ITEM2024 GEヘルスケア・ジャパン ブースレポート 
ヘルスケアの無限の可能性を追求し,医療の変革をサポートする多くの新製品・技術を初披露


2024-5-7

GEヘルスケア・ジャパン


GEヘルスケア・ジャパンブース

GEヘルスケア・ジャパンブース

分社化から1年半が経過したGEヘルスケア・ジャパンは,ITEM2024では「Creating a world where healthcare has no limits:ヘルスケアの無限の可能性を追求しより良い社会を実現する」をテーマに展示を行った。同社は常に新たな可能性,無限の可能性を追求し,顧客のニーズに沿った製品の開発に努めており,今回も多くの新製品をリリース。ITEM初日の12日(金)にはオープニングイベント(除幕式)を行い,MRI,MI,CT領域の3つの新製品を披露した。このうち,MRIの新製品である1.5T装置「SIGNA Champion」は,最新のディープラーニング画像再構成技術「AIR Recon DL」を搭載し,患者・医療従事者双方の快適性を追求している。また,新型CT「Revolution Ascend Elite」は,画像再構成アルゴリズム「True Enhance DL」により,dual energy撮影をすることなく従来のsingle energy撮影により取得された120kVデータからモノクロマチック50keV相当の画像が得られる画期的な新製品である。
除幕式では,同社の代表取締役社長兼CEOである若林正基氏が挨拶を行った。若林氏は,これらの新製品について,ITEM2024のテーマ「変革の時代を先導する Leading an Era of Transformation」でも掲げられている「変革」をサポートし,パートナーとして伴走することに焦点を当てたものと紹介した。

除幕式で挨拶を行う同社代表取締役社長兼CEOの若林正基氏

除幕式で挨拶を行う同社代表取締役社長兼CEOの
若林正基氏

 

●MRI:新型1.5T装置SIGNA Championで「MR検査体験の変革」を体現
●MI:拡張性が高い半導体PET/CT装置「Omni Legend 21」を発表
●CT:画像再構成アルゴリズムTrue Enhance DL搭載のプレミアムCT装置Revolution Ascend Eliteを初披露
●血管撮影装置:モノポーラX線管球を初搭載した「Allia IGS 5 Pulse」を紹介
●超音波:乳癌超音波検診を変革する自動乳房超音波診断装置「Invenia ABUS 2.0」を展示
●Women's Health:「個別化」と「やさしさ」を実現するデジタルマンモグラフィを展開
●デジタルソリューション:導入例が増加している「コマンドセンター」の事例を紹介

 

●MRI:新型1.5T装置SIGNA Championで「MR検査体験の変革」を体現

GEヘルスケアのMRI装置の歴史は,1983年のRSNAで1.5T装置「Signa」を発表したことから始まり,今回のITEMは40周年の節目の展示となる。その間に,高速撮像を可能にする「フェイズドアレイコイル」や静音化技術「SILENT SCAN」,ディープラーニング画像再構成技術「AIR Recon DL」など,多彩な機能・技術を開発してきた。今回,新たに発表された新型1.5T MRI装置SIGNA Championはその歴史の上に立つもので,「MRIにかかわるすべての人の検査体験を変革する」ことをめざして開発された。
SIGNA Championは,RSNA2023では薬機法未承認として展示されたが,ITEM直前の4月11日に国内で発売された。同社の1.5Tワイドボア装置の中で最小のレイアウト設計が可能な装置で,寝台を49cmまで下降可能で被検者の昇降の負担を軽減するほか,上下方向50cm以上のクリアランスと柔軟で多目的な「AIRコイル」により,被検者の快適性や検査の効率を向上する。さらに,最新のディープラーニング画像再構成技術AIR Recon DLも標準搭載されている。AIR Recon DLは,k空間に対して直接ディープラーニングアルゴリズムを適応することでノイズ低減,尖鋭度向上,トランケーションアーチファクトの低減を実現する。また,ディープラーニングアルゴリズムを用いたAIRxによる自動スライス設定により,解剖学的構造を自動的に検出,スライス設定を行い,再撮像の削減や再現性の高い検査の提供に寄与することで,医療従事者の快適性に貢献する。そのほかに,骨イメージングを可能とする「oZTEo」も搭載されており,被ばくすることなく骨画像が撮像でき,その点でも被検者にやさしい検査と言える。
今回は,もう1台の1.5T装置も発表された。スタンダードボア1.5T装置「SIGNA Victor」は,同社のボア径60cm装置で初めてAIRコイルが搭載された。AIRコイルは非常に薄型のため,ボア径にかかわらず全身領域で患者の体型や体位に合わせたコイルセッティングが可能な点が特長であり,特に産科などでも有用である。また,SIGNA Championと同様に, AIR Recon DLを標準搭載するほか,最大傾斜磁場強度35mT/m,スリューレートが140T/m/sの高出力グラディエントコイルシステム,新開発のインテリジェントマグネットテクノロジーを採用した。このマグネットは,コンパクトなレイアウト設計と効率的なインストール工程を実現した上,消費電力をさらに10%以上,稼働ヘリウム量を70%削減することで初期投資やランニングコストを抑制し,経営面でのメリットを向上させるほか,SDGsにも配慮されている。さらに,同時にリリースされた「SIGNA Victor Liftプログラム」は,既存のGEヘルスケア社製1.5T装置をSIGNA Victorにアップグレードすることが可能で,システム全体のリプレイスより短期間で,AIRテクノロジーが搭載可能な最新のMRI環境へ移行できる。

新型1.5T MRI装置「SIGNA Champion」

新型1.5T MRI装置「SIGNA Champion」

 

SIGNA Champion に搭載されたAIRコイル

SIGNA Champion に搭載されたAIRコイル

 

●MI:拡張性が高い半導体PET/CT装置「Omni Legend 21」を発表

MI領域では,半導体PET/CT装置「Omni Legend」の新ラインアップとして開発された「Omni Legend 21」がアンベールされた。ITEM2023でローンチされたOmni Legendは,半導体SiPMで構成されたdigital BGO(dBGO)検出器を採用,シンチレータのカッティングデザインを変更した。これにより,従来の2倍以上のシステム感度と空間分解能を両立し,撮像時間の短縮化と被ばく低減,高画質画像の提供を可能にする。さらに,AI技術を用いた画像再構成技術「Precision DL」やオートポジショニングを実現するディープラーニング3Dカメラを搭載し,診断の確信度の向上やワークフローの簡素化に寄与する。販売後,すでに120超のシステムが設置され,GEヘルスケア社製PET/CT装置の中で最も普及している装置となっている。
今回,発表されたOmni Legend 21は,従来の体軸方向視野16cmの「Omni Legend 16」,32cmの「Omni Legend 32」のラインアップに加える形で新たに体軸方向視野を21cmとして設計されたもので,従来2製品の中間に位置付けられる。PET検査は,FGDを用いた悪性腫瘍検出のための全身検索を主な目的として行われているが,2023年にアミロイドPET検査が保険適用され,今後は脳神経領域や心臓領域,セラノスティクスへの活用が見込まれる。そのため,PET/CT装置は新たな薬剤やニーズに対応しうる拡張性が重要となる。今回のOmni Legend 21の発売は装置の選択肢を広げるものだが,さらにOmni Legendファミリーは,検出器の増加により,ガントリはそのままに性能をアップグレード可能なアップグレードアビリティを持つという強みがある。これにより,装置をリプレイスすることなく体軸方向視野を16cmから21cm,32cmへと拡大できる。最小限の投資で検査数の増加が可能となり,施設の経営面でも非常にメリットの高いシステムと言える。また,Omni Legend 21にはGEヘルスケア独自の画像再構成技術「Q.Clear」やデバイスレス呼吸同期システム「Advanced MotionFree」が新たに組み込まれ,従来より高感度かつ短時間での撮像を実現する。
MI領域では,2022年2月に国内で稼働開始した半導体SPECT/CT装置「StarGuide」に新たな機能が追加されたことも発表された。StarGuideは,従来の2検出器型から12の半導体検出器をリング状に配置するデザインに一新され,各検出器が独立して稼働し,目的の部位にフォーカスすることで検査の高画質化と短時間化を実現する。今回,新たに臓器の代謝情報をリアルタイムで収集・解析する機能やディープラーニングを用いた骨SPECTのノイズ低減技術「Clarify DL」が搭載されたことがアナウンスされた。

半導体PET/CT装置「Omni Legend 21」

半導体PET/CT装置「Omni Legend 21」

 

Omni Legendファミリーのラインアップ

Omni Legendファミリーのラインアップ

 

新たな機能が搭載された半導体SPECT/CT装置「StarGuide」

新たな機能が搭載された半導体SPECT/CT装置「StarGuide」

 

●CT:画像再構成アルゴリズムTrue Enhance DL搭載のプレミアムCT装置Revolution Ascend Eliteを初披露

CT領域では,最先端の画像再構成アルゴリズムTrue Enhance DLをはじめとする3つのAIを搭載する64列128スライスのハイエンド装置Revolution Ascend Eliteが初披露された。Revolution Ascend Eliteは,2年前にリリースされたRevolution Ascendのガントリカバーやテーブスサイズを更新,最新の3Dカメラと画像再構成技術の2つのAIに加え,新たに開発されたTrue Enhance DLが初めて搭載された。
True Enhance DLは,「Revolution CT/Revolution Apex」シリーズにも搭載されているGemstone Spectral Imaging(GSI)技術を基に開発され,AI画像再構成技術により従来のsingle energy撮影による120kV画像データから仮想モノクロマチックイメージ相当(50keV相当)の画像を生成する。これにより,dual energy撮影装置がなくても,撮影プロトコルを変更することなくコントラスト向上や造影剤使用量の低減が可能となる。本技術は,同社CT技術部が2020年に国内の医療機関・研究機関と共同研究を開始。大規模なGSI臨床画像データの中からモノクロマチック70keVと50keVの画像データを教師画像として学習し,技術を確立したが,その過程で日本の臨床医からのフィードバックを取り入れつつ開発された。また,Revolution Ascend Eliteも日本の日野工場を中心に日本主導で開発が行われたことも併せてアピールされた。Revolution Ascend Eliteは,dual energy撮影装置の導入のハードルが高い市中病院などの施設や,生産性と収益,読影効率などの観点から装置更新を検討する施設への導入を図っており,すでに海外の数施設で臨床使用が開始されている。

最先端の画像再構成アルゴリズム「True Enhance DL」を搭載したCT装置「Revolution Ascend Elite」

最先端の画像再構成アルゴリズム「True Enhance DL」を搭載したCT装置「Revolution Ascend Elite」

 

Revolution Ascend Elite搭載のAI 3Dカメラ

Revolution Ascend Elite搭載のAI 3Dカメラ

 

True Enhance DLで生成したイメージ

True Enhance DLで生成したイメージ

 

●血管撮影装置:モノポーラX線管球を初搭載した「Allia IGS 5 Pulse」を紹介

血管撮影装置では,新製品の「Allia IGS 5 Pulse」が紹介された。Allia IGS 5 Pulseは,循環器領域,特に冠動脈の画質向上や線量低減が特長で,従来のシリーズの上位互換機種として位置付けられる。血管撮影装置に初めてモノポーラX線管球が搭載され,12.3MHUeffという従来の約2倍の陽極蓄熱容量と1100kHU/minという高冷却効率を実現した。これにより,体厚が大きい患者にも治療に有用な画像を提供できる。また,0.5/0.8mm焦点に加え0.3mm焦点が可能になり,小児の検査でも鮮明な画像が撮影でき,あらゆる患者への安心,安全で高画質,低被ばくな検査を提供する。実際に,海外では臨床応用が進められており,フランスのパスツールクリニックでは冠動脈疾患のリスクが高い高体重患者の画質も著しく向上しているとの評価が得られている。また,新管球の採用により管球ユニットが約40%小型化し,より深いアームのアンギュレーションが可能になり,ポジショニング性が向上する。
さらに,AI技術を活用して開発されたリアルタイムの画質・線量最適化機構「AutoRight」が「AutoRight PLUS」として進化した。AutoRight PLUSは,管電圧や管電流,パルス幅などに加え,焦点形状(focal spot shape)が新たなパラメータとして加わり,患者の解剖学的情報に合わせてリアルタイムに最適化を行い,求める画質を最小限の線量で提供することが可能になる。この進化により,1回の透視や撮影のみならず,検査全体での線量を最適化することで,最大50%以上の被ばく低減を実現する。
また,3Dステント撮影や3D計測機能を可能にする「3DStent」機能や,2方向のアンギオ画像からFFRをシミュレーションする定量的血流量比解析アプリケーション「Medis QFR」(Medis社)との連携(Medis QFR Integration)などのソリューションも紹介した。Medis QFR Integrationは両者の独自開発によるもので,アーム角度情報とリアルタイムに連携し,ワークフロー向上が可能である。なお,Medis QFRは日本では2024年1月1日に保険償還された。
このほかに,外科用CアームX線撮影装置の多彩なラインアップの中から「OEC 3D」を展示し,3Dモードのデモンストレーションを行った。「OECシリーズ」は,管球は固定陽極または回転陽極管球,検出器は21cmまたは31cmフラットパネルディテクタを中心にさまざまな組み合わせで,汎用機種から四肢専用機まで幅広く展開する。OEC 3Dは,通常の2D撮影に加えて19cm×19cm×19cmの広範囲視野で術中3D撮影が可能で,高精細な画像を低線量で提供する。Cアームにはカーボンファイバーフレームを採用し,強度向上と軽量化を実現した。3D撮影中の線量変調や金属アーチファクトの低減が可能で,32インチ4K解像度のモニタで鮮明な3D画像が観察できる。各社ナビゲーションシステムとの接続が可能で,ブースではブレインラボ社のナビゲーションシステムと接続し,高画質,広範囲撮影の利点をアピールするデモンストレーションが行われた。

血管撮影装置の新ラインアップ「Allia IGS 5 Pulse」

血管撮影装置の新ラインアップ「Allia IGS 5 Pulse」

 

超低線量モードで撮影した画像でも,ステントやカテーテルなども明瞭に描出される。

超低線量モードで撮影した画像でも,ステントやカテーテルなども明瞭に描出される。

 

「OEC」シリーズのラインアップ

「OEC」シリーズのラインアップ

 

外科用CアームX線撮影装置「OEC 3D」

外科用CアームX線撮影装置「OEC 3D」

 

●超音波:乳癌超音波検診を変革する自動乳房超音波診断装置「Invenia ABUS 2.0」を展示

超音波領域では,LOGIQシリーズのフラッグシップモデル「LOGIQ E10x」と自動乳房超音波診断装置「Invenia ABUS 2.0」が展示された。LOGIQ E10xは,高性能GPUを採用したハイエンド装置で,画像処理技術「cSound 2.0」を搭載し全視野・全深度フルフォーカスの画像を可能とする。低流速の血流評価に有用なMiceo B-Flowやカラードプラや各診療科向けのアプリケーションも充実している。肝臓領域では,組織の硬さを評価する「Shear Wave Elastography(SWE)」,超音波の減衰を推定する「Ultrasound-Guided Attenuation Parameter(UGAP)」などがあり,両者を同一シーケンス上で検査することができるワークフローの向上ツールも搭載されている。また,超音波画像とほかのモダリティ画像を同期表示し,疾患の位置を客観的に把握可能にする「Volume Navigation」なども搭載されている。
Invenia ABUS 2.0は,「乳がん超音波健診の革新」を掲げ,ボリュームデータによる高い再現性と一定の検査時間による効率的な乳がん検査を提供する。スキャンステーションとワークステーションで構成され,スキャンステーションで収集したボリュームデータをワークステーションに転送し読影を行うなど,放射線科医にとって馴染みの深いワークフローになっている。スキャンステーションは,患者に寄り添った工夫が施されており,施設ごとのベッドや術者の背丈などにあわせてスムーズに確実なスキャンが行えるよう,アームの上下移動の幅が大きいほか,プローブは通常の約3倍の大きさで,乳房にフィットするようカーブしている。プロトコルに沿って検査を進めれば必要なボリュームをすべて撮影でき,スキャン中もリアルタイムでモニタで確認できる。ワークステーションに転送された画像はボリュームデータから任意断面(冠状断面・横断面・矢状断面)を複数同時に表示することができる。異常があれば確実に精密検査につなげられるよう,ハイエンドレベルのLOGIQシリーズに搭載されている「cSound Imageformer」を採用,ハイエンドの画質を提供するほか,マーキング機能など効率的な読影をサポートする機能も多数搭載する。

LOGIQシリーズのフラッグシップモデル「LOGIQ E10x」

LOGIQシリーズのフラッグシップモデル「LOGIQ E10x」

 

自動乳房超音波診断装置「Invenia ABUS 2.0」

自動乳房超音波診断装置「Invenia ABUS 2.0」

 

シンプルな操作が可能なプローブ。

シンプルな操作が可能なプローブ。

 

●Women's Health:「個別化」と「やさしさ」を実現するデジタルマンモグラフィを展開

Women's Healthのコーナーでは,「女性に寄りそう個別化医療への変革」をテーマに展示が行われ,デジタルマンモグラフィ「Senographe Pristina Gen2」やデジタル・ブレスト・トモシンセシス(DBT)ガイド下生検ソリューション「Pristina Serena」,骨粗鬆症向けソリューションとしてLunar iDXAなどが紹介された。Senographe Pristina Gen2は,ブッキー(撮影台)の角に丸みを持たせたほか,LEDライトで緊張を和らげるなど,被検者の痛みや不安,不快感を軽減するための工夫が施されている。フェイスシールドは人間工学に基づき設計され曲線を持たせたことにより快適性と安定性が増しており検査者にとってもやさしいデザインになっている。X線曝射タイミングとガントリの動きをシンクロさせたStep&shoot撮影により,ボケの少ないクリアな画像の収集が可能だが,さらに撮影後のボリュームデータ再構成時に補正する新機能が紹介された。また,撮影後には2種類の10mmのslab画像と最小0.5mmのplane画像を同時に作成し,これらの組み合わせにより,外来時でも効率良い読影が可能となる。
さらに,Pristina Serenaは,生検を安全に行うための視覚的,感覚的にわかりやすいナビゲーションシステムで,リアルタイムに表示され,針先の微調整なども可能なことがアピールされた。

デジタルマンモグラフィ「Senographe Pristina Gen2」

デジタルマンモグラフィ「Senographe Pristina Gen2」

 

トモシンセシス対応の生検ソリューション「Pristina Serena」

トモシンセシス対応の生検ソリューション「Pristina Serena」

 

●デジタルソリューション:導入例が増加している「コマンドセンター」の事例を紹介

デジタルソリューションにおいては,「コマンドセンター」やvendor neutral archive(VNA)の実績,ユースケースなどについて紹介した。GEヘルスケアが注力するコマンドセンターは意思決定を支援するための中央集中管制塔システムで,電子カルテや部門システムなどの医療情報をリアルタイムで取得・分析することでリソースを効率的に配分する。複数のタイル(Tile)で構成され,例えば「Capacity Snapshot」では病床の稼働状況をリアルタイムで可視化し,入室先の調整を可能にすることで,新規入院患者数や病床稼働率の上昇につながることが期待される。
このようなソリューションはパッケージ販売されるケースが多いが,コマンドセンターは導入先の施設の現状や課題に合わせてカスタマイズを行っている。パッケージ販売の方が低コストで導入可能だが,「運用し,課題を改善する」ことが本来の目的であるとの姿勢から,運用プロセスの検討や変更なども含めて,コンサルティングサービスのように顧客に伴走している。その結果,2021年の社会医療法人誠光会草津総合病院(現・淡海医療センター)での導入以来,全国の19施設で稼働または稼働中であり,導入先も大規模病院だけではなく,中規模病院やケアミックス病院,放射線部門や手術部門などの部門単位など多岐にわたって展開している。
ブースでは,海老名総合病院などの導入事例が紹介された。同院が属する神奈川県県央医療圏は,医療ニーズの伸びに反して人口当たりの医師数が県内で最も少ない医療圏で,同院でも救急や入院を断らざるを得ないケースが生じており,その改善のため2023年6月にコマンドセンターを導入した。Capacity Snapshotに病棟ごとの病床の状況や看護師のタスク,スキルレベルなどから「忙しさ」を数値化し,リアルタイムで可視化することでベッドコントロールを改善,その結果,同院の新規入院患者数や病床稼働率はコロナ禍前よりも上昇した。コマンドセンター導入により現場の意識や行動,意思決定プロセスの変容が生じた一例であり,コマンドセンターが「医療DXのツールの一つ」となり得ることが示されている。また,同じCapacity Snapshotでもケアミックス病棟向けにカスタマイズするなど,個々の施設の課題解決に特化した事例なども併せて紹介された。
また,VNAは地域連携やグループ病院での活用を検討するケースが増えている。今回は,グループ内の複数病院と健診施設をまたいだ画像データ共有やBCP強化を目的としたグループ共同利用VNAの事例を紹介した。
そのほかに,リモート保守サービスとして提供している「ORiGEN」で新たに搭載されるアプリケーションを紹介した。ORiGENは,サービスを契約する機器1台に対しタブレット端末が1台設置され,カメラやカレンダー機能などのほか,LINEでの問い合わせ対応や情報配信,聴覚障害者と健聴者のコミュニケーションツール「こえとら」や翻訳サービス「DeepL」などのアプリケーションが利用できる。今回,新たに利用可能になるのはMR適合性検索システム「Nextant」(メディエ社)で,Nextantは,約1万種の添付文書を基に作成した医療機器ごとのMR安全性情報を短時間で正確に確認できるのが特長である。

2021年のリリース以来,全国の19施設で稼働または稼働中のコマンドセンター

2021年のリリース以来,全国の19施設で稼働または稼働中のコマンドセンター

 

「Capacity Snapshot」画面例。病棟ごとの病床稼働状況がリアルタイムに,わかりやすく表示される。

「Capacity Snapshot」画面例。病棟ごとの病床稼働状況がリアルタイムに,わかりやすく表示される。

 

●お問い合わせ先
社名:GEヘルスケア・ジャパン株式会社
住所:東京都日野市旭が丘4-7-127
TEL:0120-202-021
URL:gehealthcare.co.jp

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