innavi net画像とITの医療情報ポータルサイト

ホーム

RSNA2025 キヤノンメディカルシステムズ - US 「3-HI」や「SMI Angioモード」など超音波検査を進化させるAplio i-seriesの最新バージョンを紹介

2025-12-2

プレミアム超音波診断装置「Aplio i 800」を中心に展示したUSエリア

プレミアム超音波診断装置「Aplio i 800」を中心に
展示したUSエリア

キヤノンメディカルシステムズのUSは,プレミアム超音波診断装置「Aplio i 800」を複数台配置し,デモンストレーション展示を行った。最新トピックスとして,Aplio i-seriesの最新バージョンとなるVersion 9(日本国内では2025年5〜6月開催の日本超音波医学会学術集会で発表)で実装された技術を紹介した。Version 9の主要なイノベーションとして,AIを活用した画像技術「3-HI(3rd Harmonic Imaging)」と微小血流の描出能を向上させた「SMI Angioモード」が挙げられる。
従来装置のTissue Harmonic Imaging(THI)では2次高調波を抽出して画像化しているのに対して,3-HIでは深層学習を利用してエコー信号から3次高調波のみを効率良く抽出することで,従来は画像化できなかった深部の組織を高解像度で画像化する。THIも浅部から深部まで良好な画像を描出するが,3-HIでは均一性がさらに向上し,診断に有用な画像を提供する。
一方,SMI Angioモードは,キヤノンメディカルシステムズがこれまで磨きをかけてきた微小血管・低流速の血流を可視化する独自技術Superb Micro-vascular Imaging(SMI)を進化させ,微細血管のより明瞭な描出を実現した。従来から注力して開発してきた周波数領域の分析や信号の抽出に加え,時間方向に信号を解析してドプラ信号に揺らぎを生じさせるノイズ成分を除去することで,いっそうクリアな血流像を描出できるようになっている。微細な部分のノイズが抑制されることで血管の分岐も明瞭化し,肝臓や腎臓,乳腺,甲状腺などでの描出能向上が期待される。研究向きの機能であり,現在,米国や日本で検討が進められている。

Aplio i 800のデモンストレーション展示を実施

Aplio i 800のデモンストレーション展示を実施

 

「3-HI」(右)では管腔と組織の境界がよりシャープに描出され,管腔内の抜けもクリアになる

「3-HI」(右)では管腔と組織の境界がよりシャープに描出され,管腔内の抜けもクリアになる

 

「SMI Angioモード」(右)では従来のSMI(左)よりも微細血管を明瞭に描出

「SMI Angioモード」(右)では従来のSMI(左)よりも微細血管を明瞭に描出

 

また,米国は高級機が中心の市場であるが,日本国内で販売を開始しているコンパクトタイプの「Aplio beyond」と「Aplio me」(いずれも510 k Pending)も展示された。これらを上市して米国でフルラインアップをそろえることで,コンパクトさや安価さを求める医療従事者にもリーチし,米国での超音波事業を拡大していく考えだ。

米国市場への導入をめざす「Aplio beyond」(右)と「Aplio me」(いずれも510 k Pending)

米国市場への導入をめざす「Aplio beyond」(右)と「Aplio me」(いずれも510 k Pending)