ITEM2026 コニカミノルタジャパン ブースレポート
「imaging i+ 革新で臨床をデザインする」をテーマに,高い画像技術と独自開発のAI技術を組み合わせた革新的なワークフローを提案
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2026-4-28
コニカミノルタジャパンブース
コニカミノルタジャパンは,「imaging i+ 革新で臨床をデザインする」をテーマに展示を行った。同社は,高い画像技術に独自開発のX線動態技術やAI技術などの革新的な技術を組み合わせ,「innovation」と「intelligence」をかけあわせた革新的なワークフローの提供や診療現場の安全性や効率性への貢献に取り組んでいる。ITEM2026のブースでは,救急から日常臨床まで現場の課題を解決し,「臨床をデザイン」することをコンセプトに,「Innovation Showcase」「Dose Management & Workflow」「Clinical Modalities」の各ゾーンで最新のソリューションを紹介した。特に,「Innovation Showcase」ではICUをはじめとする高度急性期医療の現場や診断における課題解決に貢献する先進的なソリューションを紹介。AI技術を活用した新開発のSTAT画像所見報告支援「STAT Link」が発表されたほか,X線動態撮影(Dynamic Digital Radiography:DDR)システムや動態回診車,最新の超音波診断装置などが具体的な活用シーンとともに展示された。また,ブース中央の特設ステージでは,各ソリューションのプレゼンテーションが行われた。
●AIを用いたSTAT画像所見報告支援「STAT Link」の提供を開始
医師のタスク・シフト/シェアが進む中,診療放射線技師が発見した場合に報告すべきSTAT画像所見がガイドラインに定められている。気胸もその対象の一つだが,胸部単純X線画像撮影の主目的が気胸の確認ではない場合,見落とされるリスクが高い所見でもある。新開発のSTAT Linkは画像診断ワークステーション「CS-7」の新機能で,気胸の診断支援を行うプログラム「CXR Finding-i type PTX」と連携してAIが一般撮影画像を解析,気胸が疑われる所見を検出する。感度95%,特異度96%という高い水準を実現し,偽陽性も抑制した高精度の検出性能が特長である。所見確認後は,任意設定の定型文を基に報告内容をワンタッチで登録できる。また,一般撮影マネジメント機能「RADInsight」と連携し,報告実績のある気胸を再度検知した場合,過去の報告内容をRADInsightでスムーズに確認できるほか,蓄積したデータを医療現場での教育にも活用できる。さらに,画像処理ゲートウエイ「Senciafinder」や「friejoin」にもインストール可能で,すでに搭載されている胸部X線画像診断ソフトウエア「CXR Finding-i」との併用が可能である。CXR Finding-iは専門医のスキルを学習したAIが胸部X線画像を解析し,肺結節や腫瘤影,浸潤影を検出する。国内の約1200の医療機関で導入されており(2026年3月末時点),STAT Linkの追加により診断支援の範囲をさらに拡大する。
STAT画像所見報告支援「STAT Link」。ITEM2025では参考展示として紹介されていた。
STAT Linkで検出された気胸疑い症例
定型文を基に,報告内容をワンタッチで登録できる。
RADInsightと連携し,過去の報告実績などを確認できる。
●AI×DDRの活用イメージを提案
STAT Link以外にも,AI技術の開発や既存のソリューションと組み合わせたワークフローを提案した。たとえば,検診でのスクリーニングにCXR Finding-iや胸部骨減弱処理技術「Bone Suppression処理」を活用することで病変の早期発見が期待できるほか,肺がんなどが診断された場合,術前にDDRシステムで浸潤癒着を確認した上で手術に臨むことが可能となる。
なお,DDRに関しては累積132編の査読付き論文が公開されており(2026年2月時点),循環器や整形外科などの各領域で活用法が検討されている。今後,横隔膜移動量を数値とグラフで明確に評価し,吸気・呼気の状態や左右差,安定性を周期的に測定し,客観的に表示するREST-TRACK(Resting-State Silhouette Tracking for Thoracic Respiratory Assessment and Characterization of Kinetics)の搭載が予定されている。また,DM-MODE解析はAI画像処理技術を活用することで精度向上を実現,6fps撮影画像の解析が可能になり(従来は15fps),約60%の被ばく低減効果が見込めるほか,PH2-MODE解析でも撮影時間が7秒から4秒に短縮可能なことが紹介された。
CXR Finding-iとDDRの組み合わせによる診断の質の向上を提案。
CXR Finding-i(左)とDDR(右)を併用した病変検出のイメージ。Bone Suppression処理と動画の組み合わせにより,高精度な病変検出が期待できる。
肺野面積の変化や横隔膜変位を数値とグラフで明確に表示可能に。
●読影業務のさらなる効率化をめざしたAI技術の開発を紹介
これらのAI技術に加え,同社では各モダリティの操作の省力化や画像の比較支援,レポート作成支援までフォローするAI技術の開発に取り組んでいる。CT・MRI領域では,胸部CT画像上で検出した結節の種類や体積,Lung-RADS分類などをレポート形式で示す胸部CT病変候補発見支援や,低吸収領域(LAA)をグラフや画像上のカラーマップで表示するCOPD解析支援機能などの開発が進められている。
読影業務のさらなる効率化をめざすAI技術を紹介。水色は実用化ずみ,ピンクは開発中の領域を示す。
胸部CT画像での病変候補発見支援機能では,結節の種類や体積,Lung-RADS分類などを検出,表示する。
COPD解析支援機能のイメージ
●ベッドサイドやICUでX線動態撮影を可能にした動態回診車「AeroDR TX m01」
2022年に発売された動態回診車「AeroDR TX m01」は,カセッテ型デジタルX線撮影装置(ワイヤレスFPD)「AeroDR fine motion」と組み合わせることでX線動態撮影が可能である。取得したデータは,X線動画解析ワークステーション「KINOSIS」による解析処理で呼吸機能や心機能の評価を行い,治療による換気状態の改善の確認や人工呼吸器の使用・不使用の判断などがより正確に行える。また,AeroDR fine motionは散乱線補正処理「インテリジェントグリッド」の適用により,散乱線で低下したコントラストを改善する。患者を移動させることなく,グリッドの使用が困難なベッドサイドやICUで高品質な画像やより多くの情報提供を実現した意義は大きいと言える。
装置本体は540mm(W)×1220mm(D)×1290mm(H)のコンパクト設計で,X線管操作部には4段階の伸縮式アームを採用。走行ハンドルはタッチするだけでロックが解除され,バックする場合には自動で速度制限がかかるなど,より安全な移動をサポートする。また,アーム伸縮は最大1220mm,支柱の回転は317°で広範囲の撮影領域をカバーする。管球部に電磁ロック式を採用し,一般撮影室のような操作感を実現したほか,ハンドグリップ上部のモーションコントロールスイッチでボディの各ホイールを独立して動かすことができ,細かいポジショニング動作を支援する。メインとなる大型19インチモニタに加えてX線管球部にセカンドモニタを配置し,撮影条件の確認や変更,X線管-被写体間距離の自動計測結果を表示する。また,X線管とワイヤレスFPDのロール角を数値で表示する「アライメントサポート機能」により,高精度なポジショニングや再現性の高い検査が行える。
ICUやベッドサイドで動態撮影が可能な動態回診車「AeroDR TX m01」
AeroDR TX m01のX線管球部に配置されたセカンドモニタ
●多彩な機能を搭載するフラッグシップモデルの超音波診断装置「SONIMAGE UX1」
高度急性期医療では超音波診断装置も重要なモダリティの一つだが,ブースでは最新のフラッグシップモデル「SONIMAGE UX1」が展示された。2024年11月に発売されたSONIMAGE UX1は,非球面形状の音響レンズ「Dual Slice Lens」を搭載したリニアプローブ「X20L」と組み合わせ,浅部から深部まで音響ノイズ影響の少ない均一な画像の描出を可能にした。また,同社の独自技術「Dual Sonic」が多分割送信技術「Dual Sonic Advance」に進化し,浅部領域での音響ノイズ混入の抑制と送受信効率の最大化を両立させ,高精細で高分解能な画像を提供する。さらに,超解像技術を応用した同社独自の技術「iXRET」によりフレームレートを維持しつつ高分解能を実現。「Simple Clear Flowモード」では,微細で低流速な血流を高分解能な血流表示モードで高感度で描出する。
SONIMAGE UX1には多彩な機能が搭載されており,AI技術の一つであるdeep learningを用いて設計された神経強調表示機能の「VisNerve」機能は,超音波画像を解析しリアルタイムに神経を可視化する。上肢の正中・尺骨・橈骨神経などが対象で,カラーモードも併用し簡便かつ容易に神経を認識できる。「Vascular NAVI」はColorボタンやPWボタンを押すだけで,関心領域(ROI)やサンプルボリュームサイズなどの各種パラメータが自動的に設定される。また,血流量(フローボリューム)計測時は血管径計測位置を自動検出し,血管画像のズーム表示などで血管径計測位置の微調整を容易に行える。さらに,カメラで撮影した映像を診断中の超音波画像と重ねて表示する「Camera Link」により,検査部位や穿刺部位,プローブの位置や角度を特定できる。
超音波診断装置「SONIMAGE UX1」。プローブ1本で幅広い検査に使用できる。
●被ばく線量管理システムではJapan DRLs 2025に対応した新バーションをリリース
「Dose Management & Workflow」のコーナーでは,「FINO.VITA」シリーズから被ばく線量管理システム「FINO.XManage」や医用画像診断システム「FINO.VITA.GX」,総合画像診断レポートシステム「FINO.Report」などのラインアップが紹介された。
このうちFINO.XManageは,2025年11月に「日本の診断参考レベル(Japan DRLs 2025)」に対応した新バージョンをリリースした。FINO.XManageはマルチモダリティ対応で,各検査装置またはPACSから出力された線量情報を蓄積し,被ばく線量の最適化を支援する。DRL値との比較に加え,施設独自のDRL設定を登録することも可能で,新バージョンでは施設線量値とDRLs 2025の値を重ねたグラフを出力して数値を見える化し,安心・安全な医療提供と各施設での線量管理の効率化に貢献する。また,患者単位の被ばく線量管理や検査装置ごとのプロトコル検討を支援するさまざまな管理グラフ(棒グラフ,箱ひげ図,散布図,円グラフ)を搭載するが,新たに必要な機能を直感的に把握できるダッシュボード機能を搭載した。これにより,検査プロトコルごとの線量傾向や次に取るべきアクションを可視化し,複数人で同じ認識で迅速かつ正確な判断を行える。さらに,日本医学放射線学会が提供するフォーマットに準拠したレポートをワンクリックで自動生成でき,医療監査業務の効率化につながる。
FINO.VITA.GXは,放射線部門・他部門のDICOM画像に加え,JPEG・PDFなどの非DICOMデータも取り込み,検査情報を一元管理できる。患者の検査データを時間軸と検査種別の2軸で俯瞰できるマトリクス表示により必要な情報を効率よく確認でき,過去検査との比較読影などを効率的に支援するほか,レポートの見落とし防止支援機能なども備えている。また,胸部X線画像診断支援AI「CXR Finding‑i」と連携が可能である。ビューワ「FINO.View.Pro」は,読影場面に合わせたレイアウトを読影プロトコルに作成するなどレイアウト設定の自由度が高く,2D,3D,動画などさまざまな画像表示に対応する。
被ばく線量管理システム「FINO.XManage」の機能
FINO.XManageに新たに搭載されたダッシュボード機能
医用画像診断システム「FINO.VITA.GX」のイメージ
●お問い合わせ先
社名:コニカミノルタジャパン株式会社
住所:〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1 BLUE FRONT SHIBAURA TOWER S 10階
URL:https://www.konicaminolta.jp/healthcare/item/index.html
