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RSNA2014 根本杏林堂 - 造影剤注入装置海外向けの各種造影剤注入装置と各国で共同開発されたソリューションを紹介

2014-12-4

CT用「DUAL SHOT alpha 7」

CT用「DUAL SHOT alpha 7」

RSNA 2014[第2日目:12月1日]

根本杏林堂のブースでは,海外向けのCT用,MRI用,アンギオ用の造影剤注入装置を展示したほか,世界各国の医師と共同開発を行っているソフトウエアやツールも紹介した。

2013年から販売しているCT用の造影剤注入装置「DUAL SHOT alpha 7」は,造影剤と生理食塩水のそれぞれのシリンジをセットできるデュアルタイプの装置。海外では大柄な人が多いことや,造影方法(量や複数回の造影など)のニーズから,造影剤,生理食塩水ともにシリンジサイズが200ccとなっている(日本国内向けのシリンジは生食側は60cc程度)。ほかにも,巻き込み防止のためのインジェクタピストンへの蛇腹カバー,ボタンの押し違いを防ぐ1ボタン1機能デザイン,ボトルからシリンジへ造影剤を吸入する機能といった,海外向け専用の仕様になっている。コンソールは,体重の単位がポンドとなっており,体重あたりの造影剤量や注入速度コントロールといった機能は日本向け製品と同様に備えられている。

MRI用造影剤注入装置「Sonic Shot」は,国によってサイズや形が異なるシリンジ製剤を取り付けるためのアダプタが用意されている点以外は,日本国内向け製品と同じ仕様となっている。特殊な超音波モーターを搭載した非磁性体装置であるため,MRI周辺でストレスなく使用することができる。コンソールに体重を入力して部位を選択すると,あらかじめ設定したプロトコールが表示される。造影剤量や注入速度は調整が可能。

アンギオ用造影剤注入装置「Rempress」は,装置本体とコンソールが一体型になっている。血管造影は,造影剤の量や速度を誤ると重大なリスクにつながることから,コンソールの設定ボタンは,他の表示より大きくデザインするなどの工夫がなされている。

また,海外向けにデュアルヘッドタイプCTインジェクタ用「VD injector」(FDA未承認)のプロトタイプを展示。VDポンプは,心筋負荷検査用の血管拡張剤の注入装置で,心筋負荷薬剤と造影剤,生理食塩水の連続注入を1つのプロトコールで完結させたいとの,フランスの医師からの要望で開発に取り組んでいる。将来的にDUAL SHOT alpha 7のコンソールで操作できるようにする予定。

装置以外には,海外の医師や医療現場のニーズに応えるソリューションがモニタなどで紹介された。

新しく開発している造影剤情報出力ツール「Contrast Watch」は,従来はインジェクタ情報をCTなどのスキャナを経由して病院ネットワークに取り込んでいたが,ゲートウエイ「Nemoto-iQ」を経由することで,インジェクタの造影情報をネットワークに直接送ることができるようになる。データは,HL-7またはDICOM形式でやりとりがなされる。海外では,統計や管理のために,造影剤情報を直接抽出したいというニーズが高く,これに応える形で開発が行われた。現在はCT用のみで,2015年からフランスでプロトタイプの評価をスタートする予定。

ベルギー・ルーベン大学と共同開発したソフトウエア「iCalc」は,根本杏林堂の体重プロトコールをベースに,心拍数も考慮した造影プロトコールを計算するもの。体重や身長に個人差が大きい海外では,体重のみで造影プロトコールを標準化することが困難なため,より精度の高い個別化を進めるために開発された。現在はCTのみに対応している。体重,身長,心拍数を入力すると最適なプロトコールが算出され,適正な造影検査を支援する。ヨーロッパではすでに臨床評価がスタートしている。

DUAL SHOT alpha 7のコンソール

DUAL SHOT alpha 7のコンソール

 

アンギオ用「Rempress」

アンギオ用「Rempress」

MRI用「Sonic Shot」

MRI用「Sonic Shot」

   
心筋負荷薬剤注入装置「VDポンプ」(FDA未承認)

心筋負荷薬剤注入装置「VDポンプ」(FDA未承認)

「iCalc」の心拍数入力画面

「iCalc」の心拍数入力画面