2025-12-4
ヘルスケアITブース
キヤノンメディカルシステムズのヘルスケアITは，「Empowering Diagnostic Decisions, Connecting Care Teams, and Unlocking Insights.」をコンセプトに，End-to-End Workflow（検査準備からポストプロセスまで）において，画像診断の意思決定支援や質の向上，コミュニケーションや効率的な部門運営をAI活用や自動化技術でサポートするソリューションを展示した。なお，各ソリューションは米国向けであり，日本未展開，または日本国内とは仕様が異なる。
End-to-End WorkflowをAI活用や自動化技術でサポート
「Remote Assist」は，同社製のCT，MRI，PET-CTに遠隔でアクセスし，コンソールの画面共有や操作を可能とするプラットフォーム。経験豊富なオペレータが基幹病院からグループ病院の検査やプロトコール管理，画像品質の確認などを遠隔で支援することで，装置のパフォーマンスをどの病院でも最大限に発揮することが期待される。現在は米国のみで提供しているが，今後，日本も含めた世界各地での展開を計画している。
人材不足への対応や検査の均質化にも貢献する「Remote Assist」
「Vina Analytics」は，CTの線量管理，プロトコールマネジメント，モダリティ稼働分析の3つの機能を提供する。プロトコールマネジメントでは，施設内やグループ病院内におけるCTのプロトコールを管理でき，プロトコールの共有や，変更に対する諾否のコントロールが可能。稼働分析では各装置の稼働状況を見える化し，運用の最適化や経営判断に資する情報を提供する。
3つの機能でCT検査を支援する「Vina Analytics」
Advanced Visualizationソリューションの「Vitrea」では，検査後の画像処理を自動化し，検査から読影のワークフローを改善するさまざまなアプリケーションを紹介した。「CT Carotid Auto Vessel」は，頸動脈CTの解析をすべて自動化するアプリケーションで，1検査あたり2〜3分のポストプロセス時間の短縮につながる。「Open Rib」は，胸部CT画像から肋骨の展開図を作成する。ほかにも，X-Y軸/Z軸方向に傾いて撮影した頭部CT画像の傾きを自動修正する「Auto MPR Brain」や，自動で差分画像を作成する「Subtraction Viewer」を展示した。
頸動脈解析を自動化する「Vitrea」の「CT Carotid Auto Vessel」
さらに，「Automation Platform」は，AI技術を活用したアプリケーションをゼロクリックで利用できるソリューション。急性期診療をサポートする診断支援ソリューションとして，脳卒中トリアージソリューション「Stroke CT Package」や「Stroke MR Package」，胸痛トリアージソリューション「CT Chest Pain Package」を展示。CT Chest Pain Packageの肺血栓塞栓症（PE）の検出では，PE診断目的ではない通常の胸部CT画像からPEを拾い上げる「Incidental Pulmonary Embolism（iPE）」も用意されている。Automation Platformでは，DICOMタグ情報から自動で適用するソリューションを選択して解析，結果がPACSへと送られる。急性期ソリューションの結果はモバイル端末のビューワやEmailで医師に送信することもでき，迅速に治療へとつなげる。
脳卒中トリアージソリューション「Stroke CT Package」