ITEM2021 インフォコム ブースレポート 
バージョンアップした「iRad-QA」や被ばく線量管理機能を搭載した「iRad RS」など,放射線診療の変化に対応する「iRad」シリーズを紹介


2021-5-6


インフォコムブース

インフォコムブース

インフォコムは,放射線部門システムとして,「iRad」シリーズの豊富なラインアップを用意している。今回は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のまん延や2020年4月から始まった被ばく線量管理・記録の義務化など,放射線診療を取り巻く環境の変化に対応し,ユーザーが求める機能を搭載したiRadシリーズの各システムを紹介した。
ブースでは,最新バージョンへと進化した検像システム「iRad-QA」のデモンストレーションを行ったほか,COVID-19の感染防止対策として音声入力に対応したRIS「iRad-RS」を参考出品した。さらに,画像診断報告書の見落としを防ぐ既読管理機能を搭載したレポートシステム「iRad-RW」も来場者にPRした。このほか,ブース内では,放射線治療用RIS「iRad-RT」と放射線治療ビューワ「RT Image Viewer」,整形外科向けのDICOM画像サーバ「iRad-OT」も展示を行った。
専用の被ばく線量管理システム不要でRISだけでn被ばく線量管理・記録を可能にしたiRad-RSをはじめ,同社は,高い技術力で放射線部門が抱える課題を解決してきた。これからも同社では,ユーザー目線で放射線部門の業務の最適化を図るシステムを提供していく。

●バージョン2へと進化し,過去画像の自動表示など機能強化を果たした検像システムiRad-QA

2020年にバージョン2へと進化した検像システムiRad-QAは,直感的な操作性,業務効率の向上,RISとの連携強化の3つを柱として,大幅に機能を強化した。インフォコムでは,2001年にフィルムレス運用で重要となる画像確認・修正業務を支援する検像システム「iRad-EV」を発表。その後,2008年にタグや画像修正の機能を強化し,iRad-QAへとリニューアルした。さらに,2011年には,施設内各所での検像作業を可能にする「QA Anywhere」をiRad-QAのオプションとして提供を開始した。ITEM初披露となる最新バージョンは,これまでの実績を基に新機能の追加によって,モダリティの高性能化に伴い画像データ量の増大が進み,業務負担の増している検像業務を支援する。
新機能は,画像確認・修正の作業において,同一端末のPACSビューワに過去画像を自動的に表示できるようになった。これにより,従来はPACSビューワとiRad-QAの端末を別々に用意しなければならなかったが,1台の端末で確認を行えるようになった。また,CTやMR画像では,スライスラインでの同期スタック表示もできるようにした。スタンプ保存も同一シリーズの全画像に対して行える。さらに,画像の並び替えについても操作性の向上を図り,専用のウインドウで行えるようにした。
RISとの連携強化については,iRad-RSの情報を用いて設定時間内に画像の送信がなければアラートを出して未転送を防止する。さらに,オーダ情報との不一致がある場合はそれを検出するようにした。また,iRad-QAの検査リスト上にiRad-RSのオーダ情報を表示させることができ,確実な検像業務を支援する。このほか,QA Anywhereは,放射線部門各所の全検像端末から検査を一覧表示できるようにした。

機能強化によって確実・効率的な検像業務を支援する「iRad-QA」

機能強化によって確実・効率的な検像業務を支援する「iRad-QA」

 

●COVID-19の感染防止対策として,音声入力に対応したタッチレスのiRad-RSを参考出品

RISのiRad-RSでは,COVID-19の感染防止対策として,音声入力によるタッチレス操作可能なシステムを参考出品した。音声入力には,アドバンスト・メディア社の「AmiVoice」を使用し,ログインから検査完了までの一連の操作をすべて音声のみで行えるようにした。検査ワークリストの起動や患者選択,タブの切り替えなども対応している。これによりキーボードやマウスでの操作をなくし,接触する機会を大幅に減らして,感染のリスクを低減できる。
iRad-RSは,被ばく線量管理・記録機能も有している。そのため,被ばく線量管理システムや専用サーバを導入せずに,2020年4月に義務化された被ばく線量管理・記録にも対応できる。モダリティやPACS内の画像データからDICOM RDSRを取得し,iRad-RSの患者情報・検査情報とひも付けしてiRad-RS上で管理を行える。核医学検査の薬剤の線量も減衰補正を反映させて記録が可能だ。被ばく線量記録はファイル出力や印刷もでき,Excelなどで分析して医療被ばくの最適化を図れる。

音声入力によるタッチレス操作を可能にした「iRad-RS」を参考出品(写真右は音声入力用マイク)

音声入力によるタッチレス操作を可能にした「iRad-RS」を参考出品(写真右は音声入力用マイク)

 

「iRad-RS」は被ばく線量管理・記録に対応

「iRad-RS」は被ばく線量管理・記録に対応

 

●レポートシステムiRad-RWは画像診断報告書の見落としを防ぐ既読管理機能を搭載

レポートシステムiRad-RWは,近年問題になっている画像診断報告書の見落とし防止に有用なレポートの既読管理機能を搭載している。読影医はレポート作成時に重要フラグを立てることで,依頼医に対して注意喚起を行える。また,院内に配信されるレポートを依頼医が確認した上で,画面にある既読ボタンを押すことにより,確認した時間と医師名が記録される。既読管理者は,iRad-RWから状況を確認することが可能だ。さらに,読影医は,依頼医が既読ボタンを押したことを確認した上で,その情報をシステムに登録することで,見落としのリスクを大幅に低減できる。
このほか,iRad-RWは,読影医のレポート作成をサポートする機能が数多く採用されている。テキストやシェーマのテンプレートを豊富に用意。加えて,パターン文書,過去レポートの流用,更新履歴の比較・差分表示,申し送り・差し戻しコメントなどでレポート作成の効率化を図れる。これら以外に,画像診断管理加算の算定のために検査数と読影数を算出して統計処理を行い,施設基準を満たしているかを確認できる機能をオプションで提供する。

既読管理機能により画像診断報告書の見落としを防ぐ「iRad-RW」

既読管理機能により画像診断報告書の見落としを防ぐ「iRad-RW」

 

●大型インルームモニタにより放射線治療のチーム医療を促進するiRad-RT

放射線治療用RISのiRad-RTは,医師や診療放射線技師,医学物理士,看護師といった多職種が関与する放射線治療のチーム医療を円滑に行うための機能が充実している。職種ごとに管理情報画面や治療ダイアリーなど使用する画面が異なっていても,記録された情報は一元的に管理され,職種間で情報共有を図れる。さらに,インルームの大型モニタに治療のスケジュール,進捗状況を表示して,情報共有をしやすくした“マルチインフォメーションボード”機能も提供している。
また,放射線治療ビューワのRT Image Viewerは,DICOM-RT画像を保管し,外照射や小線源治療などの画像を管理する。連携先医療機関へ患者を紹介する際には,パブリッシャー機能により,簡易ビューワを収録したCD/DVDを作成でき,地域医療連携にも有用である。
このほか,整形外科向けのDICOM画像サーバのiRad-OTは,各種計測機能を用意しているほか,主要メーカーのテンプレートのデータを用いたインプラントシミュレーション機能で整形外科の治療を支援する。

放射線治療の情報共有に有用な「iRad-RT」の“マルチインフォメーションボード”

放射線治療の情報共有に有用な「iRad-RT」の“マルチインフォメーションボード”

 

「RT Image Viewe」はCD・DVDのパブリッシャー機能を用意

「RT Image Viewer」はCD・DVDのパブリッシャー機能を用意

 

主要メーカーのインプラントをシミュレーションできる「iRad-OT」

主要メーカーのインプラントをシミュレーションできる「iRad-OT」

 

●お問い合わせ先
社名:インフォコム株式会社
住所:東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル
TEL: 03-6866-3790
URL:https://service.infocom.co.jp/healthcare/irad/index.html


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