インテュイティブサージカルが「da Vinci Surgical System」のプレスセミナーを開催

2018-5-23


手術支援ロボットの操作体験会も実施

手術支援ロボットの操作体験会も実施

インテュイティブサージカル(同)は2018年5月21日(月),同社東京トレーニングセンター(東京都江東区)において,手術支援ロボット「da Vinci Surgical System(以下,da Vinci)」のプレスセミナーを開催した。da Vinciは,米国Intuitive Surgical社が1999年に初代を開発。その後,2006年には「da Vinci S」,2009年には「da Vinci Si」が登場し,2014年には第4世代の「da Vinci Xi」,2017年には同じく第4世代の「da Vinci X」が開発された。2018年3月末までに全世界で4528台を販売しており,うちアジアの医療機関の導入台数は579台で,その50%以上を日本が占めている。

日本国内では,2009年11月にda Vinci Sが薬事承認となり,翌年3月から販売を開始。2012年4月には前立腺悪性腫瘍手術での使用が保険適用となり,同年11月にはda Vinci Siが薬事承認を得た。さらに,2015年3月にはda Vinci Xiが薬機法承認となり,翌年4月に腎悪性腫瘍手術に対して保険適用となった。そして,2018年度の診療報酬改定では,12術式での使用が認められ,同年6月にはda Vinci Xの販売が開始された。

da Vinciシリーズを支えるのは,3つの特徴的な技術である。その1つが3D HDによる高倍率視野である。高い倍率かつ立体的に表示することで,術者は正確な距離感覚を保ちながら,術野を詳細に観察して手技を進めることができる。2つ目の特徴的な技術である“ENDOWRISTインストゥルメント”は,独自の“Intuitiveモーション技術”や手ぶれ補正機能により,人の手よりも可動域が広くなり,高度な手技でも安定して行うことが可能である。もう1つの技術は,エルゴノミクス設計の“サージョンコンソール”である。個々の術者に応じた細かな設定が可能で,手技に集中できる環境を提供する。また,da Vinciシリーズの基本的なシステム構成は,手技を行う“ペイシェントカート”と,術者が操作を行うサージョンコンソール,3D HD画像を提供する“ビジョンカート”となっている。第4世代のda Vinci Xiとda Vinci Xの違いは,da Vinci Xiのペイシェントカートが移動式のプラットフォームを採用しており,da Vinci Xよりも広範囲の術野に対応していることである。サージョンコンソールとビジョンカートは第4世代共通のため,da Vinci Xを導入し,その後ペイシェントカートを入れ替えてda Vinci Xiに移行することも可能である。

プレスセミナーでは,同社社長の滝沢一浩氏が事業展開を紹介したほか,同社マーケティング部の金田浩之氏がda Vinci Xiとda Vinci Xの説明を行った。また,藤田保健衛生大学医学部総合消化器外科学主任教授の宇山一朗氏が,da Vinciシリーズを用いたロボット支援手術の経験や低侵襲手術についての講演を行った。宇山氏は,低侵襲手術とは手術創が小さいことだけではなく,術後の合併症が少ないことが重要であると述べた。その上で,腹腔鏡手術は,小さい手術創であるものの,術者の動作制限があり合併症を発症しやすいという課題があると指摘。ロボット支援手術では,高倍率かつ鮮明な視野や正確で柔軟な鉗子操作により,高精度な手技が可能となり,合併症を低減できる可能性があるとして,2009年1月〜2012年12月に行ったロボット支援胃がん手術におけるレトロスペクティブでのコホート研究の結果を示した。さらに,宇山氏は先進医療の承認を受けた3施設で,2014年から行ったロボット支援胃がん手術のプロスペクティブな臨床研究について解説し,ロボット支援によって合併症を低減でき,安全性の確保につながったという結果を紹介した。また,宇山氏は,ロボット支援手術は高額と思われるが,合併症を低減することで,患者QOLが向上して医療費の削減にも寄与する可能性があるとし,費用対効果の高い手術であると述べた。宇山氏は,これらのロボット支援手術の有用性を説明した上で,今後は日本内視鏡外科学会などが中心となり,開腹手術,腹腔鏡手術,ロボット支援手術での合併症について検討を行い,ロボット支援手術の有用性を示して診療報酬上での評価をめざすと説明。さらに,安全な導入,普及に向けては,(1)日本内視鏡外科学会が施設基準を策定,(2)学会の指針を順守して手術支援ロボットを導入すること,(3)プロクター制度の確立,の3点が重要であるとまとめた。

滝沢一浩 氏(社長)

滝沢一浩 氏
(社長)

金田浩之 氏(マーケティング部)

金田浩之 氏
(マーケティング部)

宇山一朗 氏(藤田保健衛生大学)

宇山一朗 氏
(藤田保健衛生大学)

 

da Vinci Xiのペイシェントカート

da Vinci Xiのペイシェントカート

da Vinci Xのペイシェントカート

da Vinci Xのペイシェントカート

   
サージョンコンソール

サージョンコンソール

ビジョンカート

ビジョンカート

 

●問い合わせ先
インテュイティブサージカル(同)
http://www.intuitivesurgical.com/jp/ (日本)


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