ITEM2026 島津製作所 ブースレポート 
膝関節の側面撮影の支援機能を搭載した一般撮影装置「RADspeed Pro SR5 Version」など,臨床現場の課題解決に貢献するソリューションを提案


2026-5-8


島津製作所ブース

島津製作所ブース

2025年に創業150周年を迎えた島津製作所は,今年は同社創業者親子の2代目・島津源蔵が1896年に国産メーカーとして初めてX線撮影に成功して130年となる記念すべき年であることをアナウンスした。長きにわたり,医療現場での課題を解決するためのソリューションを提供し続けており,今回の展示でも同社の高い技術力を一目見ようと,ブースには多くの来場者が詰めかけた。
今回のITEMで,同社は「Evolution,Innovation,Transformation―solving challenges together― みえる良さ,きこえる価値。ライブで実感する医療の未来」をスローガンに掲げ展示を行った。このスローガンが示すとおり,一般撮影装置「RADspeed Pro SR5 Version」,回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version」,血管撮影システム「Trinias series with SCORE Opera」,X線テレビシステム「SONIALVISION G4 LX edition -SR-」,外科用X線TVシステム「OPESCOPE ACTENO FD type」の主要5製品については,社員自身が1日に複数回のライブプレゼンテーションを行い,それぞれの製品の特長をアピールした。
一般撮影装置のRADspeed Pro SR5 Versionにおいては,ITEM開催直前の4月8日(水)に,新たなオプションとして,AIを活用し膝関節側面撮影を自動で補正する位置補正用画像解析ソフトウエア「Ortho-Navi」が発売され,今回の展示でお披露目された。また,血管撮影装置Trinias series with SCORE Operaでは,音声認識機能の「SMART Voice」がアップデートされ,さまざまなコマンドがライブプレゼンテーションで実演された。回診用X線撮影装置MobileDaRt Evolution MX9 Versionは,セカンドモニタや3Dカメラ(オプション)などを用いた,効率的かつ安定した撮影を提案。X線TVシステムSONIALVISION G4 LX edition -SR-は,内視鏡手技との連携が強化されていることや,検査の安全性や手技を支援する技術などが紹介された。
なお,ブースには,これらのほかTOF-PETや研究用の分析機器,クリニック向け医療ソリューションなどのコーナーも設けられ,多岐にわたる製品を紹介するとともに,同社の幅広い技術力を示した。

ライブプレゼンテーションを大きくアピール

ライブプレゼンテーションを大きくアピール

 

●X線(一般撮影システム):「RADspeed Pro SR5 Version」に,新たに膝関節の側面撮影を支援する位置補正用画像解析ソフトウエア「Ortho-Navi」が登場
●X線(回診用X線撮影装置):セカンドモニタや3Dカメラを搭載した「MobileDaRt Evolution MX9 Version」で効率的かつ安定した撮影を提案
●血管撮影システム:「Trinias series with SCORE Opera」向けの音声認識機能「SMART Voice」に新たなコマンドが追加
●X線TVシステム:FPD画角内視野移動機能「Smart FOV」や透視画像処理技術「DeEP」など内視鏡検査を支援する機能を中心に紹介
●外科用X線TVシステム:軽快で自在なポジショニングにより手術室・救急室での使いやすさと高画質を実現した「OPESCOPE ACTENO FD type」

●X線(一般撮影システム):「RADspeed Pro SR5 Version」に,新たに膝関節の側面撮影を支援する位置補正用画像解析ソフトウエア「Ortho-Navi」が登場

操作負荷の軽減と,患者ケアに集中できる環境の提供をコンセプトに開発されたRADspeed Pro SR5 Versionは,操作性やスループットを向上するさまざまな機能が搭載されている。「パワーアシスト機能」(オプション)は,ハンドル操作をモーターがアシストすることで,軽い力でX線管懸垂器を操作することができる。操作部の下部背面にはハンドグリップを備えており,前面のオールフリースイッチを押すことで身長の低い操作者でも簡単に操作が可能だ。「オートポジショニング機能」(オプション)は,リモコン操作でX線管懸垂器がボタン一つで移動し,事前に登録されたポジショニング位置に自動設定されるため,再現性の高い位置決めが可能となる。「VISION SUPPORT」(オプション)はX線照射部に備え付けられた光学カメラを用いた撮影支援機能で,光学カメラの映像を検査室と操作室の双方から確認することができる。また,「ライブビュー表示」では,受像器領域,照射野領域,AEC採光野などがモニタにオーバーレイ表示されるため,正確なポジショニングが可能となる。これらのほかにも,体動を検出することで再撮影の頻度と再撮影に伴う被ばくの低減に寄与する機能や,再撮影時に患者の直前のポジションをモニタで確認でき再現性の高いポジショニングを支援する機能など,検査を支援する多くの機能が搭載されている。
さらに,今回新たに,深層学習モデル(AI)を用いて膝関節の側面撮影を支援する位置補正用画像解析ソフトウエア「Ortho-Navi」(オプション)が登場した。膝関節側面撮影においては,内顆と外顆が一致した精度の高い画像が求められるため,ポジショニングが難しく,撮影の難易度が高い。 そこで,Ortho-Naviでは,初回撮影したX線画像からAIが内顆と外顆を自動で判定して強調表示し,内顆と外顆がなるべく一致する移動量と方向が提案される。これを承認後,オートポジショニング機能を用いることで,撮影画像上で設定した再撮影位置にX線管懸垂器が自動で移動し,内顆と外顆がきれいに一致した画像の撮影が可能となる。再撮影の回数の低減や精度向上に貢献し,患者の被ばく低減や診療放射線技師の負担軽減にもつながることが期待される。

一般撮影システム「RADspeed Pro SR5 Version」

一般撮影システム「RADspeed Pro SR5 Version」

 

「RADspeed Pro SR5 Version」のライブプレゼンテーションの様子

「RADspeed Pro SR5 Version」のライブプレゼンテーションの様子

 

背面のハンドグリップと前面のオールフリースイッチでX線管懸垂器が高い位置にあっても容易に操作可能

背面のハンドグリップと前面のオールフリースイッチでX線管懸垂器が高い位置にあっても容易に操作可能

 

X線照射部に備え付けられた光学カメラ

X線照射部に備え付けられた光学カメラ

 

「ライブビュー表示」では受像器領域などをモニタにオーバーレイ表示

「ライブビュー表示」では受像器領域などをモニタにオーバーレイ表示

 

「体動検出」機能で患者の体動領域を表示

「体動検出」機能で患者の体動領域を表示

 

「前回ポジション表示」で直前に行った撮影のポジションを確認

「前回ポジション表示」で直前に行った撮影のポジションを確認

 

膝関節の側面撮影を支援する位置補正用画像解析ソフトウエア「Ortho-Navi」

膝関節の側面撮影を支援する位置補正用画像解析ソフトウエア「Ortho-Navi」

 

Ortho-Naviではアプリ操作とオートポジショニング機能で再ポジショニングを完了

Ortho-Naviではアプリ操作とオートポジショニング機能で再ポジショニングを完了

 

●X線(回診用X線撮影装置):セカンドモニタや3Dカメラを搭載した「MobileDaRt Evolution MX9 Version」で効率的かつ安定した撮影を提案

MobileDaRt Evolution MX9 Versionは,操作者の習熟度に依存せず,診断に寄与する良好な画像を効率的かつ安定して取得できることをコンセプトとして開発された回診用X線撮影装置である。ライブプレゼンテーションでは,(1)身体的負荷が高い業務のため疲れやすい,(2)明るい部屋や手術室で照射野が見えづらい,(3)ポジショニングが安定せず正確な位置決めが難しい,という臨床現場でよく聞かれる3つの困りごとを挙げ,MobileDaRt Evolution MX9 Versionがこれらをいかに解決するかが説明された。
身体的負荷の軽減に有用なのが,パワーアシスト技術である。病棟などで移動する際にも軽い力で操作でき,前進,後進,旋回などを滑らかに行うことができる。また,ロックの解除ボタンがX線管保持器のハンドルの下部に付いているため解除しやすく,身長が低くても操作しやすいことや,セカンドモニタの搭載によって,メインモニタに戻ることなくベッドサイドで撮影条件の変更や撮影画像(c-typeのみ)の確認が可能なことも大きな特長となっている。また,照射野の見づらさを解消する技術としては,「レーザーマーカー」(オプション)が紹介された。コリメータに十字のレーザーマーカーが搭載されており,照射野中心を簡単に確認することができる。さらに,ポジショニングにおいては,撮影支援機能「VISION SUPPORT」の一環として,3Dカメラ(オプション)を用いることで,SID(X線焦点-ベッド面間距離)やベッド面に対するX線管の角度が自動で測定できる。また,X線管が適切な角度範囲に達するとレーザーマーカーが点灯するレーザーナビゲーション機能も利用できるため,スムーズな撮影が可能となる。 
これらのほか,AIを活用した技術として,X線画像から体内遺残物の確認を支援するAI技術「Smart DSI(Detection Support with Image processing)」や,チューブやカテーテルの位置確認を支援するAI技術「Smart Tube」が紹介された(いずれもc-typeのオプション)。

回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version」

回診用X線撮影装置「MobileDaRt Evolution MX9 Version」

 

「MobileDaRt Evolution MX9 Version」ライブプレゼンテーションの様子

「MobileDaRt Evolution MX9 Version」ライブプレゼンテーションの様子

 

X線管保持器にセカンドモニタを搭載 ハンドル下部のロック解除ボタンで容易に解除可能

X線管保持器にセカンドモニタを搭載
ハンドル下部のロック解除ボタンで容易に解除可能

 

X線管が適切な角度範囲に達するとレーザーマーカーが点灯する「レーザーナビゲーション」

X線管が適切な角度範囲に達するとレーザーマーカーが点灯する「レーザーナビゲーション」

 

●血管撮影システム:「Trinias series with SCORE Opera」向けの音声認識機能「SMART Voice」に新たなコマンドが追加

血管撮影システムのコーナーでは,Trinias series with SCORE Operaと,同製品向けの音声認識機能SMART Voiceが紹介された。SMART Voiceは,モニタ懸垂器に取り付けた専用マイクに向かってウェイクアップワードの「Trinias」,続いてコマンドを発声することで,「StentView(ステント強調処理)」などのアプリケーションの立ち上げや,透視保存,画像操作などに関する操作が可能となる。前回のITEMでは,対応可能なコマンドは13種類と紹介されたが,新たにCアーム操作やモニタレイアウトの変更,番号指定による画像ダイレクト選択なども可能となった。通常,血管撮影システムの操作は,タッチパネルや専用のコントロールレバー,フットスイッチなどの操作モジュールを用いて手や足で行う必要がある。その際,術者は患部や画像モニタからいったん目を離し,操作モジュールまで移動して自ら操作するか,ほかの医療従事者に操作してもらう必要があったが,SMART Voiceを用いてハンズフリーの操作が可能となれば,スタッフの省力化と検査業務の効率化が図られ,手技の安全性の向上も期待できる。なお,SMART Voiceは日本語と英語に対応している。
Trinias series with SCORE Operaは,「ALARA Design」「Lean Design」「Sustainable Design」をコンセプトに開発されているが,ライブプレゼンテーションでは,これらのうちLean DesignとSustainable Designに関する内容が主に取り上げられた。「SyncView」は,カテーテル検査中にチーム内での情報共有をスムーズにするための技術で,検査室の大型モニタ「SMART Display」とは別経路で,術者が見ている画面や進行状況を同じタイミングでサブモニタに出力することができる。サブモニタを検査室スタッフ専用画面として用いた場合は,術者の手技を遮ることなく,ほかのスタッフはマウスやキーボードをつないだサブモニタで必要な情報を随時共有,もしくは操作することが可能となる。
また,血管撮影装置を長期間,安定的に使用するための仕組みとして,サブスクリプションサービス「SCORE Link」が紹介された。血管撮影装置は更新サイクルが平均12年と長く,その間の技術進歩に対応できないことが課題となる。SCORE Linkを契約することで,4種類のプランに応じてソフトウエアのアップデートが可能となり,初期投資を抑えながら,長期間にわたり最新の治療環境で使用することが可能となる。

血管撮影システム「Trinias series with SCORE Opera」

血管撮影システム「Trinias series with SCORE Opera」

 

「Trinias series with SCORE Opera」のライブプレゼンテーションの様子

「Trinias series with SCORE Opera」のライブプレゼンテーションの様子

 

検査室の大型モニタ「SMART Display」(左)のサブモニタとして「SyncView」(右)で情報を出力

検査室の大型モニタ「SMART Display」(左)のサブモニタとして「SyncView」(右)で情報を出力

 

●X線TVシステム:FPD画角内視野移動機能「Smart FOV」や透視画像処理技術「DeEP」など内視鏡検査を支援する機能を中心に紹介

X線TVシステムのコーナーでは,内視鏡手技との連携強化につながる「SONIALVISION G4 LX edition -SR-」のさまざまな技術が紹介された。FPD画角内視野移動機能「Smart FOV」は,視野移動のために天板を移動することなく画角内の視野を上下左右に移動できる機能である。消化管内視鏡検査や嚥下造影検査においては,患者の体内に内視鏡やデバイスが挿入されているため,視野移動のために天板を移動することにはリスクが伴う。Smart FOVでは,関心領域内の画像を任意の視野サイズで全画面拡大表示できるため,患者の体内に内視鏡やデバイスが挿入された状態でも,より安全な検査が可能となる。操作は非常に簡単で,コンソールのタッチパネルに表示されたSmart FOVの表示をタッチして機能を立ち上げ,視野サイズを切り替えてから,コンソールの操作レバーで表示された画角内の視野を任意の位置に移動し,フットスイッチを踏むことで,拡大された透視画像が瞬時に表示される。
さらに,Smart FOVを,透視画像処理技術「DeEP」と同時に使用することも可能だ。DeEPでは,ガイドワイヤなどの細いデバイスを強調表示し鮮明に描出するため,医師のストレス低減や検査時間の短縮につながるほか,X線照射量を抑制できることで被ばく低減も可能となる。さらに,高画質デジタル画像処理技術「SCORE PRO Advance」によって背景のノイズ成分をリアルタイムに低減することで,カテーテルやガイドワイヤなどの残像が抑制され,観察部位がより明瞭に描出される。これらの機能によって,SONIALVISION G4 LX edition -SR-では,検査・手技におけるスムーズな進行をサポートするとともに,被ばくの低減と視認性に優れた画像を両立することが可能となる。

X線TVシステム「SONIALVISION G4 LX edition -SR-」

X線TVシステム「SONIALVISION G4 LX edition -SR-」

 

FPD画角内視野移動機能「Smart FOV」。天板を動かすことなく画角内の視野移動や関心領域内の画像の全画面拡大表示ができるため,より安全な内視鏡検査の実現に貢献

FPD画角内視野移動機能「Smart FOV」。天板を動かすことなく画角内の視野移動や関心領域内の画像の全画面拡大表示ができるため,より安全な内視鏡検査の実現に貢献

 

透視画像処理技術「DeEP」による末梢留置型中心静脈カテーテル(PICC)の視認性向上

透視画像処理技術「DeEP」による末梢留置型中心静脈カテーテル(PICC)の視認性向上

 

●外科用X線TVシステム:軽快で自在なポジショニングにより手術室・救急室での使いやすさと高画質を実現した「OPESCOPE ACTENO FD type」

OPESCOPE ACTENO FD typeは,操作性を追究したワイドCアームと,完全手動方式での自在なポジショニングを実現した外科用X線TVシステムである。開口径78cmのワイドなCアームは,電磁ロック式Cアームとカウンターバランス方式によって観察したい方向に素早く移動でき,上下動も手動で行えるため,手術台との干渉を最小限に抑えつつ,手術部位へのアプローチも容易に行うことができる。また,頻繁に行う手技のポジション情報を記憶させることも可能なため,位置合わせなどの手間を軽減し,スムーズな検査に貢献する。
高精細FPDの搭載によって高画質・ハイコントラストを実現しているほか,画像調整アプリケーション「Touch Focus」(オプション)に対応しており,Cアーム台車のタッチパネル上に表示された透視画像の見たい領域をタッチするだけで,自動的にX線条件がコントロールされ,その領域の明るさが最適化される。タッチパネルおよびモニタ上には線量の計算値がリアルタイムに表示されるため,術中の被ばく量の目安とすることも可能だ。

外科用X線TVシステム「OPESCOPE ACTENO FD type」

外科用X線TVシステム「OPESCOPE ACTENO FD type」

 

●お問い合わせ先
社名:株式会社島津製作所
住所:京都市中京区西ノ京桑原町1
URL:https://www.med.shimadzu.co.jp/


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