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RSNA2016 フィリップス - MRI Compressed SENSEなどの多彩なアプリケーションと,それを可能にするハードウエア技術“dSync”を紹介

2016-11-29

“In-Bore Experience”と3T MRI装置「Ingenia 3.0T」のソリューション展示

“In-Bore Experience”と3T MRI装置
「Ingenia 3.0T」のソリューション展示

Philips(フィリップス)はRSNA2016のMRIのビジョンとして,「More accessible」と「More definitive」を融合させた「More impact」で,予防から診断,治療を支援することを掲げた。

More accessibleは,1回の検査で確実に診断するというコンセプト“First time right”や,速く,直感的な操作性で,快適に検査を受けられる,より身近なMRIをめざすというもの。現在の到達点として紹介されたのが,映像と音楽で快適な検査環境を演出する“In-Bore Experience”で,息止めや検査の残り時間を映像にわかりやすく表示する最新バージョンを,3T MRI装置「Ingenia 3.0T」のモックアップとともに展示した。In-Bore Experienceは日本国内ですでに10台以上の装置にインストールされており,ユーザーからの評価は高いという。そして,リリース直後,あるいは間近のMore accessibleのアプリケーションとして,撮影時間を大幅に短縮する“MultiBand SENSE”と“Compressed SENSE”(W.I.P.)を紹介した。このうちCompressed SENSEは,コンプレストセンシング(圧縮センシング)とSENSE法を融合させ,画質を担保しながら,スキャン時間の短縮が可能になる。3Dスキャンにも対応し,わずかな時間で軟部組織や微小病変の信号も損なうことなく画像を取得できる。

一方,More definitiveでは,定量化の向上などをめざしている。脳神経領域のアプリケーションは,日本国内のユーザーとのコラボレーションで開発されたものも多く,国内施設のデータも数多く展示された。“Black Blood imaging”や“3D NerveVIEW”などは,今年2016年12月に日本国内でも提供が開始される予定。また,ネットワーク型マルチモダリティワークステーション「IntelliSpace Portal」に搭載される頭部領域のアプリケーション“LOBI(Longitudinal Brain Imaging)”(W.I.P.)と “NeuroQuant” が今回初めてRSNA2016で紹介された(詳細はヘルスケアITの記事を参照 )。さらに,MRIからCTライクな画像を作成し放射線治療計画を行うMRRTや,エレクタ社とのコラボレーションによるMRガイド下ライナックといった将来像が示された。

また,このような先進のアプリケーションを今後インストールしていくことを踏まえて,ハード面の改良も図られ,フルデジタルテクノロジー“dStream”に続くハードウエア技術として“dSync”を紹介した。dSyncはデータ取得において,グラジエントコイルやRFトランスミッション,コイルなどを20ピコ秒という高速で同期・制御することで,最適な撮像を実現することに加え,画像再構成時間も大幅に改善される。dSyncは2016年中旬から順次提供が開始されており,今後販売されるすべてのIngenia 3.0T,Ingenia 1.5T,Ingenia CXに搭載される。

In-Bore Experienceで息止めや検査の残り時間をバーやタイマーなどのデザインでわかりやすく表示

In-Bore Experienceで息止めや検査の残り時間を
バーやタイマーなどのデザインでわかりやすく表示

来場者が次々とIn-Bore Experienceを体験していた。

来場者が次々とIn-Bore Experienceを体験していた。

   
3Dも含め短時間スキャンを可能にする“Compressed SENSE”

3Dも含め短時間スキャンを可能にする
“Compressed SENSE”

2016年に発表,提供の始まった脳神経領域のアプリケーション(一部FDA未承認)

2016年に発表,提供の始まった脳神経領域の
アプリケーション(一部FDA未承認)

   
フィリップスMRIのハードウエアの進化を紹介

フィリップスMRIのハードウエアの進化を紹介

 
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