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RSNA2016 シーメンス - MRI 上位機種の機能を取り入れつつコストパフォーマンスに優れた1.5T MRI「MAGNETOM Sempra」が登場

2016-11-29

上位機種の機能を採用しコストパフォーマンスに優れる「MAGNETOM Sempra」

上位機種の機能を採用しコストパフォーマンスに
優れる「MAGNETOM Sempra」

Siemens Healthineers(シーメンス)では,今回のRSNA2016でMRIの新製品「MAGNETOM Sempra」(日本国内薬機法未承認)を発表した。

同社ハイエンドクラスの3T装置「MAGNETOM Skyra」と1.5T装置「MAGNETOM Aera」のデザインを踏襲。シーメンスのコイルテクノロジー“Tim”の第四世代となる“Tim4G”を搭載したほか,検査時間の短縮に貢献する“Dot”エンジンを採用している。また,ソフトウエアもハイエンドクラスと同等の“syngo MR E11”が利用できる。このような上記機種の機能を惜しみなく投入しつつ,病院経営を取り巻く厳しい状況を考慮して,コストパフォーマンスに優れた機能も多く有している。その一つがゼロボイルオフである。シーメンス独自のマグネット設計と高性能冷却システムにより液体ヘリウムを消費することなく,装置を運用することが可能になった。これによりランニングコストを大幅に削減できる。また,消費電力の削減にも力を注いでいる。マグネット内の液体ヘリウムの状態をモニタリングすることで,検査待機時間はスリープし,必要に応じてヘリウムを循環させる“Eco-Power”技術を採用した。これにより,電力消費を抑え,従来装装置の約30%の低減を図れる。

コイルも独自の技術を採用しており,ケーブルレスのヘッド・ネックコイルがラインナップされている。このヘッド・ネックコイルは,被検者の目のエリアには視界を確保するために広くしてある。この配慮によって,被検者は安心して検査を受けることが可能である。

一方,ハイエンドクラスの装置もアプリケーションの強化を図っている。新たに,MAGNETOM SkyraとMAGNETOM Aeraにcompressed sensing(CS)が可能になり,その症例画像が来場者に紹介された。スパースなサンプリングデータから画像を作成するCSは新しい高速撮像法として注目を集めていたが,シーメンスは心臓のシネ撮像にCSを適用できるようにした。これにより,1回の息止めで心電図同期をせずにシネ撮像が可能となり,検査時間を大幅に短縮する。さらに,体動によるブレがないデータを得られるようになる。従来,心臓MRIは検査に時間を要していたため,大学病院などの限られた施設でしか施行されていなかったが,このCSが実臨床で使用できるようになったことで,市中病院でもルーチン検査の枠の中で施行できるようになると期待される。

ケーブルレスのヘッド・ネックコイル

ケーブルレスのヘッド・ネックコイル

被検者に安心感を与えるためのミラーを取り付けた状態のヘッド・ネックコイル

被検者に安心感を与えるためのミラーを取り付けた
状態のヘッド・ネックコイル

   
ブース内では“Beyond Speed”のキャッチコピーでcompressed sensing(CS)をアピール

ブース内では“Beyond Speed”のキャッチコピーでcompressed sensing(CS)をアピール

CSによるシネ撮像の症例画像も紹介(済生会松山病院)

CSによるシネ撮像の症例画像も紹介
(済生会松山病院)


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