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エドワーズライフサイエンスが心臓弁膜症用人工弁「インスピリスRESILIA大動脈弁」を発表

2018-9-7

インスピリスRESILIA大動脈弁

インスピリスRESILIA大動脈弁

心臓弁膜症や血行動態モニタリングを中心とした医療技術を提供するエドワーズライフサイエンス(株)は2018年9月1日(土),心臓弁膜症治療用の人工弁「インスピリスRESILIA大動脈弁」を発売した。インスピリスは,新しい石灰化抑制処理技術を施すことで耐久性が向上した生体弁。生体弁は経年によって弁尖部分にカルシウムが沈着することで石灰化が起こり,再手術が必要になる。インスピリスでは,弁尖に付着したアルデヒド基にキャッピング処理とグリセリン処理をして,アルデヒド基とカルシウムの結合を防ぐことにより弁尖の石灰化を抑制。生体弁の長寿命化に成功した。また,この新しい処理技術により,従来の生体弁で必要だったグルタルアルデヒド溶液での薬液保管が不要となり,パッケージから取り出してすぐに使用することが可能となっている。

インスピリスRESILIA大動脈弁の実物

インスピリスRESILIA大動脈弁の実物

インスピリスRESILIA大動脈弁で採用されている新技術

インスピリスRESILIA大動脈弁で採用されている新技術

   
従来の生体弁

従来の生体弁

 

 

9月4日(火)には,日土地西新宿ビル(東京都新宿区)の東京本社にて記者発表会を開催した。記者発表会では,東京医科歯科大学大学院・医歯学総合研究科心臓血管外科学教授の荒井裕国氏が,「大動脈弁狭窄症と,その治療」と題し,大動脈弁狭窄症の症状と現在の治療法の概要,そして治療法のゴールドスタンダードである外科的治療(大動脈弁置換術)で用いる生体弁が持つ課題について説明した。荒井氏は,平均寿命が延びている現在,再手術リスクを低減できるより耐久性の高い生体弁の必要性が高まってきており,従来の生体弁の主な劣化要因である石灰化を抑制できる技術が求められてきたと述べた。また,生体弁を保存するグルタルアルデヒド溶液について,患者はもちろんであるが,医療従事者自身の深刻な医療事故へとつながることを過去の事例を交えて紹介した。グルタルアルデヒド溶液の必要性は理解できるが,洗浄と手技の折り合いがつかず施術のワークフローが悪くなるという点などもあり,生体弁にかかわる解決したい問題の一つであると語った。これらの課題をインスピリスは解決しており,薬機法承認は下りていたものの保険償還に時間がかかる中で,ようやく使用が可能となり,患者に勧めることができるようになったと期待を示した。
続いて,同社代表取締役会長のケイミン・ワング氏が「心疾患と戦う人々を支える,医療技術を提供する企業として」と題し,同社の患者の人生に変革をもたらす革新的な医療技術を提供するために積極的なR&D投資をする開発姿勢を紹介した。また,インスピリスの開発については,14年の歳月と1億ドル以上の投資を要したと述べ,新しい世代の生体弁を上市できたと自信を見せた。

荒井裕国 氏(東京医科歯科大学)

荒井裕国 氏
(東京医科歯科大学)

ケイミン・ワング 氏(代表取締役会長)

ケイミン・ワング 氏
(代表取締役会長)

 

 

●問い合わせ先
エドワーズライフサイエンス(株)
CVS事業部
TEL 03-6894-0510  
www.edwards.com/jp

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