FDA承認AI医療機器の現状と課題を分析(2025/12/7)

2026-2-2


FDA承認AI医療機器の現状と課題を分析(2025/12/7)

AIおよび機械学習(ML)を活用した医療機器は,がんや心血管疾患,神経領域などの診断や管理において急速に導入が進んでいる。しかし,承認された多くの機器では,有効性や安全性,リスクに関する報告が十分でなく,臨床現場での判断を困難にしている。こうした背景を踏まえ,米国の研究チームは,米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)により承認された691件のAI/ML医療機器を対象に,承認文書や市販後の有害事象・リコール情報を横断的に分析し,その成果をJAMA Health Forumに発表した。
研究チームによると,1995年から2023年にかけてFDAが承認した691件のAI/ML医療機器のうち,全てのAI/ML機器がクラスII(中等度リスク)であり,承認経路は510(k)が668件(96.7%)と大部分を占め,対象分野としては放射線科が約8割を占めていた。また,試験デザインに関する報告が欠落していたのは323件,試験が実施された施設数に関する報告が欠落していたのは564件,サンプルサイズに関する報告が欠落していたのは368件,人口統計情報に関する報告が欠落していたのは660件であった。ランダム化臨床試験は6件,前向き試験は53件のみであった。査読付き論文で性能が報告されていた機器は272件,患者転帰の報告は3件未満であった。市販後には36機器で合計489件の有害事象が報告され,そのうち誤作動が458件,傷害が30件,死亡が1件含まれていた。
研究チームは,「FDA承認件数が増加している一方で,有効性・安全性・リスクに関する標準化された報告は依然として不足している」と述べている。また,多くのAI/ML医療機器が,厳格なPMAではなく,既存機器との「実質同等性」を前提とする510(k)で承認されている点は,リスク評価の妥当性という観点から議論を呼びそうだ。

【参照論文】
Benefit-Risk Reporting for FDA-Cleared Artificial Intelligence −Enabled Medical Devices


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