AIが卵巣腫瘍の診断精度を大幅に向上(2025/11/17)

2026-1-5


AIが卵巣腫瘍の診断精度を大幅に向上(2025/11/17)

卵巣腫瘍は婦人科悪性腫瘍の中でも致死率が高いが,超音波画像のみで良性・悪性を正確に識別することは困難である。診断のばらつきにより過剰な手術が行われる場合がある一方で,悪性腫瘍の見逃しも生じており,臨床上の課題となっている。こうした状況を背景に,スペインの研究チームは卵巣腫瘍の分類を目的として,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)とTransformerを早期融合させたハイブリッドAIモデルを開発した。
Frontiersに発表された論文によると,モデルの学習には,1,469枚の2次元Bモード超音波画像で構成されるデータセット「OTU-2D(Ovarian Tumor Ultrasound 2D)」を使用している。CNNで局所的な特徴を抽出し,Transformerで画像全体の文脈情報を学習することで,腫瘍の質感や構造をより精緻に捉えることが可能となった。5分割クロスバリデーションの結果,ハイブリッドモデル単体でAUC 0.9904,正答率92.13%,感度92.38%,特異度98.90%を達成し,ソフトアンサンブルではAUC 0.991,正答率93.3%,感度93.6%,特異度99.0%と高精度を示した。さらに,Grad-CAMによるヒートマップにより腫瘍辺縁など臨床的関心領域を可視化し,エントロピーに基づく不確実性により,自動診断と専門医介入の切り分けが可能となる。
研究チームは今後,このハイブリッドAIモデルを他の婦人科疾患や画像診断全般に応用し,臨床現場での意思決定支援に活用する方針だ。「非侵襲的なリスク評価や不要な手術の削減にとどまらず,幅広い画像診断分野への展開も視野に入れ,さらなる精度検証と実装に取り組みたい」と意欲を示している。

【参照論文】
Early-fusion hybrid CNN-transformer models for multiclass ovarian tumor ultrasound classification


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