2025-12-3
128cmのdBGO検出器を搭載した
「Omni Legend Total Body PET/CT」(薬機法未承認)
GE HealthCare(GEヘルスケア)のMolecular Imaging(MI)の展示は,薬剤生成から画像解析までセラノスティクスにも対応するトータルソリューションを紹介する内容となった。
薬剤生成のための小型サイクロトロン「MINItrace Magni」(薬機法未承認)は,従来設備よりも設置面積を大幅に縮小する。大学病院など大規模医療機関しか導入できなかったサイクロトロンを,小中規模の病院にも設置できるようにした。これにより,施設の規模によらず薬剤の安定供給を可能にする。現在,FDG以外の新たな薬剤が登場しており,サイクロトロンのニーズが高まると予想されるだけに,日本での展開も期待される。
検査・画像診断に用いられるPET/CTは,前回参考展示された128cmのdBGO検出器を搭載した「Omni Legend Total Body PET/CT」(薬機法未承認)が展示された。従来機種は32cmまでを撮像範囲としていたが,全身をカバーする128cmに拡大。頭部から大腿部までを1スキャンで撮像し,スループットが向上。検査数の増加にも対応する。また,dBGO検出器に使用するBGO結晶は,LSO結晶と比較して高い感度を有している。この高感度によりセラノスティクスにおいて低活性トレーサーの撮像も可能となる。さらに,天然の放射性核種を含まないためにノイズを抑えた画像を得られるので,薬剤の投与量を抑えても高画質画像を得られる。
対応エネルギーが拡張した「StarGuide GX」(薬機法未承認)
さらに,SPECT/CTの新製品として,「StarGuide GX」(薬機法未承認)も披露した。新開発の「dual-side CZT」検出器を搭載。撮像可能なエネルギー範囲を大幅に拡張し,最大500keVまで対応する。今後α線を用いた治療薬によるセラノスティクスが実用化されると予想されており,高エネルギーに対応するStarGuide GXが威力を発揮すると期待される。
「Omni Legend Total Body PET/CT」(薬機法未承認)に搭載される128cmのdBGO検出器
撮像後の解析として傘下の米国MIM Software社のソフトウエア「LesionID Pro」(薬機法未承認)や「MIM Encore」(薬機法未承認)も紹介した。LesionID Proは各種計測値を自動計算する。また,Encoreは検査レポートの作成を支援する。
