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島津製作所,頭部・乳房に特化した世界初のTOF-PET装置「BresTome」を発売

2021-3-2

頭部・乳房に特化した世界初のTOF-PET装置「BresTome」

頭部・乳房に特化した世界初のTOF-PET装置「BresTome」

(株)島津製作所は2021年3月1日(月),頭部・乳房に特化した高空間分解能型半導体PET装置「BresTome(ブレストーム)」を発売した。BresTomeは,検出器の配置を変更することで頭部・乳房両方の検査に対応が可能な世界初のPET装置。最新の半導体検出器やTOF(Time of Flight)技術により,高空間分解能と高解像度を実現。また,PET薬剤からの放射線を利用して撮像位置の確認,補正を行うためX線からの外部被ばくがなく,低被ばくという利点もある。発売当日には,同社の京都本社(京都市中京区)とZoom中継のハイブリット形式で記者発表会が開催され,製品概要の紹介やデモンストレーションが行われた。

記者発表会では,同社の専務執行役員医用機器事業部長の伊藤邦昌氏が挨拶に立った後,同事業部技術部PETグループ長の水田哲郎氏が新製品について紹介した。水田氏は発売に至る経緯について,島津社は40年にわたりPET装置の開発に取り組み,乳房に特化した装置として2014年に「Elmammo」,2017年に「Elmammo Avant Class」を発売しているが,これらの製品の高解像度画像を脳の診療や研究への転用を望む声があったことが開発の契機になったとした。

伊藤邦昌 氏(専務執行役員医用機器事業部長)

伊藤邦昌 氏(専務執行役員医用機器事業部長)

 

水田哲郎 氏(同事業部技術部PETグループ長)

水田哲郎 氏(同事業部技術部PETグループ長)

 

続いて,BresTomeの特長として(1)頭部・乳房の検査が1台で可能,(2)半導体+TOFにより高画質のPET画像を提供,(3)低被ばく,の3点を挙げた。特に同装置の核心として,2.1mm角の小型シンチレータとSiPM(Silicon Photomultiplier)半導体受光素子の組み合わせにより高空間分解能を実現したほか,TOF技術による高画質を実現。同社の全身用PETと比較して,解像度が約2倍に向上したことをアピールした。また,臨床現場へのBresTomeの導入により,頭部・乳房の検査枠を独立させることで全身検査数の増加が可能になるとした。

さらに頭部・乳房検査の臨床例を提示し,頭部の微小病変や機能低下部位の検出,乳がんのカテゴリ分類や治療効果判定などに利用できる可能性があるとした。最後に今後の展望として,認知症診断への利用のほか,血液バイオマーカー検査技術との連動により,認知症の予防方法の確立や創薬研究などへの応用が期待されると述べた。

頭部撮像モード(左)と乳房撮像モード(右)。操作ボタンで切り替えが可能

頭部撮像モード(左)と乳房撮像モード(右)。操作ボタンで切り替えが可能

 

全身用PETと比較し,2倍の解像度を実現

全身用PETと比較し,2倍の解像度を実現

 

 

●問い合わせ先
(株)島津製作所
https://www.med.shimadzu.co.jp/

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