キヤノンメディカルシステムズ,第15回目となる「Global Standard CT Symposium 2026」を開催

2026-8-28

キヤノンメディカルシステムズ

CT


A New Landscape―CTの新しい視点―」をテーマに「Global Standard CT Symposium 2026」が開催

「A New Landscape
―CTの新しい視点―」を
テーマに
「Global Standard CT 
Symposium 2026」が開催

キヤノンメディカルシステムズ(株)は,2026年8月22日(土),15回目となる「Global Standard CT Symposium 2026」をオンラインで開催した。事前登録者数は1000名を超えたことが発表され,同社の最先端のCT装置や最新技術に対する関心の高さがうかがえた。
本シンポジウムは,320列Area Detector CT(ADCT)「Aquilion ONE」をグローバルスタンダードCTとして世界に普及させることをめざすとともに,新たな臨床知見の共有や,同社が推進する「国内CT医療被ばく半減プロジェクト」の進捗を報告することを目的に毎年開催されている。今回は,「A New Landscape―CTの新しい視点―」をテーマに掲げ,6名の演者が講演した。

講演に先立ち,今年4月に同社代表取締役社長に就任した堀 雄彦氏が開会の挨拶を行った。Aquilion ONEにおいては,ディープラーニング画像再構成(DLR)の普及を推進し,画像の高精細化とさらなる被ばく低減を追究していくと強調。また,今年4月に販売を開始した国産初のフォトンカウンティングCT(PCCT)「Ultimion」や,1台で臥位・立位・座位の撮影が可能なマルチポジションCT「Aquilion Rise」を紹介し,これら最先端の装置が生み出す新たな知見への期待を示した。

堀 雄彦氏(代表取締役社長)

堀 雄彦氏(代表取締役社長)

 

続いて行われた講演は,前半と後半にそれぞれ3演題ずつ設けられた。前半の座長は,広島大学大学院の中村優子氏と慶應義塾大学の山田祥岳氏が務めた。
はじめに,大阪大学大学院の梁川雅弘氏が,「超解像技術と体動補正技術がもたらす胸部画像診断の変革」と題して講演した。Aquilion ONEシリーズの最新機種である「Aquilion ONE / INSIGHT Edition」には,ディープラーニングを活用した技術として,同社の高精細CT「Aquilion Precision」の画像を教師データとして用いた超解像画像再構成「Precise IQ Engine(PIQE)」と,体動補正技術「CLEAR Motion」が搭載されている。梁川氏は,肺野領域におけるPIQEの有用性を,Aquilion Precisionの画像と比較して検討。PIQEではAquilion Precisionと遜色のない高画質が得られ,微細構造の描出に優れるほか,低線量CTでも有用性が高いと述べた。また,肺野領域を対象とした「CLEAR Motion for Lung」がもたらす画質改善効果が早期線維化の診断に有用であることを示唆した上で,PIQEとCLEAR Motionを併用することで得られる可能性にも期待を示した。

前半の座長を務めた山田祥岳氏(慶應義塾大学:左)と中村優子氏(広島大学大学院:右)

前半の座長を務めた山田祥岳氏(慶應義塾大学:左)と中村優子氏(広島大学大学院:右)

 

梁川雅弘氏(大阪大学大学院)

梁川雅弘氏(大阪大学大学院)

 

華岡青洲記念病院の山口隆義氏は,「Motion correctionが変える新時代の心臓CT検査」と題して講演した。心臓CTは,ガントリ回転速度の向上など物理的な進化を遂げているが,高心拍症例の冠動脈の評価には限界がある。そこで,山口氏は,注目の技術として心臓の動き補正技術である「CLEAR Motion Cardiac」を挙げた。ハーフ再構成やセグメント再構成と比較した検証の結果,CLEAR Motion Cardiacを用いることで高心拍群においてもより良好な画像が得られ,被ばく低減にも貢献することを示した。また,CLEAR Motion Cardiacは技術的な進化を遂げており,心機能評価の正確性のさらなる向上が期待できると述べた。

山口隆義氏(華岡青洲記念病院)

山口隆義氏(華岡青洲記念病院)

 

名古屋ハートセンターの杉浦淳史氏は,「心臓CTが変える弁膜症診療―診断から治療戦略までー」と題して,Aquilion ONE / INSIGHT Editionを用いた診療の実際を報告した。弁膜症患者の予後を改善するためには早期診断・治療が重要であるが,そのためにはCTでの評価がきわめて重要である。杉浦氏は,高速なガントリ回転速度を実現し,PIQEやCLEAR Motionなどの最先端技術を搭載したCTがもたらす有用性を,多数の症例を示して詳述。高画質・高時間分解能な心臓CTは,診断の補助のみならず治療戦略の決定に大きな影響を与えるものであり,今後の弁膜症診療において必要不可欠な存在になっていると述べた。

杉浦淳史氏(名古屋ハートセンター)

杉浦淳史氏(名古屋ハートセンター)

 

休憩を挟んで行われた後半では,中村氏と梁川氏が座長を務めた。
浜松医科大学の尾崎公美氏は,「超解像技術が拓く上腹部低線量イメージングの新時代」と題し,特に上腹部におけるPIQEの有用性を詳述した。PIQEでは,高いノイズ除去効果に加えて,人工的な画像質感を抑えた自然なテクスチャを維持できることが特長であり,微小病変などの微細な構造物も明瞭に描出することができる。また,低線量撮影においても良好な画像が得られることから,経過観察などのために複数回のCT検査を受ける患者の被ばく低減にも貢献することが期待される。尾崎氏は,担がん患者において,低線量撮影でも診断能を担保できるか検討を行い,従来より被ばく線量を70%低減させた症例においても,臨床的に十分な診断能を確保できるとの結果を示した。

後半の座長を務めた梁川雅弘氏(左)と中村優子氏(右)

後半の座長を務めた梁川雅弘氏(左)と中村優子氏(右)

 

尾崎公美氏(浜松医科大学)

尾崎公美氏(浜松医科大学)

 

山田氏は,「マルチポジションCT(Aquilion Rise)の臨床展開」と題して,Aquilion Riseの特長を多数の症例を提示して報告した。立位・座位での撮影においては寝台への乗り降りが不要なため,臥位での撮影に比べて効率的なワークフローを実現できることから,患者負担の軽減や検査スループットの向上といった利点がある。また,山田氏は,立位CTの臨床的有用性として,立位で症状が増悪するさまざまな病態を明らかにできることを挙げ,立位で呼吸状態が悪化する側彎症や高度漏斗胸の症例などを紹介した。立位CTは,ほかにも腹部・骨盤腔領域や循環器領域,整形外科領域などでも有用性を発揮するとして症例を多数提示。さらに,「筋肉学」の構築などによって予防医学にも貢献できると展望した。

山田祥岳氏(慶應義塾大学)

山田祥岳氏(慶應義塾大学)

 

最後に,国立がん研究センター東病院の小林達伺氏が,「キヤノン製PCCT Ultimionの魅力と臨床価値」と題して講演した。国立がん研究センター東病院では,数年にわたって同社との共同研究を行っており,2026年3月には臨床研究機をUltimionにバージョンアップしている。小林氏は,Ultimionの特長として,120kVにおける最大管電流840mAやガントリ回転速度0.24s/rotの実現,DLRである「Advanced intelligent Clear-IQ Engine(AiCE)」の標準搭載によって,1mmという薄いスライス厚でもノイズのきわめて少ない高解像度画像が得られると紹介。また,同一の撮影で,高解像度画像と同時にヨードマップなどのスペクトラルイメージングが可能なため,さまざまな臨床課題に応じた多様な画像情報を提供できると述べ,多数の症例画像を提示した。

小林達伺氏(国立がん研究センター東病院)

小林達伺氏(国立がん研究センター東病院)

 

●問い合わせ先
キヤノンメディカルシステムズ株式会社
広報室
https://jp.medical.canon

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