医用画像博覧会 2020 コニカミノルタジャパン - X線撮影装置 
X線動画撮影システムのさらなる進化で診断・治療に新たな可能性を開く

2020-4-21

コニカミノルタジャパン

X線装置


X線動画撮影システム

●適応領域が広がるX線動画解析ワークステーション「KINOSIS」

2018年11月にコニカミノルタが発表した動画解析技術は,大きな注目を浴びているソリューションだ。本ソリューションは,可搬型デジタルX線撮影装置「AeroDR fine」と島津製作所の一般X線撮影装置「RADspeed Pro」,そしてX線動画解析ワークステーション「KINOSIS」で構成されており,従来の単純X線撮影のように,一般X線撮影装置を用いて撮影ができる。一般X線撮影室にて共通のコンソール(CS-7H)から静止画と動画の撮影を制御することが可能であり,動画撮影時には,パルスX線を15fpsで10~20秒間照射し,150~300フレームのX線静止画像を取得した後,アニメーションのように再生する仕組みである。また,本システムは任意のポジションでの撮影を可能とするため,CTやMRIにおいては臥位の状態で撮影するのに対し,日常生活における自然な体勢に近い状態を観察できるという利点がある。

撮影された動画像がKINOSISサーバに転送されると,順次解析処理が自動的に実行されるが,解析アプリケーションによる動きの観察や定量化は,従来の診断・治療に新たな手法を提案する(図1)。まず応用が進んだのが呼吸器科の領域だ。呼吸器外科領域では,手術計画の策定や術後の経過観察で活用が始まっている。肺組織の癒着や浸潤の有無は術式を左右するが,CTでの観察は難しいと言われている。KINOSISの“FE-MODE”による“動き”の観察により,呼吸に伴う血管影の収縮などから術前に癒着や浸潤の有無を確認できれば,手技や器具の最適化,さらに医師の過重労働の低減などにつながる(図2)。また,横隔膜変位・肺野面積を自動で計測し,動き量を数値化,その経時変化グラフを観察することで,病態を客観的に評価することが可能となる(図3)。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断や治療効果測定に応用できる可能性があるため,従来よりも低侵襲かつ患者負担が少ない簡便な手技として期待されており,X線動画撮影システムの導入が進めば,メリットは非常に大きい。

図1 X線動画撮影システム

図1 X線動画撮影システム

 

図2 呼吸器外科向け KINOSIS画面

図2 呼吸器外科向け KINOSIS画面

図3 呼吸器内科向け KINOSIS画面

図3 呼吸器内科向け KINOSIS画面

 

また,呼吸器領域に続いて,活用が始まっているのが整形外科領域である。例えば,関節の可動過程の観察においては,人工関節手術後の曲げ伸ばし動作における中間的位置の観察や経年的な状態確認を容易に行うことができる。また,一般X線撮影室での撮影となるため,透視装置のような予約は不要で,簡便に検査できるメリットも大きい。

これらの“今すぐ使える”機能に加え,新たな領域での活用も検討されている。その一つが循環器領域だ。血流機能マッピングによる血流機能の評価は,慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)や肺塞栓症(PE)の診断において,肺血流シンチや造影CT前スクリーニングに用いることにより,低侵襲かつ患者負担が少ない簡便な手技として期待される(図4)。

図4 症例1:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH) (ご提供:九州大学病院 ※現在臨床研究下における症例画像)

図4 症例1:慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH) (ご提供:九州大学病院 ※現在臨床研究下における症例画像)

 

(文責・編集部)

 
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