ITEM2013 コニカミノルタヘルスケア ブースレポート
ラインナップを拡充した「AeroDR」とクラウドサービスなどのソリューションが注目を集める


2013-4-18


コニカミノルタヘルスケアブース

コニカミノルタヘルスケアブース

コニカミノルタヘルスケアは,今回のITEMで,ワイヤレスカセッテ型DR「AeroDR」シリーズによるX線撮影,PACSや地域医療連携,クラウドなどのIT製品・サービスの2つのソリューションを中心に,展示を構成。さらに超音波診断装置や造影剤,放射線治療装置などの同社が手がける幅広いカテゴリの製品をPRした。
ワイヤレスカセッテ型DR「AeroDR」シリーズを中心とした展示コーナーでは,手術室や救急,NICU,災害医療,在宅医療などのシーンごとに「AeroDR」を用いたX線撮影システムの提案を行った。ITEM直前の2013年4月5日に四つ切りサイズの「AeroDR1012HQ」を発表したことで,「AeroDR」シリーズのラインナップがそろい,院内だけでなく,院外も含め,あらゆるシチュエーションで「AeroDR」による撮影が可能になった。ブース内ではフレキシブルに活用できる「AeroDR」が来場者の関心を集めた。
一方,IT製品・サービスによるソリューションの展示コーナーも,多くの来場者の関心を引き寄せた。まず,診療所向けの製品としては,「AeroDR」に対応した「REGIUS Unitea」やSaaS型電子カルテを搭載した「Unitea α」のデモンストレーションを行った。また,病院向けの製品・サービスとしては,「NEOVISTA I-PACS SX」をはじめとしたPACSやRIS,画像診断ワークステーションを紹介。加えて,医療ITサービス「infomity」の機能として,「連携BOXサービス」のほか,新たに開始されたクラウドで外部保存を行う「データバンクアーカイビング」をPRした。(4月13日取材)

●ラインナップを拡充した「AeroDR」のフレキシブルな活用を提案

X線撮影の主役がCRからDRへと移行する中,各社ともにワイヤレス製品の開発を進めているが,コニカミノルタヘルスケアでは,これまで世界最軽量の14インチ×17インチ「AeroDR1417」,17インチ×17インチサイズ,重量3.6kgの「AeroDR1717」,さらに「AeroDR長尺システム」をラインナップしてきた。
そこに今回,新製品として10インチ×12インチの「AeroDR1012HQ」を追加。これにより整形外科領域分野での撮影すべてを「AeroDR」シリーズで行えるようになり,ワイヤレスカセッテ型DRのラインナップが完成したと言える。「AeroDR1012HQ」は7月発売を予定。コンパクトかつ軽量のため,乳幼児や小児の撮影に適しているほか,整形外科で患者自らがパネルを持って検査を受けるといった使い方ができる。世界最軽量の1.7kgの重量ながら外装パネルにカーボンファイバーを採用し,継ぎ目のない筒状モノコック構造により,衝撃に強く,高い堅牢性を持つ。また,次世代のバッテリと言われるリチウムイオンキャパシタを採用。安全性が高い上に,繰り返しの充電による劣化が少ないため,交換が不要となる。画質面でも高いDQEとダイナミックレンジの拡大により高画質を実現しており,CRの約半分のX線量で撮影できる。「AeroDR1012HQ」の開発に合わせて,充電用のクレードルもコンパクト化された。
ブース内では,院内・院外での「AeroDR」の利用シーンごとに展示を行い,手術室での大画面表示やNICUでの保育器にパネルをセットして行う撮影に加え,災害医療や在宅医療,健診での撮影システムを紹介した。

新型クレードルにセットされた「AeroDR1012HQ」

新型クレードルにセットされた「AeroDR1012HQ」

保育器にセットされた「AeroDR1012HQ」

保育器にセットされた「AeroDR1012HQ」

   
手術室での「AeroDR」のデモンストレーション

手術室での「AeroDR」の
デモンストレーション

災害医療や在宅医療,健診での「AeroDR」による撮影システムを提案

災害医療や在宅医療,健診での「AeroDR」による
撮影システムを提案

 

●診療所向け画像ファイリングシステム「Unitea α」と電子カルテと一体化した「Unitea α CIS」

ITソリューションについては,診療所と病院に分けてPRが行われた。診療所向けのソリューションとしては,画像ファイリングシステム「REGIUS Unitea」が「Unitea α」となったことで従来のCRに加えて「AeroDR」にも対応したことを紹介した。
さらに,iPadから撮影などの操作が行えるようになり,診療所内で柔軟な運用ができるようになっている。
また,オプションとして,胸部経時差分処理機能を搭載することも可能である。
もう1つの診療所向け製品である「Unitea α CIS」は,SaaS型電子カルテシステムと組み合わせて1台のPCで利用できるオールインワンパッケージ製品。カルテと画像を一元的に管理できる。日本医師会の推奨する標準レセプトソフト「ORCA」との連携に対応している。もちろん「AeroDR」のコンソールとしても利用することができる。
一方,病院向けのPACSでは,「NEOVISTA I-PACS」シリーズのうち,放射線治療対応の「NEOVISTA I-PACS RT」のデモンストレーションが行われた。DICOM RTをサポートしており,治療計画データはキャプチャ画像ではなく独立したデータとして表示・管理が可能。DICOM画像データとともに一元管理できる。また,連携先施設からのアクセスも可能である。

「AeroDR」対応やiPadでの操作など柔軟な運用ができる「REGIUS Unitea」

「AeroDR」対応やiPadでの操作など
柔軟な運用ができる「REGIUS Unitea」

診療録と検査画像を一元的に管理できる「Unitea α」

診療録と検査画像を一元的に
管理できる「Unitea α」

 

放射線治療に対応した「NEOVISTA I-PACS RT」の説明パネル

放射線治療に対応した「NEOVISTA I-PACS RT」の説明パネル

 

●サービス内容を広げる医療ITサービス「Infomity」

医療ITサービス「Infomity」もサービス内容を広げている。従来の「連携BOXサービス」に加えて,クラウド環境での医用画像の外部保存を行う「データバンクアーカイビング」もPRした。このサービスでは,直近の画像を医療機関内に保存し,長期保存のための過去画像を外部のデータセンター「IDC」に保存する。ネットワークに障害が発生した場合でも,「Data Bank Viewer」からデータセンターの画像を参照することが可能である。さらに,プリフェッチ機能により,ストレスを感じさせない画像配信を実現している。
このようなクラウドの仕組みを用いて,スマートフォンやタブレットで利用できる「Mobile Viewer」も提供している。1つは,「連携BOXモバイルサービス」による特定のユーザーに必要な画像だけを公開するという,サーバ不要の画像配信・公開ビューワである。また,「Data Bank Viewer」でも院内のPACSやデータバンクアーカイビングの外部保存の画像をタブレットで表示可能である。これはDICOM Q/Rが不要で,全検査リストやレポートも表示できる。

外部保存サービス「データバンクアーカイビング」の説明パネル

外部保存サービス「データバンクアーカイビング」の説明パネル

 

タブレットやスマートフォンで画像を表示する「Mobile Viewer」

タブレットやスマートフォンで画像を表示する「Mobile Viewer」

 

●超音波診断装置や放射線治療装置,造影剤などの幅広い製品を紹介

このほか,ブース内ではRSNA 2012でも参考出品された超小型の超音波診断装置「SONIMAGE P3」(日本国内薬事未承認),三菱重工業の動体追尾照射機能を持つ放射線治療装置「Vero4DRT」のスケールモデルが展示されたほか,診断薬事業や現在薬事取得をめざしている「breast cancer radiation therapy」の紹介も行った。

参考出品された超小型の超音波診断装置「SONIMAGE P3」(日本国内薬事未承認)

参考出品された超小型の超音波診断装置
「SONIMAGE P3」(日本国内薬事未承認)

三菱重工業の「Vero4DRT」

三菱重工業の「Vero4DRT」

   
乳がんの小線源治療を行う「breast cancer radiation therapy」(日本国内薬事未承認)

乳がんの小線源治療を行う
「breast cancer radiation therapy」
(日本国内薬事未承認)

 

 

お問い合わせ先:
コニカミノルタヘルスケア株式会社
〒191-0063 東京都日野市さくら町1
TEL 042-589-1439 FAX 042-589-1720
http://www.konicaminolta.jp/


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