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「第7回 モニタ精度管理セミナー」が開催

2019-7-1

約40名が参加

約40名が参加

公益社団法人日本診療放射線技師会(JART)と一般社団法人日本画像医療システム工業会(JIRA)は2019年6月22日(土),JART講義室(東京都港区)において,「第7回 モニタ精度管理セミナー」を共催した。プログラムは講義のほか,実機を用いたヒヤリハット体験,品質管理のデモンストレーションで構成された。

JART理事の児玉直樹氏の挨拶に続き,同理事の松田恵雄氏が「医用画像表示モニタの特徴と品質管理の実態」と題して講義を行った。松田氏は,JARTが2018年度に行ったアンケートの結果を示し,精度管理を行っている施設が少ないこと,精度管理がインシデントとアクシデントの防止につながっていることなどを説明した。その上で,液晶モニタの原理や構造,ヒトの目の特性とGSDF階調について解説。さらに,解像度,視野角,表面処理などを説明したほか,JIRAが策定した「医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン」(JESRA X-0093),公益社団法人日本医学放射線学会が作成した「デジタル画像の取り扱いに関するガイドライン」を紹介した。

児玉直樹 氏(JART)

児玉直樹 氏
(JART)

松田恵雄 氏(JART)

松田恵雄 氏
(JART)

 

 

次いで,JIRA医用画像システム部会モニタ診断システム委員会による「モニタ実機によるヒヤリハット体験」が行われた。40名の受講者をグループに分けて,ブースごとに「LCDモニタの構造とモニタの不具合」「モニタ解像度と画像表示」「医用画像表示用モニタと情報機器用モニタの性能の差」「3MP異なる階調特性の比較——3MPモニタでGSDFとガンマ2.2等との比較」「輝度による視認性の差と環境光の影響」「低コントラスト部分への環境光による影響」の6テーマのデモンストレーションが行われた。この後,JIRA医用画像システム部会モニタ診断システム委員会の委員長を務める前田一哉氏が,「医用画像表示用モニタの品質管理に関するガイドライン」(JESRA X-0093)の最新版である(JESRA X-0093*B-2017)の解説を行った。

「モニタ実機によるヒヤリハット体験」のデモンストレーション

「モニタ実機によるヒヤリハット体験」の
デモンストレーション

 

 

続いて,実際にモニタの精度管理に取り組んでいる施設の事例報告として,社会医療法人財団互恵会大船中央病院の青木陽介氏が「病院での品質管理について」と題して講義を行った。青木氏は,同院におけるモニタ精度の品質管理体制を紹介したほか,品質管理のポリシーなどを説明した。

青木陽介 氏(大船中央病院)

青木陽介 氏
(大船中央病院)

   

 

最後に,JIRA医用画像システム部会モニタ診断システム委員会による「モニタの品質管理のデモンストレーション」が行われた。このデモンストレーションでは,JESRAガイドラインに基づく不変性試験における目視試験,測定試験のノウハウが紹介された。

JIRA医用画像システム部会モニタ診断システム委員会による「モニタの品質管理のデモンストレーション」

JIRA医用画像システム部会モニタ診断システム委員会による「モニタの品質管理のデモンストレーション」

 

 

当日は約40名の診療放射線技師が参加した。JARTのアンケートのとおり,モニタの精度管理は十分実施されている状況とは言えないが,このような啓発活動によってモニタの精度管理が普及すれば,検査や診断など医療の質の向上にも寄与すると期待される。

 

●問い合わせ先
公益社団法人日本診療放射線技師会
TEL 03-5405-3612
http://www.jart.jp/