2025-12-2
2025年7月に米国で本格発売された
「MEDRAD Centargo CT
インジェクションシステム」
Bayer(バイエル)のインジェクタコーナーでは,2024年11月に米国食品医薬品局(FDA)の認可を取得したマルチペーシェントユースインジェクションシステム「MEDRAD Centargo CTインジェクションシステム」を展示した。Centargoは,2025年7月から本格的に販売が開始され(日本での発売は2023年),発売以降,米国内ですでに60数台が販売され,現場でも高い評価を得ている。Centargoは,24時間連続使用が可能なデイセット(専用の消耗品)を使用し,検査ごとの残液破棄が不要なマルチペーシェントユースを特長とする。従来は手動で行っていたプロセスが自動化されることで,医療従事者不足やコスト面での課題を解決する一助となる。また,米国ではデイセットの包装をソフトパッケージにすることで廃棄物を減らし,環境への負荷の軽減にも貢献しており,今後日本での展開も期待される。さらに,ハイボリュームセンター向けのCentargoに対し,米国で展開中のより中小規模施設向けのCT用インジェクションシステム「MEDRAD Stellant FLEX」(日本未承認)やMRI用インジェクションシステム「MEDRAD MRXperion」など,「MEDRAD」ブランドとして展開する同社のインジェクションシステムラインアップや線量管理システム「Radimetrics」を紹介した。
米国でのCentargoデイセットのパッケージ
米国で展開中のCentargo操作パネル。従来のタイプより薄型で設置性が向上した。
日本と同様に「to do less」「to care more」をテーマにアピールされている。
MRI用インジェクションシステム「MEDRAD MRXperion」
線量管理システム「Radimetrics」のサマリーページ
インジェクションシステムのログ解析などのリモートサポートは日本では「Virtual CARE」として展開しているが,米国ではオンラインでもエンジニアによる機器の予知保全(engineered predictive maintenance)ができるサービスについても「Virtual CARE」機能の一つとして提供している。また,「performance」「productivity」「patient care」に焦点を当て,装置の最大限の活用やソフトウエアとサービスの統合などをscalableなソリューションとして提案する「Cortenic」を展開していることが紹介された。
装置の最大限の活用などを提案する「Cortenic」
米国ではCOVID-19流行以降,造影剤の供給不足が表面化し,施設で複数の造影剤常備の必要性が認識されている。そのような状況を受け,今回は非イオン性尿路・血管造影剤など同社の造影剤ラインアップも展示され,造影剤の安定供給も含めた造影検査のトータルサポートの姿勢がアピールされた。
