RSNA2025 GEヘルスケア - MRI
ハイパワー・最新オペレーションシステム搭載3T装置「SIGNA Bolt」,ヘリウムフリー1.5T「SIGNA Sprint with Freelium」を発表
2025-12-2
研究機の高スペックと臨床機の汎用性を両立する
3T MRI「SIGNA Bolt」(薬機法未承認)
GE HealthCare(GEヘルスケア)のMRIについては,目玉として3Tと1.5Tの2機種のアンベールイベントを行った。RSNA初登場となった2機種は,3Tが「SIGNA Bolt」(薬機法未承認)。1.5Tが「SIGNA Sprint with Freelium」(薬機法未承認)。いずれも来場者の関心を引きつける最先端のハードウエアとソフトウエアを搭載しており,新しいユーザーインターフェイス「SIGNA One」を採用している。
SIGNA Boltは,その名のとおり,Technical Exhibitsの会場に稲妻のような衝撃を与えた機種。臨床機という位置づけながら研究機同等のハードウエアスペックを誇る。傾斜磁場強度が最大80mT/m,スリューレートが200T/m/sとなっている。一方で,臨床機としては幅広い検査,被検者に対応するために,ガントリの開口径は70cmを確保。ワイドボア設計が検査の適用範囲も広げる。加えて,外観上の注目点は,寝台上の天井に備え付ける3D AIカメラ「SIGNA One Camera」だ。このカメラにより被検者を撮影し,その情報を基に自動的に撮像部位がアイソセンタになるよう自動的にポジショニングを行い,被検者の動きなどを検知して,危険な場合はアラートも発する。加えて,インルームコンソールの機能を採用しているのもSIGNA Boltの特徴だ。検査担当者は,ガントリ両サイドに取り付けられたタッチパネルモニタでプロトコール選択から撮像までを行うことができる。また,新設計の寝台は,着脱式となっており,最低高53cmまで下げることが可能で,被検者の昇降も容易にしており,検査効率向上に寄与する。また,寝台は呼吸と脈拍をセンシングできるようになっており,計測用デバイスの装着が不要となり,検査時間の短縮を図れる。SIGNA Boltは力だけでなく頭脳明晰な1台に仕上がっている。
ポジショニングを自動化する3D AIカメラ「SIGNA One Camera」
もう1台の新機種SIGNA Sprint with Freeliumの最大の特長は,最新のヘリウムレスマグネット技術「Freelium」の採用である。Freeliumテクノロジーでは,密閉型構造を採用することでヘリウム量を約99%削減し,クエンチパイプ不要の設計を実現している。
ヘリウムフリーマグネット技術「Freelium」の採用「SIGNA Sprint with Freelium」(薬機法未承認)
このほか,ソフトウエアのバージョンが「MR 31」へとアップデートしたこともアナウンスした。新バージョンではディープラーニング画像再構成技術の「Sonic DL 3D」において,アンダーサンプリングで取得したデータの不足分をディープラーニングで補完することで,最高12倍速の高速撮像を可能にしている。これに伴い画像再構成用のハードウエアも第8世代へと更新した。
「MR 31」でさらなる高速化が進んだ「Sonic DL 3D」
「MR 31」へのアップデートに伴い画像再構成用ハードウエアも第8世代へと更新
