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AMEDが平成30年度ICT関連事業の成果報告会を開催

2019-3-11

AMED ICT関連事業29課題の成果を報告

AMED ICT関連事業29課題の成果を報告

国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)は3月5日(火),丸ビルホール&コンファレンススクエア(東京都千代田区)において,「平成30年度AMED ICT関連事業成果報告会」を開催した。2015年4月1日に発足したAMEDでは,厚生労働省の所管事業として,「臨床研究等ICT基盤構築研究事業」を開始。その後領域を拡大し,「臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業(34課題)」を進めてきた。さらに,2016年度から総務省の所管事業として「パーソナル・ヘルス・レコード(PHR)利活用研究事業(8課題)」,2017年度から経済産業省の所管事業として「IoT等活用行動変容研究事業(12課題)」を行ってきた。今回の成果報告会では,これらの事業で採択された課題の多くが研究期間終了を迎えることから,その成果を報告する場として設けられた。

AMED理事の梶尾雅宏氏,AMED ICT関連事業プログラムスーパーバイザーの酒巻哲夫氏の挨拶に続き,IoT等活用行動変容研究事業の5課題の報告が行われた。このうち,信州大学学術研究院医学系スポーツ医科学教室/先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所教授の増木静江氏は,「IoTを活用した大規模個別運動処方のための携帯端末アプリの開発」と題して発表した。この発表では,活動量計とスマートフォンを組み合わせ,体力・運動データを計測,閲覧できるようにしたほか,自己や他者とのデータ比較などを行うことで,行動変容を促すアプリケーションの実証実験の成果が報告された。次いで行われたパーソナル・ヘルス・レコード(PHR)利活用研究事業の成果報告では,6課題の発表があった。6番目に発表した佐賀大学医学部附属病院高度救命救急センターセンター長/佐賀大学救急医学講座教授の阪本雄一郎氏は,医療・介護などの情報統合基盤「CDMS(Clinical Data Management System)」と,個人の出生から介護までの情報を一元的管理する「POPS(Personal condition Oriented Proxy Service)」を用いたアプリケーションによる救急・母子保健分野などの情報流通について解説した。

また,臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究事業の報告は,9課題ずつ前半と後半に分けて行われた。前半9課題では,日本医療ネットワーク協会の千年カルテプロジェクトによる健康医療情報の収集や,一般財団法人医療情報システム開発センター理事長の山本隆一氏を代表研究者とするSS-MIX2を基盤とした大規模データ収集・利活用,公益社団法人日本医師会が取り組んだSS-MIX2による生涯健康情報統合基盤の構築などの研究成果が報告された。後半9課題では,京都大学医学部附属病院医療情報企画部教授の黒田知宏氏が,レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)データの利活用のための基盤開発について発表したほか,自治医科大学学長の永井良三氏が,日本内科学会地方会の症例報告を構造化した人工知能(AI)による総合診断診療支援システムの開発経緯や課題について説明した。

当日は,成果の報告だけでなく,別会場においてシンポジウム「医療情報基盤の二次利用を目指して」と「PHR・IoTの実装を目指して」が設けられた。前半のシンポジウムでは,筑波大学医学医療系医療情報マネジメント学講師の古田淳一氏らが講演。後半のシンポジウムは,企業や自治体の事例紹介,医療法人社団鉄祐会理事長の武藤真祐氏が座長を務めパネルディスカッションが行われた。

次世代医療基盤法やPHR・IoTをテーマにしたシンポジウム

次世代医療基盤法やPHR・IoTをテーマにした
シンポジウム

 

 

成果報告会の最後には,AMED ICT関連事業プログラムオフィサーの高林克日己氏が挨拶を行い,報告された研究成果の社会実装に期待を示して閉会となった。

各課題のポスター発表

各課題のポスター発表

 

 

●問い合わせ先
国立研究開発法人日本医療研究開発機構
臨床研究・治療基盤事業部臨床研究課ICT基盤研究グループ
TEL 03-6870-2229
FAX 03-6870-2246
https://www.amed.go.jp