江戸川病院が乳がんに対するBNCTの普及に向けたプレスセミナーを開催

2026-3-30

放射線治療


江戸川病院のBNCT棟(写真提供:江戸川病院)

江戸川病院のBNCT棟
(写真提供:江戸川病院)

社会福祉法人仁生社江戸川病院は2026年3月27日(金),共同ピーアール(株)(東京都中央区)において,乳がんに対するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の普及に向けたプレスセミナーを開催した。院長の加藤正二郎氏,乳腺外科部長・乳腺センター長の田澤 篤氏,放射線科統括部長・BNCTセンター長の中村達也氏,BNCT室室長の植松正裕氏,院長代理の後藤年宏氏が出席し,BNCTの原理や症例報告などを行った。また,実際に治療を受けた「あけみさん(仮名)」も参加し,患者の視点からBNCTのメリットなどを紹介した。
最初に発表した加藤氏は,BNCTについて,乳房も免疫も温存する新しい乳がん治療だとして,原則1回の照射で局所制御が完了し,翌日退院も可能であると説明。照射外のがん細胞も死滅させるアブスコパル効果も得られると述べた。

加藤正二郎 氏(院長)

加藤正二郎 氏(院長)

 

次いで,植松氏は,同院におけるBNCT導入の経緯を説明。2024年12月から自由診療として乳がんに対するBNCTを開始したと紹介した。さらに,深さ6cm以内に病変があるといった治療の適応条件や,ホウ素製剤(BPA)をがん細胞のアミノ酸トランスポーターLAT1に選択的に取り込ませた上で中性子を照射し,がん細胞のみを破壊することなどを解説した。

植松正裕 氏(BNCT室室長)

植松正裕 氏(BNCT室室長)

 

続いて,田澤氏と中村氏が症例報告を行った。同院では,2026年3月時点での34例(乳がん再発12例,原発性乳がん8例,血管肉腫3例,神経膠腫2例ほか)のBNCTを実施している。2024年8月から開始した特定臨床研究フェーズ 2「FDG-PET陽性の浅在性腫瘍を対象とした研究」(jRCTs031240204)での成果として,原発性乳がん8例のうち効果判定実施5例では,完全奏功(CR)2例・部分奏功(PR)3例と,全例でPR以上の縮小効果が確認されているとの説明があった。

田澤 篤 氏(乳腺センター長)

田澤 篤 氏(乳腺センター長)

 

中村達也 氏(BNCTセンター長)

中村達也 氏(BNCTセンター長)

 

この後,あけみさんがBNCTを選択した経緯や治療の実際,その後の日常生活について紹介し,高いQOLが得られていると述べた。
最後に,後藤氏ががんに対して安全性が確認された治療を自由診療で提供できる体制を構築していく方針を説明。BNCTをがん治療の第4の柱にするという意欲を示した。

後藤年宏 氏(院長代理)

後藤年宏 氏(院長代理)

 

 

●問い合わせ先
社会福祉法人仁生社江戸川病院
https://www.edogawa.or.jp/

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