innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

RSNA2016 JVCケンウッド - モニタ ブレストイメージング向けディスプレイを中心に,多彩な製品を紹介

2016-12-1

ブレストイメージング向けカラーディスプレイ「CCL550i2」 

ブレストイメージング向け
カラーディスプレイ「CCL550i2」 

JVCKENWOOD/TOTOKU(JVCケンウッド)は,主力のディスプレイ製品を中心にブースを構成した。なかでもブレストイメージング向け製品をブース中央の柱周囲に配置し,世界中から集まる来場者に対して,各地域の医療環境や傾向に応じた提案を行った。

●マンモグラフィ/トモシンセシス画像表示用
カラーディスプレイ「CCL550i2」

CCL550i2は,ブレストイメージングを主なターゲットとした5メガピクセル21.3型カラーディスプレイ。乳腺画像診断はモノクロ画像であるマンモグラフィに加え,現在は超音波画像やCT,MRIなどほかのモダリティも併用されるようになってきた。また,生検の病理画像などもあるため,カラー画像にも対応するマルチモダリティディスプレイとして開発。カラー画像とモノクロ画像を最適な階調で表現するダイナミックガンマ機能により,従来のモノクロディスプレイと同じ性能を担保しつつ,同一画面でカラー画像を表示できることが大きな特長となっている。日本,米国ともに2015年7月より販売を開始している。

●マンモグラフィ画像表示用モノクロディスプレイ「MS55i2」「MS35i2」

マンモグラフィ用のモノクロディスプレイとして,5メガピクセルのMS55i2と3メガピクセルのMS35i2を並べて展示した。今回は,RSNAへの参加が多い南米の新興諸国からの来場者に向けて,3メガピクセルのMS35i2を紹介することに注力した。展示では,両ディスプレイに搭載されている画像の3倍化技術“Independent subpixel drive”を,MS35i2のみ有効として9メガピクセル相当の解像度にて画像を表示。隣に5メガピクセルの状態のMS55i2を並べることで,予算的にMS55i2の導入が難しい場合にも,MS35i2の解像度を3倍化して用いることで,5メガピクセルディスプレイと同等の表示性能を持つことをアピールした。なお,日本や米国にはMS55i2が多く納入されており,日本では15メガピクセル相当,米国では5メガピクセルで使用されることが多い。

ブレストイメージング向けモノクロディスプレイ「MS55i2」(右)「MS35i2」(左)

ブレストイメージング向けモノクロディスプレイ「MS55i2」(右)「MS35i2」(左)

 

●病理用画像表示用24.1型カラー液晶モニタ(参考出品)

ブレストイメージング向け製品コーナーの一角には,マンモグラフィ生検での病理検査をイメージした病理画像表示用の液晶モニタが参考展示された。近年,病理画像をデジタル化して保存する,または読影時に参照するといった運用に向けて病理用デジタルスキャナが市場に出始めている。このモニタは,実際に顕微鏡で見た病理標本の色を,モニタ上で再現することをコンセプトに技術開発され,病理向けの製品として展開することをめざしている。日本国内においては,「JD-C240」の製品名で2015年に販売が開始されている。

病理用画像表示用カラー液晶モニタ(参考出品)

病理用画像表示用カラー液晶モニタ(参考出品)

 

また,ブースでは,ディスプレイやモニタ以外の製品やサービスも展示した。JVCケンウッドでは,長年培ってきた映像系の高い技術を,医療のさまざまな分野に応用することで,ディスプレイにとどまらない幅広い事業の展開をめざしており,その一端を来場者に紹介した。

●手術室向け映像ソリューション(参考出品)

ブロードキャスト用に開発した4Kカメラの技術を,手術における術野撮影や手術顕微鏡に応用していく研究開発を進めている。4Kの高精細映像では,術者の手元の術野がいっそう奥行き感を持って観察できるなど,医療分野で有効に活用できると期待される。ブースでは,4Kカメラで撮影した脳外科手術の映像をモニタに映しながら,4Kカメラのタッチパネル式コントローラやレコーディングシステムを合わせて展示した。

手術室向け映像ソリューション(参考出品)

手術室向け映像ソリューション(参考出品)

医療分野への応用の研究が進められている4Kカメラ

医療分野への応用の研究が進められている4Kカメラ

 

●視線計測装置「Gazefiner」(参考出品)

日本国内で製品化されている視線計測装置「Gazefiner」を展示した。これは目の動きをモニタ下部に備えられたカメラで認識してトラッキングし,モニタの注視点を計測する装置。現在,群馬県立県民健康科学大学・大学院教授の小倉敏裕氏とともに,X線胸部画像に対する視線計測の学術研究を行っている。この用途に対する製品化は未定だが,急速に進化しているAIやディープラーニングと組み合わせることで,有効な応用方法が開発されることも期待される。

X線胸部画像への視線計測装置の応用研究

X線胸部画像への視線計測装置の応用研究

 

●医用ディスプレイ精度管理クラウドサービス「PM Medivisor Cloud」

従来,ディスプレイの精度管理は,オンプレミスの管理サーバにより行っていたが,これをクラウドサービス化する「PM Medivisor Cloud」を初めて紹介した。これは,院内に専用のサーバやワークステーションを設置せずに,ブラウザからVPNを介して,院内すべてのディスプレイの精度監視や遠隔でのキャリブレーションを行うことができる。JVCケンウッドの診断用ディスプレイ全製品への輝度センサーやキャリブレーションセンサーの搭載が完了したことから可能になったサービスである。

医用ディスプレイ精度管理クラウドサービス「PM Medivisor Cloud」

医用ディスプレイ精度管理クラウドサービス
「PM Medivisor Cloud」


東芝メディカルシステムズ