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RSNA2017 フィリップス - CT 画像処理の高速化でスペクトラルイメージングをルーチン検査にする新バージョン「IQon Elite Spectral CT」を発表

2017-11-29

すべての検査でスペクトラルイメージングを実現する「IQon Elite Spectral CT」

RSNA 2017 CT

Philips(フィリップス)のCTは,2016年に日本国内でも販売を開始し,臨床データが集まり始めているスペクトラルCT装置「IQon Spectral CT」を展示するとともに,画像処理時間の短縮と,新しいスペクトラルイメージングを可能にする新バージョン「IQon Elite Spectral CT」(日本国内薬機法未承認)を発表した。
IQon Spectral CTは,2層検出器の搭載により,通常の120kVp撮影を1回するだけで,後からすべての症例でスペクトラルイメージングが可能となるシステム。Dual Energy CTと異なり,120kVpの通常画像を取得できるため,過去画像との比較においても問題がない。今回発表された新バージョンのIQon Elite Spectral CTは,これまでのスペクトラルイメージングの画像処理を抜本的に改善し,画像処理時間の短縮を実現する。スペクトラルイメージングをルーチン検査にすることをめざして改良が図られており,1日40件程度の処理が問題なく行えるようになる。

すべての検査でスペクトラルイメージングを実現する「IQon Elite Spectral CT」

すべての検査でスペクトラルイメージングを実現する「IQon Elite Spectral CT」

 

また,放射線治療計画に用いられている“電子密度画像”の解析も自動化される。従来は,撮影したCT画像をワークステーションで解析した上で,放射線治療計画システムに転送していたが,スペクトラルイメージングの一つとして電子密度画像が可能になることで,治療計画のワークフローが向上する。

電子密度画像の例(下段)

電子密度画像の例(下段)

 

新しいイメージングとして紹介した“Calcium Suppression”は,スペクトラルイメージングで骨中のカルシウムを認識して抑制することで,カルシウム抜きの画像を表示することができる。これまで骨挫傷の画像検査は,CTの120kVp通常画像では骨挫傷の部分と骨のほかの部分が同じように描出されるため,MRI検査がゴールドスタンダードであった。しかし,Calcium Suppressionでカルシウムを抑制することで,MR画像と同じように骨挫傷を描出することができ,診断のための検査の短時間化,またはその後にMRI検査を行う場合に適切な条件設定ができるなど,骨挫傷の診断フローを最適化できると期待される。

Calcium Suppression画像(右)では,MR画像(左)と同じように骨挫傷の描出が可能

Calcium Suppression画像(右)では,MR画像(左)と同じように骨挫傷の描出が可能


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