce RX440」

5Mピクセルのモノクロ液晶採用の「RadiForce GX540」

5Mピクセルのモノクロ液晶採用の
「RadiForce GX540」

 

このほか,2013年1月に発売する「RadiForce RX840-MG」も展示した。デジタルマンモグラフィ用カラー液晶モニタとして,業界初となる米国食品医薬品局(FDA)の510(K)を取得している。36.4型のパネルサイズを採用した8Mピクセルのモニタである。同社では,マルチモダリティモニタと位置づけており,マンモグラフィだけでなく,MRIやUSなどのカラー画像を同時に1画面上に表示できるなど,実際の乳房画像診断の現場に最適な製品となっている。

マンモ用として510(k)を取得した「RadiForce RX840-MG」

マンモ用として510(k)を取得した
「RadiForce RX840-MG」

 

参考出品としては,「RadiForce MX210」の後継機種で,電子カルテなどの医療用として,2Mピクセルの21.3型カラー液晶モニタを出展した。IPS方式の液晶パネルを採用しており,表示機能を向上させている。また,内蔵センサーを搭載し,単体での精度管理が行える。また,LEDバックライトにより,従来製品より大幅に消費電力を下げられるため,電子カルテ導入数の多い施設にとっては,ランニングコストを大幅に下げることができる。会場内ではMX210の消費電力を実際に計測したデモンストレーションを行った。2013年4月の発売をめざすという。

もう1台の参考出品としては,同じく電子カルテ画像表示モニタを展示した。スマートフォンやタブレットと同様の静電容量方式を採用した23型のカラー液晶モニタ。従来製品の赤外線方式に比べて,指先でなめらかな操作ができ,タッチペンによるシェーマ図作成もきれいに描けるようになる。また,奥行きも短くし,省スペース化が図れる。

IPS方式の液晶パネルを採用した2Mピクセルの医療用21.3型カラー液晶モニタ

IPS方式の液晶パネルを採用した
2Mピクセルの医療用21.3型カラー液晶モニタ

静電容量方式のタッチパネルを採用した23型のカラー液晶モニタ

静電容量方式のタッチパネルを採用した
23型のカラー液晶モニタ

 

モニタの品質管理については,「RadiCS」がMac OS(10.7 Lion)に対応した。バージョン4.1.4として,2013年1月に発表する。これはクリニックのユーザーにMacintosh利用者が多いことや,DICOMビューワの「OsiriX」ユーザーが増加していることを考慮してのもの。複数のOSに対応することで,ユーザーのニーズにきめ細かく対応する。CD-ROMはWindows版とのハイブリッドとなっている。最新のMac OS 10.8 Mountain Lionには,2013年5月をめどにバージョンアップ対応する予定である。

Mac OSに対応した品質管理ソフトウエア「RadiCS」

Mac OSに対応した品質管理ソフトウエア「RadiCS」

 

ナナオは,小型信号配信システムでも新製品「LMM0802」を発表した。手術室の大型モニタに複数の情報を表示するための製品。すでに日本では,2012年7月から販売されている。従来の「LMM56800」は26系統の入力に対応していたが,LMM0802では8系統として価格を抑え,導入しやすくした。

手術室向け大型モニタと「LMM0802」の組み合わせ

手術室向け大型モニタと「LMM0802」の組み合わせ