2025-12-2
同社初のフォトンカウンティングCT
「Photonova Spectra」
(薬機法未承認)
GE HealthCare(GEヘルスケア)は,満を持して同社初のフォトンカウンティングCT「Photonova Spectra」(薬機法未承認)がアンベールした。また,「Revolution APEX」も展示し,新たに搭載される予定のディープラーニング画像再構成技術「True Definition DL」(薬機法未承認)が発表された。
アンベールイベントでも注目と喝采を浴びたPhotonova Spectraは,2022年から順次,ウィスコンシン大学,カロリンスカ大学,スタンフォード大学でプロトタイプを用いて研究開発を進めてきた。独自開発のディープシリコン検出器を搭載。空間分解能が0.12mm,FOVが50cm,ガントリ回転速度が0.23s/rotで,検出器幅4cmと8cmの2機種をラインアップする。最大8cmのワイドカバレッジにより,高分解能画像とスペクトラルイメージングを取得することが可能だ。ディープシリコン検出器は,他社の装置で採用されるCdTe(カドミウムテルライド)と比較して,優れたエネルギー分別能を有する。これにより,淡いコントラストの境界線も明瞭に描出することが可能となり,スペクトラルイメージングにおける画質の向上が期待される。検出器幅8cmのタイプは,心臓など循環器領域の検査に最適化されている。GEヘルスケアの心臓CTアプリケーションである「SnapShot Freeze 2.0」といった動き補正技術も搭載する予定としており,ハートセンターなど循環器領域の専門施設での導入が見込まれる。
「Photonova Spectra」(薬機法未承認)は空間分解能0.12mm,FOV50cm,ガントリ回転速度0.23s/rotの高スペックを搭載
0.12mmの高空間分解能により従来CTよりも病変を明瞭に描出
スペクトラルイメージングでのメリットが期待される「Photonova Spectra」(薬機法未承認)
また,CTでもう1台展示されたRevolution APEXは,日本国内で2023年から販売をしているハイエンドクラスの装置。そこに今回,新たな画像再構成技術として追加がアナウンスされたのが,ディープラーニングを用いた超解像画像再構成技術のTrue Definition DLである。すでに複数のテストサイトで評価が進んでおり,臨床評価が行われている。Revolution APEXに搭載されば,16cmのワイドカバレッジで高分解能画像が取得可能となり,循環器領域を中心に検査の適応拡大,診断精度の向上などが期待される。
True Definition DL(薬機法未承認)が搭載される予定の「Revolution APEX」(薬機法未承認)
今回展示された2機種は,オプションとしてAI 3Dカメラが用意される。天井に配置されたAI 3Dカメラの情報を基に,ポジショニングが自動化される。これにより30~40秒程度ポジショニングの時間を短縮することができ,検査効率の向上と,撮影者の業務負担軽減を可能にする。すでに,日本国内で稼働するGEヘルスケアのCTのうち,300台以上に搭載されているという。
ポジショニングの自動化により検査効率を向上させるAI 3Dカメラ
