2026-7-28
AWS,AI創薬を加速させる「AWS HealthOmics」を
東京リージョンで提供開始
〔 写真左から益子直樹 氏(AWS),
高橋健太郎 氏(エーザイ),瀧澤与一 氏(AWS)〕
アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWS)(同)は2026年7月27日(月),本社(東京都港区)において記者発表会を開催し,ゲノムデータをはじめとする生物学的データ解析の専用サービス「AWS HealthOmics」を同日から東京リージョンで一般提供を開始したことを発表した。
記者発表会では,まず同社執行役員パブリックセクター技術統括本部長の瀧澤与一氏が「日本のゲノム医療とAWSの取組」と題して発表した。瀧澤氏は,マルチオミクス解析の台頭によりデータ量が増大し,従来のオンプレミス環境では処理・保存が限界に達していると指摘。国内では,2019年の全ゲノム解析等実行計画の策定,2023年の「良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするための総合的かつ計画的な推進に関する法律(ゲノム医療推進法)」の施行を経て,2026年に日本ゲノム医療推進機構(GeMJ)が発足したことを説明し,実行計画では解析拠点を国内に置くことや拡張性の高い方式での整備を求めていると述べた。こうした背景から,インフラの提供にとどまらない「すぐに使える」ソリューションの必要性に言及。東京リージョンでAWS HealthOmicsを提供することで,データを国内にとどめたまま大規模な解析が可能になると強調した。
AWS HealthOmicsはAI創薬などでの利用を想定
続いて,ハイテク&ヘルスケアライフサイエンス部本部長の益子直樹氏がAWS HealthOmicsの特長などを説明した。AWS HealthOmicsは集団ゲノム解析レベルのスケールを有し,Nextflow・WDL・CWLといった業界標準のワークフロー言語に対応。コンソールやAPI,AIコーディングツールなどの目的に応じた使い分けが可能で,政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)に登録ずみの組み込みセキュリティ・コンプライアンスを特長とする。さらに,AIエージェントに自然言語で指示するだけで,がん患者サンプルの体細胞変異解析から可視化までを自動実行するといったことも可能になる。
AWS HealthOmicsによりAI創薬を加速し患者に還元
記者発表会では,AWS HealthOmicsを導入したエーザイ(株)ヒューマンバイオロジークリエーションハブ インテグレイティッドデータサイエンス ヒューマンバイオロジーデータエコシステム部長の高橋健太郎氏が,自社での活用を報告した。同社は,データインテグリティとスケーラビリティ,最新のオミクス解析への対応,コストと使いやすさという課題に対し,AWS HealthOmicsを活用。オープンソースのnf-coreのワークフローに加え,独自にカスタマイズしたプライベートワークフローのバージョンを管理している。2023年にはAWSとサーバレスシステムのプロトタイプを共同開発しており,今後はゲノムAIやLLM,AIエージェントとデータ基盤をつなぎ,創薬研究を加速させるという。
ゲノム医療の社会実装が本格化する中,国内でセキュアかつ大規模な解析を実行できる基盤となるAWS HealthOmicsは,日本の創薬イノベーションと個別化医療の推進に寄与すると期待される。
●問い合わせ先
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
https://aws.amazon.com/jp/
