ITEM2026 富士フイルム 取材速報 
「ZeroHelium」MRIやAI技術を活用したITソリューションで課題を解決し未来につながる製品群を多数展示


2026-4-19

富士フイルム


富士フイルムグループブース

富士フイルムグループブース

富士フイルムグループは,今年も企業パーパスと同じ「地球上の笑顔の回数を増やしていく」をブースのテーマとして展示を構成した。今年も富士フイルム,富士フイルムメディカル,富士フイルム医療ソリューションズ,クライムメディカルシステムズの4社合同での出展となったが,2026年7月1日付で富士フイルム医療ソリューションズ,クライムメディカルシステムズの2社の富士フイルムメディカルへの統合が発表されており,この体制での出展は今回が最後となる。ブースは,ホールCとDにまたがる広大な面積で,CT,MRI,X線などのモダリティから,PACS,3D画像処理のITソリューションまで総合力をアピールした。

ITソリューションでは,AIプラットフォーム「SYNAPSE SAI viewer(以下,SAI viewer)」の最新バージョンの機能,SYNAPSE SAI viewerと連動するビューワ一体型読影レポートシステム「SYNAPSE SAI Report(以下,SAI Report)」の新機能(バージョン2.7)を紹介した。
「前立腺ビュー」は,PI-RADS(Prostate Imaging–Reporting and Data System)に準拠したMRIによる前立腺評価をサポートする機能。起動するとPI-RADS読影専用のダイアログが立ち上がり,前立腺の大きさ,カテゴリー評価,画像所見の作成を画像認識や自動計算,計算データに基づいた所見候補文の提示などで,煩雑な読影手順を支援する。「Body DWIビュー」は,MRIによる全身のがんスクリーニング検査であるWhole Body Diffusion Weighted Imaging(WBDWI)をサポートする機能。WBDWIでは,複数部位の撮像データの結合作業(スティンチング)や骨領域のみの抽出などの手間が必要となるが,Body DWIビューではスティッチングやコントラスト補正を自動化し,骨領域のみのADCカラーマップ表示も可能で,骨転移検索などの効率化を可能にする。
また,縦隔リンパ節のラベリング機能〔肺癌(第9版)と食道癌取扱い規約に対応〕,複数瘤の観察に対応した大動脈ビュー,SAIフィルタの解析結果を起動時に初期表示設定できる機能など,既存機能をブラッシュアップを紹介した。

PI-RADSに準拠した読影を支援する「前立腺ビュー」

PI-RADSに準拠した読影を支援する「前立腺ビュー」

 

Whole Body Diffusion Weighted Imagingに適した「Body DWIビュー」

Whole Body Diffusion Weighted Imagingに適した「Body DWIビュー」

 

縦隔リンパ節のラベリング機能

縦隔リンパ節のラベリング機能

 

複数瘤の観察に対応した大動脈ビュー

複数瘤の観察に対応した大動脈ビュー

 

3D画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」では,最新バージョン(Ver7.3)に搭載された新機能を中心に紹介した。新たに搭載されたアプリケーションとして,「間質性肺疾患解析」「心筋ストレイン解析」「心臓4Dビューワ」「婦人科臓器解析」「膀胱周辺臓器解析」の5つを挙げた。婦人科臓器解析,膀胱周辺臓器解析は,従来の直腸解析の機能を利用して領域を拡大したもので,MRIのT2画像から子宮周囲の臓器をセグメンテーションし,子宮筋腫の体積や数などの定量化を可能にする。また,3Dによって周辺臓器との関係を把握することで術前のシミュレーションにも利用できる。また,「現場のニーズに応えるワークフロー」に貢献する機能として「OMラインの自動認識機能」を搭載。同機能はモダリティのコンソールとして利用される「SYNAPSE VINCENT Core」にも搭載され,日常検査の中でのワークフローの向上が期待できる。また,MRIの脳動脈静脈分離のエンジンも改良された。
そのほか,「脳区域解析」「乳腺解析」「前立腺解析」「脳脊髄液腔解析」「間質性肺疾患解析」などの定量評価機能が強化された。

婦人科臓器解析

婦人科臓器解析

 

間質性肺疾患解析

間質性肺疾患解析

 

統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder(以下,CITA)」では,新たに「患者対応監査支援AI機能」が搭載された。主治医による読影レポートの見落としなどによる医療過誤が発生したことで,重要な所見を含むレポートに「フラグ」を立てレポートを確認したかどうかを管理する「レポート既読管理システム」が運用されたきた。しかし,未読・既読のチェックだけではカバーしきれない運用上の課題が多くあることから,電子カルテやレポートシステムを含む部門システムのデータを統合するCITA上に,患者対応が適切に行われているかどうかをAIを活用して監査する機能を搭載した。医療監査を行う部門向けに,対象となるレポートの抽出とその対応状況を電子カルテなどからリストアップして監査業務をサポートするほか,対応が適切かどうかをAIが判断した根拠のデータをハイライトして画面上に表示することもできる。
診療文書管理・診療業務支援ソリューション「Yahgee」には,新たにAI技術を活用して看護サマリを作成する機能が追加された。オープンソースの大規模言語モデル(LLM)をベースに富士フイルムが開発した独自のLLMを用いて退院サマリの作成を行う機能はリリースされていたが,看護サマリにも対応したもの。退院サマリに比べて看護サマリは作成目的がさまざまで,領域や病院や介護施設など送り先によって,生成内容をカスタマイズできるのが特徴だ。

CITA Clinical Finderの患者対応監査支援AI機能

CITA Clinical Finderの患者対応監査支援AI機能

 

Yahgeeに新たに搭載された看護サマリ作成支援

Yahgeeに新たに搭載された看護サマリ作成支援

 

CTでは,救急医療など即応力や効率化が求められる急性期医療に対応する機能を強化した「SCENARIA View Plus」の新バージョンを展示した。CT撮影時の被写体の動きによる画像のブレを低減する技術「StillShot」がバージョンアップし,新たに頭部,腹部での適応が可能になった。Body StillShot2では,被写体の動きを四次元的に算出して呼吸や蠕動などの動きを補正する。また,画像再構成技術として,新たにDeep Learningを設計段階で用いた「DLR Focus」を搭載。特に低線量撮影でのノイズの多い画像に対して,構造の情報を保ったままノイズ成分のみを除去できる。そのほか,検査オーダの効率化を支援「AutoProtocol」,画像認識技術で頭部の回転とOMラインを自動設定できる自動断面設定機能などAI技術を活用した機能も搭載されている。

「SCENARIA View Plus」の新バージョンを展示

「SCENARIA View Plus」の新バージョンを展示

 

頭部,腹部での動き補正を可能にする「Body StillShot2」

頭部,腹部での動き補正を可能にする「Body StillShot2」

 

新たにDeep Learningを設計段階で用いた「DLR Focus」を搭載

新たにDeep Learningを設計段階で用いた「DLR Focus」を搭載

 

昨今のイラン情勢を受けてヘリウム不足が話題となっているMRIでは,完全ヘリウムレスを実現したZeroHeliumのラインアップとして,ワイドボア1.5テスラの「ECHELON Synergy ZeroHelium」と「ECHELON Smart ZeroHelium」を展示。同社のZeroHeliumシリーズは,他社のヘリウムレスとは異なり,液体ヘリウムを一切使用しないことから,その設置性や経済性が評価され2024年の上市から導入実績を増やしており,現在100台以上の導入されている。AIを活用して開発された機能として,被検者見守りシステム「Synergy Vision」,体動によるアーチファクトを低減する「Visual StillShot」に加えて,ハーフスキャン画像再構成技術「DLR Symmetry」などの機能も紹介した。

完全ヘリウムレスを実現した「ECHELON Synergy ZeroHelium」をアピール

完全ヘリウムレスを実現した「ECHELON Synergy ZeroHelium」をアピール

 

ドッカブル(移動式)テーブルに対応

ドッカブル(移動式)テーブルに対応

 

AIを活用して画像解析やワークフローの効率化を支援

AIを活用して画像解析やワークフローの効率化を支援

 

デジタルX線透視撮影システムでは,新製品として「CUREVISTA Open ff」と「CUREVISTA Apex ff」を紹介した。CUREVISTA Open ffは「2WAY ARM」機構で,CUREVISTA Apex ffは「3WAY ARM」機構のハイエンドモデルとなる。どちらも被検者が乗った寝台を動かすことなく,X線管アームを動かすことで透視や撮影を可能にする機構で,2WAY ARMは縦方向と横方向に,3WAY ARMではそれに加えて斜め方向の回転が可能になっている。CUREVISTAシリーズは国内では6割のシェアを持つが,今回の新製品はさらにその機能を強化することを目的として,ff(フォルティッシモ)と名付けられた。その1つがカメラで捉えられた映像を基に被検者の体の動きを検知して医療スタッフに通知する「SECURECAMERA MD」である。動きを検知すると画面上のメッセージとアラート音で医療スタッフに通知する。また,装置をコントロールする制御卓をワイヤレス化した「VISTACOCKPIT Air」を利用できる。ERCPなどを行う際に検査室内のワイヤーが邪魔になることがあり,医療安全やワークフローなどの点でもユーザーからも要望が多かったもの。画像処理機能「Boost C」は,AI技術を活用して開発された造影剤強調処理によって,ERCP時の造影された胆管領域のみを検出してコントラストを強調する。これによって追加の造影剤が削減され,1検査当たりの造影剤使用量の低減が期待できる。

さらに機能の強化を図った「CUREVISTA Apex ff」を展示

さらに機能の強化を図った「CUREVISTA Apex ff」を展示

 

ワイヤレス化を実現した操作卓「VISTACOCKPIT Air」

ワイヤレス化を実現した操作卓「VISTACOCKPIT Air」

 

AIを活用した造影剤強調処理「Boost C」では造影剤使用量を削減したERCPが可能

AIを活用した造影剤強調処理「Boost C」では造影剤使用量を削減したERCPが可能

 

●お問い合わせ先
社名: 富士フイルムメディカル株式会社
住所:〒106-0031 東京都港区西麻布2丁目26-30 富士フイルム本社ビル 
TEL:03-6419-8033  
URL:https://www.fujifilm.com/fms/ja

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