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第6回医療革新セミナー

VUCA時代の医用画像管理・活用を考える第14回3D PACS研究会が開催

2022-1-17

前回に続きWebセミナーとして開催

前回に続きWebセミナーとして開催

2022年1月16日(日),第14回3D PACS研究会がWebセミナーとして開催された。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックの影響を受け,前回に続き実地開催を見送り,Web形式で行われた今回,テーマには,「VUCA(予測不可能)時代におけるイノベーション〜新型コロナ感染症の対応のあと…〜」が掲げられた。開会に当たり挨拶した当番世話人の金沢 勉氏(新潟大学医歯学総合病院)は,オミクロン株によるCOVID-19の急速な拡大は,今回のテーマにあるVUCA時代を象徴しているとし,このような時代において,アフターコロナの放射線診療を考える機会にしたい述べ,バラエティに富んだプログラムを構成したと説明した。プログラムは,セッション1「新型コロナ感染症対応」,セッション2「伝えたい線量管理の現状と問題点」,セッション3「サブスクリプション・オーケストレーションの現状と未来」,セッション4「最新のAI情報」で構成された。なお,総合司会は小林隆幸氏(北里大学北里研究所病院)が務めた。

当番世話人:金沢 勉 氏(新潟大学医歯学総合病院)

当番世話人:金沢 勉 氏
(新潟大学医歯学総合病院)

 

セッション1「新型コロナ感染症対応」では,麻生智彦氏(国立がん研究センター中央病院)が座長を務め,荒木隆博氏(山形県立中央病院)が,「予測不可能?放射線領域のニューノーマル」をテーマに発表した。荒木氏は,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の特徴などを解説した上で,日本放射線技術学会東北支部が2020年8月20日〜10月18日に行った「放射線検査領域におけるCOVID-19対応の現状調査アンケート」の結果を報告。併せて,山形県立中央病院放射線部におけるCOVID-19の対応について解説を行った。さらに,COVID-19の症例画像を供覧し,特徴的な所見を説明した。これらを踏まえて荒木氏は,コロナ禍となって約2年となり,その間に多くの知見を得てきたと述べ,常に感染症対策を行うことでニューノーマル時代に対応できているとした上で,あらゆるケースに備え変化に柔軟に対応できる組織づくりが重要だとまとめた。

セッション1の座長を務めた麻生智彦氏(写真左)と演者の荒木隆博氏(写真右)

セッション1の座長を務めた麻生智彦氏(写真左)と演者の荒木隆博氏(写真右)

 

続く,セッション2「伝えたい線量管理の現状と問題点」では,松村光章氏(Cardiovascular Research Foundation)が座長を務め,2名が発表したほか,企業の情報提供が行われた。先に倉元達矢氏(新潟大学医歯学総合病院)が,「Radimetricsを用いたCT線量管理〜実運用における問題点〜」と題して発表した。倉元氏は,バイエル薬品(株)の被ばく線量管理システム「Radimetrics」導入の経緯を説明した上で,線量情報の収集において生じた,プロトコール,メーカー,スタッフの問題点を指摘。システムを運用する上で,工夫が必要であると述べた。その上で,現状では,可能なかぎりプロトコールを変更・追加せずに,管理者側の工夫によってシステムを運用していることなどを説明した。そして,線量管理を行うためには,人材育成・教育,職場環境の見直しなどの取り組みが重要だとまとめた。続いて,「レバレッジ 核医学検査における線量管理と記録」をテーマに,池田龍二氏(熊本大学病院)が発表した。池田氏は,ユーザーエクスペリエンス(UX)デザインの重要性について言及した上で,核医学検査の標準化に向け日本核医学会などが策定した「核医学分野における診療用放射線の安全利用のための指針策定のガイドライン」や,DICOMのRDSR,RRDSRについて解説した。また,核医学検査の線量管理・記録の課題として,管理・記録の場所とタイミングの違い,放射線医薬品の投与記録と添付文書,RRDSRの普及率などを挙げた。そして,熊本大学病院における核医学検査の線量管理・記録のためのシステムと,その運用方法について解説。さらに,データ分析・処理のために導入したオープンソースの“R Studio”によるデータ解析の手法を紹介し,容易かつ視覚的にわかりやすいデータ解析をできていることを示した。

セッション2では,このほか,バイエル薬品,フォトロン M&E ソリューションズ(株),(株)メディカルクリエイトから線量管理にかかわるシステムの情報提供が行われた。

セッション2の座長を務めた松村光章氏(写真左)と演者の倉元達矢氏(写真右),池田龍二氏(写真下)

セッション2の座長を務めた松村光章氏(写真左)と演者の倉元達矢氏(写真右),池田龍二氏(写真下)

 

この後,セッション2とセッション3の間に,EIZO(株),フジデノロ(株),インフォコム(株),(株)イメージワン,(株)アイ・エス・ビー,フクダ電子(株),富士製薬工業(株)の情報提供が設けられた。

セッション3「サブスクリプション・オーケストレーションの現状と未来」では,富田博信氏(済生会川口総合病院)と牛尾哲敏氏(滋賀医科大学医学部附属病院)が座長を務めた。まず,「サブスクリプション時代における3Dワークステーションの立ち位置」をテーマに,行方正紀氏(テラリコン・インコーポレイテッド)が発表した。行方氏は,医用画像用のワークステーションがスタンドアローン型からネットワーク型,さらにはプライベートクラウド型へ広がりを見せており,今後,ビジネスアプリケーションのようにサブスクリプション方式での利用が広がる可能性があると指摘。すでに,技術としてはサブスクリプションでのサービスが提供可能だとし,必要な機能として,利用者側は双方向通信機能,サービス提供者側は利用管理機能を挙げた。そして,テラリコン・インコーポレイテッドの「iNtuition」では,サブスクリプション化が可能であるとして,現在ワークステーションを所有していない施設でも最新の解析アプリケーションを利用できるようになるなど,サービス化によるメリットを説明した。この後,情報提供が設けられ,(株)フィリップス・ジャパン,シーメンスヘルスケア(株),キヤノンメディカルシステムズ(株),テラリコン・インコーポレイテッドがプレゼンテーションを行った。

セッション3の座長を務めた牛尾哲敏氏(写真左)と富田博信氏(写真右),演者の行方正紀氏(写真下)

セッション3の座長を務めた牛尾哲敏氏(写真左)と富田博信氏(写真右),演者の行方正紀氏(写真下)

 

最後のセッション4「最新のAI情報」では,金沢氏が座長を務め,近藤世範氏(新潟大学大学院保健学研究科教授)による特別講演「医療用AI研究の動向—AI-CADを中心に—」が行われた。近藤氏は,現在のAIブームを支えるディープラーニングについて特徴を解説した上で,医用画像においては,検出,領域分割,分類,推定,画質改善,画像生成が可能になると説明した。さらに具体的なAI-CADについて,眼底カメラや胸部X線画像,CT画像,内視鏡画像など,すでに米国や日本において実用化されているソフトウエアについて取り上げ,その性能などのデータを供覧した。

セッション4の座長を務めた金沢氏(写真左)と特別講演を行った近藤世範氏(写真右)

セッション4の座長を務めた金沢氏(写真左)と特別講演を行った近藤世範氏(写真右)

 

すべてのセッション終了後は,次回当番世話人である牛尾氏が挨拶して,閉会となった。