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RSNA2012 シーメンス - MRIMRI:ハイパフォーマンスの3T MRI「MAGNETOM Prisma」

2012-11-27

研究サイト向けの3T MRI「MAGNETOM Prisma」

研究サイト向けの3T MRI
「MAGNETOM Prisma」

RSNA2012 [第2日目:11月26日(月)]

シーメンスのMRIでは,傾斜磁場強度 80 mT/m,200スリューレートのハイパフォーマンス3T MRI「MAGNETOM Prisma」が展示された(日本国内薬事未承認)。ハイスペックの3T装置として,脳神経系のリサーチ用やシーケンス開発など,研究に特化したサイト向けの装置となる。現在のハイエンド機種である「MAGNETOM Trio」からのバージョンアップも提供可能である。「MAGNETOM Prisma」では,64チャンネルのヘッド・ネックコイルを搭載している。従来は,高密度コイルとしては32チャンネルが最高だったが,新しい64チャンネルコイルでは頭部から頸部までをカバーし,従来のストロークイメージングで弱点となっていた頸部の描出についても,高密度で撮像が可能で,ストロークイメージングにおいてワンストップの検査を実現する。また,MRIの全ラインナップで利用可能な,新しい18チャンネルの乳腺コイルも発表された。

18チャンネルのマンモコイル

18チャンネルのマンモコイル

 

さらにシーメンスは,1.5T MR装置「MAGNETOM Avanto」,3T MR装置「MAGNETOM Verio」などの既存ユーザーに対して,それぞれ「MAGNETOM Avantofit」,「MAGNETOM Skyrafit」へのアップグレードを提供するプログラムをアピールした(日本国内薬事未承認)。全身の高密度コイルであるTim4Gを搭載し,ダイレクトRFなど送信系もSkyraとほぼ同等になる。アップグレードによって,リプレイスよりもコストを抑え,入れ替え時のダウンタイムが短くてすみ,機能的にも新しいシーケンスや解析法が利用できることから,ユーザーのメリットは大きいという。

シーメンスのMRIのアプリケーションとしては,RSNA2011で発表された,局所励起を行う“syngo ZOOMit with TimTX TrueShape”にポイントを置いて紹介された(日本国内薬事未承認)。syngo ZOOMit with TimTX TrueShapeは,すでに実機に搭載され,海外のテストサイトでの稼働が開始している。搭載できるのは,MAGNETOM SkyraとMAGNETOM Prismaの2機種で,日本でも2013年春のリリースをめざして準備が進められている。syngo ZOOMit with TimTX TrueShapeでは,マルチトランスミットによる局所励起を行うことで,歪みの低減や高分解能の画像収集が可能になる。乳腺など体幹部への応用も進んでおり,乳管内進展の様子を3Dディフュージョンで観察することが可能になった。腹部の膵臓や前立腺などで,高分解能の拡散強調画像やADCの撮像が可能になっている。syngo ZOOMit with TimTX TrueShapeでは撮像時間の短縮が可能になることから,3D撮像において空間分解能の向上や撮像時間の短縮に振り分けることができ,3Tの3Dイメージングをルーチンで行うことが可能となる。また,必要のない部分を励起しないため,範囲外からのアーチファクトを低減し,3Dの画質を向上できる。

さらに,3Dの新しいシーケンスとして,パラレルイメージングの3D方向のアルゴリズムを改善し,スライス方向と面内の両方で,時間を延長せずに分解能を上げることが可能になる,“iPAT2 and CAIPIRINHA”を紹介した。

そのほか,すでに実機に搭載されている,金属のインプラント挿入患者の撮像を可能にする“syngo WARP with VAT(view angle tilting)”,ディフュージョンではシーメンスのマルチショットEPIで,リードアウト方向にセグメント化を行い,歪みの少ない高分解能撮像が行える“syngo RESOLVE”などを紹介した。

局所励起を行う“syngo ZOOMit”

局所励起を行う“syngo ZOOMit”

 

syngo ZOOMitは,前立腺など体幹部にも応用が広がる。

syngo ZOOMitは,前立腺など体幹部にも応用が広がる。

 

3Dの新しいシーケンス“iPAT2 and CAIPIRINHA”

3Dの新しいシーケンス“iPAT2 and CAIPIRINHA”