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JAHISが2021年の新春講演会をオンラインで開催

2021-1-29

JAHISオンライン新春講演会のプログラム

JAHISオンライン新春講演会のプログラム

一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)は2021年1月20日(水),新春講演会をオンライン(Webex Eventsによる)で開催した。例年は,年初に講演会と賀詞交換会を開催していたが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を考慮してのこと。当日は15時から配信がスタートし,225名が参加した。進行はJAHIS戦略企画部長の西山喜重氏(キヤノンメディカルシステムズ)が務めた。開会の挨拶をした総務会長の下山赤城氏(日本アイ・ビー・エム)は,COVID-19の対応に当たる医療機関とその関係者に感謝を述べた上で,「工業会としても,有事や変化に対応できる正しいデータを提供する基盤づくりを支えることで,正確な予測や対応の柔軟性を支援できるように努力していきたい」と述べた。

続いて,JAHIS会長の瀧口登志夫氏(キヤノンメディカルシステムズ代表取締役社長)が挨拶し,「この1年のCOVID-19のパンデミックは,誰も経験したことがない社会状況をつくりだした。その中でJAHISとしても,テレワークを含めて新たな工業会活動のあり方を模索し続けている。政府は,昨年末に閣議決定した2021年度予算で,コロナ禍で浮き彫りになった日本のデジタル化の遅れを取り戻すべく,秋にも新設されるデジタル庁を中心にマイナンバーカードの普及推進などデジタル関連に軸足を置いた編成を行った。これは,2020年にJAHISが出した“2030ビジョン”で掲げた『健康で安心して暮らせるデータ循環型社会の実現』を加速するもので,われわれとしても大いに期待するところだ。データ循環型社会の実現にはデータの精緻化や標準化が必要であり,ヘルスケア・デジタルトランスフォーメーション(DX)の実現のためにも必要不可欠である。今後のウィズコロナの時代においても,JAHISとしてデータ利活用の啓発や標準化の活動を通じて,2030ビジョン実現に向けた活動を推進していきたい」とコメントした。

瀧口登志夫JAHIS会長

瀧口登志夫JAHIS会長

 

新春メッセージとして,関係省庁・団体から4名がリモートで挨拶した。厚生労働省医政局研究開発振興課医療情報技術推進室室長の前田彰久氏は,データヘルス集中改革プランでのオンライン資格確認等システムやレセプト情報確認の仕組みの構築,健康・医療・介護情報利活用検討会での電子カルテ情報等の標準化(HL7 FHIR)といった取り組みを紹介した。経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課課長の稲邑拓馬氏は,デジタル庁の発足に向けてデータ利活用の推進の機運が高まっているとして,PHR(Personal Health record)や次世代医療基盤法の運用について説明した。総務省情報流通行政局情報流通高度化推進室室長の庄司周平氏は,8K等高精細映像データ利活用研究事業をはじめとする研究開発事業,PHRサービスの普及展開などのICT基盤高度化事業,医療ICT分野の国際展開などの事業について紹介した。

最後に,医療情報システム開発センター理事長の山本隆一氏が,例年の乾杯の発声に代わってメッセージを述べた。山本氏は,COVID-19ではシステムやデジタル化の遅れが指摘されているが,医療情報システムや地域医療連携システムに機能がないわけではない。しかし,平常時から緊急事態に使えるシステムを考慮していないといざという時に貢献できないことを痛感したとして,この経験を今後に生かせるように検討していきたいと述べた。

新年講演会では,最初にJAHIS運営会議議長の色紙義朗氏(キヤノンメディカルシステムズ)が「2021年の年頭にあたって」と題し,JAHISの活動内容を中心に講演した。JAHISの会員企業は383社(2021年1月1日現在),2019年度の会員企業の直接売上高は5857億円となっている。色紙氏は,医療情報関連の市場環境を紹介した上でJAHISの2020年の活動状況と続く2021年事業活動方針を説明した。特別講演は,COVID-19関連でテレビ出演も多い昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門客員教授の二木芳人氏が,「新型コロナウイルスの現状と将来の展望」と題して,現在進行中のCOVID-19の感染拡大の状況と各国の対応,ワクチンなど今後の展望について概説した。

特別講演:二木芳人 氏(昭和大学)

特別講演:二木芳人 氏(昭和大学)

 

●問い合わせ先
一般社団法人保健医療福祉情報システム工業会
総務部
TEL 03-3506-8010
https://www.jahis.jp/