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一般社団法人日本ケアテック協会が設立,記者会見を開催

2020-11-13

設立記者会見に臨む主要理事。左から,竹下康平氏,鹿野佑介氏,森 剛士氏。

設立記者会見に臨む主要理事。
左から,竹下康平氏,鹿野佑介氏,森 剛士氏。

ケアテック事業者や介護事業者,学識者などが中心となり,介護分野でのテクノロジーの利活用推進や持続可能な介護の実現をめざす団体として,一般社団法人日本ケアテック協会がこのほど立ち上げられた。2020年11月11日(水)には,厚生労働省(東京都千代田区)で設立に関する記者会見が開催され,代表理事らが協会の目的や今後の具体的な活動について発表した。

協会名の「ケアテック」とは,「Care(介護)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語。同協会の代表理事に就任した(株)ウェルモ代表取締役CEOの鹿野佑介氏は,会見で協会設立の目的について,介護事業者とケアテック事業者間の「懸け橋」となり,介護現場でのデータ利活用の促進や現場に即したテクノロジーの社会実装の推進すること,さらに国への提言などを通じて,持続可能な介護の実現に貢献することだとした。また,具体的な活動方針として,(1)現場視点によるケアテック製品やサービスの開発の推進,(2)介護現場がケアテックを利活用しやすい環境や情報整備の推進,(3)ケアテック推進のため,意見交換や提言の実行,の3点を掲げた。鹿野氏は,協会設立の背景として,介護人材の不足や介護現場でのICTの利活用や利用効果の低さを挙げた。また,ICT利活用の効果測定では,精神的負荷などの点が十分加味されていないのではないかとし,ICT活用のさらなるポテンシャルがあるのではないかとの認識を示した。

鹿野佑介 氏(代表理事,ウェルモ代表取締役CEO)

鹿野佑介 氏(代表理事,ウェルモ代表取締役CEO)

 

続いて,常務理事の(株)ポラリス代表取締役CEOの森 剛士氏が,介護業界のテクノロジー利活用状況などについて触れ,介護現場ではICT利活用度が低いが,逆にケアテックにより大きなイノベーションを起こせる可能性があるとし,また一つの産業として海外への進出も可能であると展望を述べた。

森 剛士 氏(常務理事,ポラリス代表取締役CEO)

森 剛士 氏(常務理事,ポラリス代表取締役CEO)

 

最後に,専務理事/事務局長を務める(株)ビーブリッド代表取締役の竹下康平氏が登壇し,今後の具体的な活動について発表した。協会ではまず,ケアテック製品やサービスの標準化・開発支援策として,「ケアテック認証制度(仮称)」の運営や介護事業者とケアテック事業者のマッチング事業などを行うことを予定している。竹下氏は,現在は,介護事業者がケアテック製品を選定する際の情報が少ない一方で,ケアテック事業者は製品ニーズの把握や開発,導入に至るまで,すべてを自主努力で行う状況にある指摘。協会が策定した基準に基づく認定を行うことで,介護事業者が安心して製品・サービスを選択できるようにすると制度の趣旨を説明した。また,介護事業者をフィールドボード(実証の場)として組織し,ケアテック事業者とマッチングを行うことで,ケアテック事業者に良質な実証環境を提供するほか,啓発事業として,IT活用に優れた介護事業所などを表彰する「ケアテックアワード(仮称)」や,会員向けレポートの発行なども行っていく。

竹下康平 氏(専務理事/事務局長,ビーブリッド代表取締役)

竹下康平 氏(専務理事/事務局長,ビーブリッド代表取締役)

 

なお,当日登壇した3氏のほかに,理事としてコニカミノルタQOLソリューションズ(株)代表取締役社長の三浦雅範氏や社会福祉法人善光会理事/最高執行責任者/統括施設局長の宮本隆史氏をはじめとして,アカデミアや法律など幅広い分野から参画しており,会見にはオンラインで参加した。

オンラインで会見に参加した理事

オンラインで会見に参加した理事

 

●問い合わせ先
一般社団法人日本ケアテック協会
http://caretech.or.jp

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