富士通,クラウドを活用した在宅医療・介護の多職種間情報連携の実証実験を推進
~情報連携の基盤となる多職種連携システムが本格稼働~

2012-10-1

医療情報システム(電子カルテ)

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介護

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医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニックと富士通(株)は,東京都北部と宮城県石巻市の2地域でクラウドを活用した在宅医療・介護の情報連携に向けた実証実験を推進している。10月1日より本実証において,情報連携の基盤となるクラウドを活用した多職種連携システムが稼働する。
本事業では,在宅医療・介護に携わる多職種間で共有すべき情報項目を定めるとともに,当該情報項目を共有するためのクラウド技術等を活用した情報連携基盤を構築し,その機能及び効果を検証する。両社は本事業を通じて,被災地における復興に貢献していくと共に,超高齢化社会に向けた課題解決に向けて取り組んでいく。

●実証実験の概要

1. 実証期間
2012年8月~2013年3月末

2. 実証背景

  1. 高齢社会の進展に伴う疾病構造の変化,国民医療費増加等の課題,病態に適した居宅での医療・介護提供希望者の増加等から,在宅医療・介護への移行につながる地域医療体制の構築が求められている。しかし,在宅医療機関とチームケアを行う多職種(訪問薬剤師,訪問看護師,ケアマネジャー,ホームヘルパー等)間の情報連携は,職種毎に個別に管理されている現状であり,必ずしも円滑な情報連携が実施されていないのが実情である。
  2. 要因
    在宅医療・介護に携わる多職種間で患者情報を各々に収集し,共有できていない。
    共有すべき共通指標と共有するための仕組みが未整備である。
    医療と介護関係者間における「メンタルバリア」の存在がある。
  3. 本事業では,上記課題を踏まえた上で「在宅医療従事者と他職種間での適切な情報連携により,在宅医療の質・利便性の一層の向上を図り,在宅療養患者のQOL(Quality of Life)を向上する」ことを目的に,多職種間での情報連携の実証を行う。

 

3. 実証の内容

  1. 在宅医療従事者と多職種間での適切な情報連携により,在宅医療の質・利便性の向上を図り,在宅療養患者のQOLを向上するための実証を,祐ホームクリニックが在宅医療拠点を持つ,東京都北部と宮城県石巻市の2地域で行う。両地域とも日本が抱える高齢化の課題を抱えられており,東京北部では,公営住宅や集合住宅等で暮らす高齢者と家族を支える,終末期にも対応した高度な在宅医療が求められている。被災地宮城県石巻市では,医療・介護の資源が不足しており,より介護と連携した在宅医療が求められている。被災地には,日本の10年~15年後の高齢社会の現実問題があり,ここで得られる知見は将来の高齢社会の課題解決に繋がると考えている。
  2. 課題検討を行う場として,在宅医療・介護情報連携推進協議会を設立,評議員会及び4つのワーキンググループを設置,在宅医療診療所・訪問調剤薬局・訪問看護・居宅介護支援・訪問介護の現場の意見を反映する。
  3. 在宅医療・介護に携わる多職種間で共有すべき情報項目を定めるとともに,当該情報項目を共有するためのクラウド技術等を活用した情報連携基盤を構築し検証する。患者宅を訪問しながら医療や介護を行う本実証では,訪問先でもネットワークを通して情報にアクセスでき,かつセキュリティ対策にも優れたクラウド環境が効果を発揮すると考えている。

 

4. システム概要
共有する情報項目を定めるとともに,そのための情報連携基盤を構築し,多職種間で情報共有を行う。在宅医療・介護従事者は,モバイル端末を通して情報の入力や参照を行う。

5. 評議員会構成員
本実証で検証した内容については,以下構成メンバーの評議員会で評議され,今後の普及についても検討する。
(50音順・敬称略)
独立行政法人国立長寿医療研究センター:理事長・総長 大島 伸一
鈴木内科医院:副院長 鈴木 央
慶應義塾大学大学院経営管理研究科:教授 田中 滋
東京大学高齢社会総合研究機構:教授 辻 哲夫
医療法人社団鉄祐会 祐ホームクリニック:理事長 武藤 真祐

 

●問い合わせ先
富士通コンタクトライン
0120-933-200
受付時間: 9時~17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)
http://jp.fujitsu.com/

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