2025-12-2
初日のアンベールイベントで発表された
スペクトラルCT「Verida」
Philips(フィリップス)のCTは,初日にスペクトラルCT「Verida」(510 k Pending,薬機法未承認)がアンベールされた。Veridaは,「Smart,Simple,Spectral」がコンセプトの2層検出器搭載CTの最新機種。「IQon Spectral CT」と「Spectral CT 7500」から継承した2層検出器技術にAI技術を組み合わせることで,すべての検査で高精細なスペクトラルイメージングを実現する。
搭載される二層検出器は,集積回路レベルから設計を見直してAI画像再構成専用の第3世代へと進化。ノイズを低減したAI画像再構成に最適なデータだけをイメージングチェーンに送る仕組みとなっており,そのデータをAI画像再構成「Spectral Precise Image」で再構成することで,従来と比べ大幅な画質向上を可能にした点が大きな特長だ。Spectral Precise Imageは5段階(sharper-sharp-standard-smooth-smoother)で調整が可能で,読影医の好みや部位により最適化できる。
腹部や心臓,頭部など全身領域で使用でき,1mmスライス厚でもノイズの少ない高画質撮影が可能となっている。さらに,仮想単色X線(MonoE)による低エネルギー画像を併用することで,頭部では白質と灰白質のコントラスト向上,腹部では膵がんの境界の明瞭化や血管の視認性向上などが期待できる。AI画像再構成技術はプレミアムCT装置「CT 5300」から継承しており,10年に及ぶ2層検出器CTの集大成として大きくアピールした。
また,フィリップスが長年開発してきた2層検出器によるスペクトラルCTの歴史が,アトラクション型展示「Spectral Experience」でも紹介された。
第3世代の二層検出器とAI画像再構成を搭載するVerida
集積回路レベルから刷新された第3世代の二層検出器はAI画像再構成に最適化
AI画像再構成「Spectral Precise Image」とMonoEで白質と灰白質のコントラストが向上(左:iDose4,中央:Spectral Precise Image・MonoE 66keV,右:Spectral Precise Image・MonoE 50keV)
膵がんもSpectral Precise Imageにより明瞭化(左:iDose4・3mm,右:Spectral Precise Image・MonoE 41keV・1mm)
スペクトラルCTの歴史を体感する「Spectral Experience」
映像と2層検出器模型でスペクトラルCTの進化を紹介
