ITEM2022 インフォコム ブースレポート 
ワークフロー向上,医療安全に貢献する検像システム,RISなどの放射線部門システムの最新機能を紹介


2022-5-6


インフォコムブース

インフォコムブース

「iRad」シリーズを展開し,放射線部門のワークフローの効率化,医療安全に寄与してきたインフォコム。今回も検査から診断,放射線治療に至るまでの業務を支援するソリューションを紹介し,来場者の関心を引き寄せた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染防止対策や,2020年度から始まった医療被ばくの線量管理・記録の義務化への対応など,放射線診療の現場が抱える課題に対して,長年積み上げてきた実績をベースに開発した新機能で答えを示した。ブース内では,前回のITEMで最新バージョンを発表した検像システム「iRad-QA」とRIS「iRad-RS」の連携による確実な検像業務支援のデモンストレーションを行った。また,iRad-RSは,インルームモニタやタブレットを用いた患者取り違え防止機能も紹介。さらに,参考展示として,iRad-RSの入力作業を音声入力にすることで,キーボードやマウスに触れる機会を減らし感染防止対策につなげる技術をアピールした。このほか,放射線治療用RISの「iRad-RT」は,多職種間での情報共有をスムーズに進めるための大型インルームモニタを用いた“マルチインフォメーションボード”機能を紹介していた。

●RISとの連携で確実な検像業務を支援する検像システムiRad-QA

検像システムiRad-QAは,2021年に大幅に機能を強化して新バージョンへと進化した。画像診断装置の高性能化,多機能化により,放射線部門で発生するデータ量は増加の一途をたどっており,画像の精度管理をするための検像システムの重要性は高まっている。このような状況を踏まえて開発されたiRad-QAの最新バージョンは,直感的な操作性,業務効率の向上,RISとの連携強化の3つを主眼に置いて開発されている。
RISとの連携強化によって追加されたのが,撮影画像の未転送防止機能である。iRad-RSの検査実施情報と突合し,設定した時間内にPACSに画像が送信されていないと,アラートを発して画像の転送漏れを防止。さらに,オーダ情報との不一致を防ぐことも可能だ。また,iRad-RSからオーダ情報を取得してiRad-QAの検査リストに表示できるようになった。このほかに強化された機能の一つが過去画像との比較表示である。検像時にワンクリックで過去画像のリストを表示させ,過去画像を参照することができる。これにより,過去検査の撮影条件などを確認できるようになり検像を確実に行える。
iRad-QAのオプションで提供される“QA Anywhere”もバージョンアップで新機能が追加された。QA Anywhereは,専用ソフトウエアをインストールすることで電子カルテやRISの端末からiRad-QAの検像操作を行えるようになるが,バージョンアップによりすべての検像端末の検査情報を一覧表示できるようになった。加えて,検像端末の切り替えもタブで行えるようにした。

「iRad-QA」は「iRad-RS」との連携で撮影画像の未転送防止など確実な検像業務を支援

「iRad-QA」は「iRad-RS」との連携で撮影画像の未転送防止など確実な検像業務を支援

 

「Rad-QA」の検査リストには「iRad-RS」から取得したオーダ情報を表示

「Rad-QA」の検査リストには「iRad-RS」から取得したオーダ情報を表示

 

●被ばく線量記録,患者取り違え防止など放射線部門の業務をサポートする機能が充実したiRad-RS

iRad-RSは,多様化,高度化する放射線部門の業務を効率的,かつ確実に行うための機能を追加して,進化を続けている。そうした機能の一つとして紹介したのが,医療放射線の被ばく線量記録である。2020年4月から被ばく線量の管理・記録が義務化され,医療機関の業務負担の増加につながっている。被ばく線量管理・記録のための被ばく線量管理システムがあるものの,医療機関にとっては,新たなコスト負担が生じることとなる。iRad-RSは被ばく線量記録機能を有しており,被ばく線量管理ステムを導入することなく記録できる。モダリティやPACSからDICOM RDSRを受信し,被ばく線量情報を蓄積。核医学検査の被ばく線量管理も可能で,RI薬剤の減衰補正を反映した実投与量と日時を記録する。RISのオーダ情報と組み合わせて患者や検査項目ごとに線量情報を一覧表示できるほか,平均値出力やJapan DRLs 2020などとの比較を行え,施設における被ばく線量の最適化を図れる。
さらに,検査を確実に行い,医療安全に寄与する機能として,患者取り違え防止機能を紹介した。インルームモニタやタブレットに“患者認証専用画面”を表示させて,検査時に患者情報を確認する。正しく患者認証できた場合は画面の背景色が緑色,誤っている場合はピンク色となり,一目で直感的にわかるようにした。これにより,取り違えを防ぎ,安全に検査を施行できる。
このほか,キーボードやマウスを使用せずにiRad-RSをタッチレス操作できるシステムを参考展示した。アドバンスト・メディア社の「AmiVoice」を用いて,ログインから検査完了まで音声入力で操作できる。検査ワークリストの起動,患者の選択,タブの切り替えといった操作も音声で可能だ。COVID-19の流行により放射線部門でも感染防止対策が重要になっているが,キーボードやマウスに触れる機会を減らすことで感染リスクを抑制する。

医療被ばくの線量記録機能を有する「iRad-RS」

医療被ばくの線量記録機能を有する「iRad-RS」

 

患者認証専用画面による取り違え防止で医療安全につなげる「iRad-RS」

患者認証専用画面による取り違え防止で医療安全につなげる「iRad-RS」

 

●多職種での情報共有を円滑にして,質の高い放射線治療に寄与するiRad-RT

放射線治療用RISのiRad-RTに関しては,大型のインルームモニタを使用して治療のスケジュールや実施状況を表示するマルチインフォメーションボード機能を紹介した。スタッフ間の情報共有を容易にして,医師や診療放射線技師,医学物理士,看護師,事務員など多職種がかかわる放射線治療を高品質かつ安全に行えるようにする。チーム医療を支援するだけでなく,業務の省力化にもつながる。
また,ワークリストから治療情報管理,セットアップ登録,治療ダイアリー,照射実施登録など,職種ごとに異なる画面を表示させることができる。記載した内容は一元的に管理されるので,スタッフ間で共有可能である。さらに,照射時の位置ズレ管理,患者の顔写真画像登録,固定具や体位の認証機能により確実な治療を行え,医療安全にも寄与する。

チーム医療を支援する機能が充実している「iRad-RT」

チーム医療を支援する機能が充実している「iRad-RT」

 

“マルチインフォメーションボード”は多職種間の情報共有を促進し,高品質かつ安全な放射線治療が可能に

“マルチインフォメーションボード”は多職種間の情報共有を促進し,高品質かつ安全な放射線治療が可能に

 

●お問い合わせ先
社名:インフォコム株式会社
住所:東京都港区赤坂9-7-2 東京ミッドタウン・イースト10階
TEL:03-6866-3790(受付)
URL:https://service.infocom.co.jp/healthcare/irad/index.html


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